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VRMMOで拘束使い  作者: 因幡の灰兎
弐章 親友と逃走と鎌鼬
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VS BOSS〈黒風鎌鼬〉No.1

門を開くとそこは、梟と対決した森を思わせる場所だった。

というか、全くといっていいほど同じだ。

違いと言えば、明るさくらいか。

既に三回目の体験となる初見のbossでの勝手に動く体は、ゆっくりと前に進んでいく。

フルーとルドゥもそれに追従してくる。

突如、体が勝手に伏せる。


スパン!


隣の木に斜めの線が走ったと思うとその木が線に沿ってずれ落ちた。


スパン!スパン!スパン!


様々な所で木々が切れ、ずれ落とされる音を伏せながら聞く。

そして、音がしなくなったと思って顔をあげると少し前の幹の上に風が渦を巻いているのが見えた。


「キュ!」


ネズミに似た声が響いたかと思うと風の渦が破裂し衝撃波がきた。

体は、顔の前に腕をクロスさせてそれをやり過ごす。

フルー達と一緒に後ろに飛ばされて着地して前を見ると


「キュルゥ」


渦のあった場所に立つ尾が先の方から三分の二ほど鎌になった鼬と目があった。

そこで、体の操作権が戻ったようで自由に動けるようになった。

戦闘開始のようだ。


「《看破》」


即座に《看破》を使う。

黒風鎌鼬くろかぜのかまいたち〉と出てきた。


「(先程の行為や名前からして風を使うボスですかねぇ)」


「キュ!」


考えていたことが見抜かれたかのようなタイミングで鼬が鳴いた。

同時に鼬から見えない何かが此方に向かってくる。


「コン!」


ボッ!とフルーが出した青い炎が私の横を過ぎ去り不可視の何かと衝突し相殺した。


「風というのは面倒ですねぇ」


もしかしなくても今のは、風の刃か何かだろう。


「初見のbossですが人を待たせていますからねぇ。

気張っていくとしましょうか」


一先ず、攻撃手段を見極めよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「キュァ!」


「よっと」


上から落ちるように飛んできた風の刃を前に進むことでかわしそのまま右手の〔投げナイフ〕を投擲するが《暗器》の隠密効果を軽く無視して鼬は尾の鎌で弾き落とす。


「コン!」


「キュ!」


ナイフを弾いた鼬にフルーが飛びかかるが軽くジャンプするだけでかわされる。

そして、空中で回転してフルーの胴体に鎌を振るうがフルーにくっついたルドゥがそれによる傷を許さない。


「【雷獸】【命令オーダー】【食らいつき拘束しろ!】」


魔法によって現れた雷の獸が空中の鼬に向かっていく。

しかし、鼬の周囲に発生した9つの風の刃が強引にそれを反らし鼬は再び幹に乗る。

かれこれ三十分、コレか続いていた。

無論、無駄にそれを繰り返している訳では、無い。


「(同時に出せる刃はやはり9つまでのようですね。

攻撃手段も回避パターンも、大体読めました。

問題は、HPが少なくなってからの事ですが押しきれそうですね。

時間もおしてますし、そろそろ)行きましょうかねぇ!」


言うと同時に左右に二本ずつ持っていた計四本のナイフを投擲する。

それに会わせてフルーが真上から大玉の蒼炎を鼬に飛ばす。


「キュアア!」


鼬が一鳴きすると9つの風の刃が現れ、5つは大玉の蒼炎へ、4つはナイフの方へ飛んでいき各々を破壊した。

そして、


りました!」


ナイフで隠しながら投げた縄が砕けたナイフの残骸や降りかかる火花を抜けて鼬の首に巻き付いた。


「ギュ!?」


首を絞められ詰まったような声を鼬があげる。

しかし、それだけでは終わらない。

首を絞めている縄とは別に持っている縄を切られていない鼬の左右と背後の木や枝に通しその上でその三本で更に鼬の胴体と尾の鎌の付け根を【拘束】する。

そして、四方向からの縄を全て一度に強化された力で引く。

すると、どうなるか。


「!?!?!?!」


もはや、声が出せないほど喉を強く絞められながらも鼬は、絶叫をあげる。

私がした事は、簡単に言えば引き裂き刑と呼ばれる酷刑で昔は、世界各国であった死刑の1つだ。

実際は、手足を牛などに引かせる刑罰だが私がしたのはかなり違うが四方向から引く、と言う点は完全に同じである。

そして、そんな酷刑に晒されている鼬のHPは、ガリガリと削られていく。

鼬も縄を切ろうと風の刃を出すが全て縄に触れる前にフルーの蒼炎に消され縄は傷つきすらしない。

また、尾の鎌で縄を切ろうとしても尾を引っ張られているせいで振るという行為自体ができない状態だ。

そして、動くことすら出来ないまま鼬のHPは残り三割を切った。


ヒュゴォォォォオオオオ


「っ!来ましたか!」


鼬に変化が起きた。

小さな四肢の周りを円を描くように黒の風が渦を巻く。

その黒の風は徐々に足から体に広がっていき散々己を苦しめてきた4つの縄をバラバラに切断した。

そのためだけに体に広げたようで直ぐに黒の風は移動して足の周りの円を残して残りは全て鎌である尾に集中する。


「フム。

残り三割といったところですか。

梟の時にあんな感じの変化が起きたのは、HPを半分削った辺りでしたねぇ。

しかし、牛の時は、残り一割程でしたからやっぱりこの変化が起こる過程は個体差が有るみたいですねぇ」


今まで戦ったboss達との違いをきちんと認識する。

口にだして耳に入れる。

暗記の基本だ。


「キュルァアア!!」


再開だとばかりに鼬が鳴いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


黒の風を纏った鼬の動きは、先程の比にならないほど速くなっていた。

更に、風を纏った分のリーチの長さも油断のならない広範囲のものになった。

例えば、先程のフルーとルドゥへしていたジャンプからの空中の縦回転での鎌の一閃は、鎌+風でリーチが倍以上になりか回転が速くなった事で勢いもある一撃になった。

しかし、ただ早くなってリーチが広くなっただけならまだやりようがある。

急に速くなったことで鼬自身の体がバランスを崩しやすくなっているから。

だが、問題はそこではない。


「またですか!

