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VRMMOで拘束使い  作者: 因幡の灰兎
参章 発掘と拠点と鬼王
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対話.1

「!?」


突如として武器を掴んだ彼女に、私は腰をおとして足に力を込める。

同時に、《空間把握》と《看破》で周囲の確認をして、幻想団ハーメルンの他のメンバーが居ないか確認する。


そんな警戒心全開の私の前で、アイさんは槍を抜いて


「……………………」


そのまま、道に置いた。

そして、弓も同様に道に置く。


それを見て、私は一つの推測を生んだ。


「………敵対の意思はない、と?」


「………うん」


とりあえず、足から力を抜いて体勢をもとに戻す。


「もう一度、聞きましょう。

私に何のようでしょうか」


「………謝りたい。

あと、許してくれるなら話がしたい」


「へぇ。話ですか」


言った瞬間に移動して、ナイフの刃を彼女の首に当てる。


「最初の時に温厚だったから、また一人で会えばそうなるとでも?

それとも一時的に協力したから、なんて愚かな願望でそれが出来ると思ってきたんですか?

それ以前に敵対している相手が目の前に武器を放り出しているのなら、私はそんな事を無視して狩りますよ?」


これは脅しだ。

ただの脅しだ。


「貴方は、しない。

だって、」


何故なら、


「私が義を通しているから」


相手が義を通しているから。


謝りたいと、彼女は言った。

そのための誠意も礼儀も示してきた。

だから、私は手を出さない。


「良いですねぇ。貴女」


ナイフを仕舞い、足元の弓と槍を拾い上げ、アイさんに渡す。

アイさんは、それを受け取ってはじめのように背負った。


「さて、まずは場所を変えますか。

着いてきてください」


「………うん」


私は、アイさんを連れ立って近くの飲食店の個室に入った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「すみません。紅茶を一つ」


「………私も」


「紅茶が二点ですね。少々お待ちください」


店員に注文をして、私は改めてアイさんと向かい合った。


「それでは、話を始めましょうか。

まずは、"謝りたい事"から」


「………うん」


すると、アイさんは姿勢を正して口を開いた。


「私が謝りたいのは、門の前に居た人達の事と、バトラーの事を探してたソラとリクについての事」


「門の前に居た人達の事は、もういいですよ。

どうせ、話をしているのを偶々聞いた人が広めたとかそんなところでしょうからねぇ。

人の口に戸は付けられませんから。

それに、謝りに来てくれるほどの事でもありませんしね」


「でも、謝りたかった」


「じゃあ、許します。

これでいいですね。

それより、ソラとリクの事を聞きましょうか」


話を移行するとアイさんは、真っ先にこう言った。


「まず、御免なさい」


「………なにが御免なさいなのか、分からないのですが?」


「うん。でも、先に謝っておきたかったから」


「はあ」


「じゃあ、話す。

バトラーの居なくなった後の事だけど、二人にバトラーを追う理由を簡単にだけど聞いた」


「へえ」


そこで、紅茶が届いた。


「ありがとうございます。

どうぞ、続きを」


「ん。

それを、聞いた私達は貴方の考えと思いをある程度察する事ができたけど、ユサが」


「ユサって、あの銃使いの戦闘狂バトルジャンキーというか、発砲狂トリガーハッピーの男性でしたよねぇ。

彼がどうかしたのですか?」


「教えちゃった。

貴方が許さない理由ワケ

それで、彼等はクエストを取り消して、二人だけで貴方を探してるみたい」


「それは、それは」


苦笑しながら飲みやすい温度まで下がった紅茶を口に運ぶ。


確かに、許さない理由は二人のように幼少の頃から人に何かさせるのに慣れてしまうようになっていなければ普通に気がつくだろう。


謝罪とは、電話で謝るにしろ、メールで謝るにしろ、本人に直接謝るにしろ、普通は謝る側と謝われる側の二つだけですることなのだ。

それに、謝る側が自身の非を知った上で第三者が関わらせるのは、面倒を増すだけの行為である。

勿論、謝る側が会いに行かずに相手に来てもらう何て言うのは、礼儀知らずである。


「貴方は、彼等がそれを自分達で分かって、理解して欲しがったんでしょ?」


「そうですねぇ。

ですが、彼等が自分で理解するのは難しいと思っていたのも事実です。

気付いてほしかったのと同時に誰か、私以外で教えるような人がいてほしかった。

これも事実ですよ」


「なんで?」


「約一年ぶりであっても気が付いてないなんて、流石に誰かが教えないと理解できないことだったと悟ります」


「そっか」


「それで?アイさんは、その事の何を謝りたいんですか?」


「ん。

勝手に過去の話を聞いた事と団員が貴方と彼等の話に首を突っ込んだことにたいして」


「それくらいなら、許しますよ。

首を突っ込んだのは、些かあれですが、先程言った通り私も望んでいましたしねぇ。

逆に感謝しますよ」


「………どういたしまして?」


「あはは」


首をかしげながら答えたアイさんに思わず笑ってしまった。

実に、楽しい。

最近は、愉しい事ならそれなりにあったが、楽しいのは久し振りだ。

それにしても、話をしているだけで楽しいと思える時点で、私はかなり彼女が気に入っているようだ。


「さて、今度は"話"とやらを聞きましょうか?」


「うん」


夜は、まだ始まったばかり。

ゆっくり、楽しく話を続けていきましょうかねぇ。

スキル

ロープマイスターLv50 暗器v23 脚技Lv37 雷魔法Lv64 風魔法Lv64 空間認識Lv38 テイマーL40 身体強化Lv14 看破Lv34 装備制限解除(数〈Lv変化なし〉


控え

酒職人Lv3 付加職人Lv3 縄職人Lv6 道具職人Lv17 大声Lv32 採掘Lv5



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