私もすることですが敵にやられると頭に来ますねぇ!」


「キュ!」


空中の鼬に放った【雷槍】が避けられる。

私もするやり方で。

ここまで言えばわかるかもしれないが黒の風を纏った鼬は、宙を跳ねるのだ。

私と同じように風を足場にして。


「クゥン」


「ポワァ」


フルーとルドゥもこの十分でかなりのダメージをおっていた。

フルーに至っては、MPも限界に近い。

これ以上この戦闘に参加していても荷物にしかならないだろう。

だがそれは二匹とも分かっているようだ。

そして、ここが今の限界だということを自分でしっかりと理解しているようだ。


「フルー、ルドゥ。お疲れ様です。休んでいてくださいね」


二匹は、粒子になって私の中に入っていった。

同時に《孤高》の効果が発動し体の力強さが増した。

若干、追い付かれ気味だった速度もコレでもう追い付かれないだろう。


「さて、MPも満腹度も随分と減ってしまいましたねぇ。

それに、もうすぐ一時間たってしまいそうだ。

ここからは、速度中心攻撃特化と行きましょうかねぇ!

〔アバリス〕発動!」


「キュアアアアァァァ!!!」


鼬が着地してそのまま、此方に黒い風を体に纏わせて突撃してくる。

私は、黒い煙を纏って答えるように此方からも突撃する。

お互いに突撃したお陰で直ぐに接敵した私達は、鎌とナイフによる剣劇をかわしあった。

左の軍用ナイフで鼬の頭を縦に割ろうとすると鼬を覆い隠す。は、首を反らし避けると同時に右に反らした首をそのままに回転し尾の鎌で私の胴体を狙う。

私は、それを飛んでかわし直ぐに回転して踵落としに繋げるが鼬の体の風に阻まれあまりダメージを与えられない。

無論、そんな攻撃に意を掛ける訳はなく鼬は、傍に着地した私に風の刃を向ける。

再び私は、飛び上がる。

今度は、【跳躍】で高くとんだ。

着地を狙ってもかわされると思ったのか鼬は、宙の私を追ってくる。

高めの木の枝でもう一度【跳躍】する。

《空間把握》で鼬を確認するがきちんと追ってきている。

そして、二度目の【跳躍】から体が重力に引かれ始めた所で右手のナイフを逆手にし下を向く。

鼬と目があった。

風の刃が向かってくる。

〔投げナイフ〕で撃ち落とし、私はまるで独楽を横にして廻した様に強い縦回転をする。

それを見て鼬も予想通り横回転し始める。

数秒後、二つの独楽は、激突した。


ガガガガガガキン!


ナイフと鎌が火花を散らしてぶつかりあい、同時に弾かれる。


キン!キン!キン!キン!


何度も何度も独楽は、勢いを保ち、いや増しながらぶつかり、弾き会う。

御互いに確実に傷を負わせながら、しかし止まることなく独楽は、宙を舞台にぶつかりあう。

そして、二つの独楽は、


「ぁぁぁぁあああああ!!!」


「キュアアアアァァァ!!!」


ドオオオォォォンン!


片方の独楽が遥か上空から地に叩きつけられる事で決着を迎えた。

もうもうと立ち込める土煙が二つの独楽を覆い隠す。


パリィィィン


片方の影が土煙の中で砕ける。

そして、


「ハァハァ。中々、しぶとかったですねぇ」


空中に残っている片方は、私だった。


―――――――――――――――――――――――――――――

鎌鼬の柔肉×3

鎌鼬の毛皮×4

鎌鼬の血液×4

鎌鼬の大鎌×1

風の魔法玉×3

妖怪の波動×1


特殊条件クリア

防具 〔黒颶通くろぐつ

―――――――――――――――――――――――――――――


『称号《転の舞》を修得しました』

『メッセージが三件届いております』

黒風鎌鼬くろかぜのかまいたち

属性 風 黒風

鼬のようなモンスター

尾の先が鎌になっている

攻撃手段は、

鎌による近距離攻撃

風の刃による中距離攻撃

風の爆弾による近距離範囲への攻撃

(爆弾は、最低でも五人は近くにいないとしてこない)

特殊攻撃として

HPが三割を切ると攻撃と防御の両方を補助する黒い風を体に纏わせる

コレによって攻撃の距離が1段階上がる

(近→中→遠)

空中でのジャンプが可能になる


黒颶通くろぐつ

革製の黒い靴

特殊効果

空中での【跳躍】が使用可能になる

獲得条件

特定bossとの空中戦で一定の成果をあげる


《転の舞》

回りながら舞うように戦った証

ツール習得 【回天舞踏】


スキル

ロープマイスターLv48 暗器v15 脚技Lv35 雷魔法Lv64 風魔法Lv64 空間認識Lv35 看破Lv20 テイマーL37 身体強化Lv9 装備制限解除(数〈Lv変化なし〉


控え

酒職人Lv3 付加職人Lv3 縄職人Lv6 道具職人Lv17 大声Lv30

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