東の樹海.4(戦闘中)
ズドドドドドドドドッッッッ!!
乱気流の大群が周りを抉って行く。
それに巻き込まれ驚愕の表情のまま死んでいく集まったプレーヤー達は、自分達が負けることを予期して無かったようだった。まさに、信じられないという顔つきだった。当たり前だ。人数差が1vs100や200なのだ。それに相手は、つい最近まで存在も囁かれることすらなかった無名も無名の人物。中級でさえ使えれば有名になるような所で上級の魔法が使えるなら有名になっているはずなのだ。なのに、噂すらされたことのない。信じられるわけもなかった。そんな中で私は呟く。
「脆いんですねぇ。もしかしたら全滅して選別にも耐えられないなんてことになるんでしょうか?」
呟きは、風の音がかきけす。他にも、もしかしたら悲鳴のようなものを叫んだプレーヤーも居たかも知れないが風の音が大きすぎるので私の耳には全く届かない。そんな中で私は《空間把握》でプレーヤー達がその数を一気に減らしていくのは、よくわかった。
「ん?」
そして、少し遠くで凍った土が造る巨壁が立ち誇り吹き下ろされた乱気流の大群を完全に防いでいるのもわかった。周りのプレーヤーは、もうほとんど居ない。だから私は感覚を集中して巨壁に意識を傾けた。
「へぇ。土と氷の合成魔法ですかね?しかも、上級ですねぇあれ」
巨壁を造る属性を見た目から判断する。
「MPもまだ残っていますしもう一撃彼処に撃ってみますか」
《空間把握》によって既に近くにいたプレーヤー達は、全滅しているのを知った私は手を壁に向ける。
「合成魔法には合成魔法ですよ?【擂角風馬】」
馬をかたどった風とその額に角のように雷が発生した魔法は、そのまま一直線に宙を駆け巨壁に突っ込んでいき
ガギギギギギギギッッ!
巨壁の中央に激突した。
「さっきの広域型の【群天降乱】と違い此方の【擂角風馬】は、一点集中型での上級魔法。耐えられますか?」
『否。しかし』
まさかの返答がきた。人のことを言えた義理ではないがすごい地獄耳だ。声は、言葉を繋げる。
『これなら?』
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~ザウベルside~
「これなら?」
「ザウベル?どうしたの?」
「ナイ?丁度いい。今まさに、私の防壁が破られそうなので強化してくれませんか?」
「わかった!
《歌声》【守歌(keep the faith)】《単独演奏会》【フルコーラス】
いっくよー!」
「頼みました。私の女神、歌姫よ」
~side out~
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~バトラーside~
「おや?」
パアッ
突然、巨壁が光に包まれ明らかに強化された。そして、壁の向こうから少し前に止まった【群天降乱】の妨害がなくなり聞こえやすくなった耳に届くのは、
「歌?」
女性の歌声と数多の楽器による演奏だ。
「そういえば、声関係のスキルで《大声》以外にも《歌声》っていうのもありましたね。あれの効果ですかね?」
歌により強化された巨壁は、【擂角風馬】の攻撃を完璧に防いでいた。
「このままでは、破れませんね。なら、どうにかして歌を止めますかぁ!」
【二重奏月】によるMP回復を確認しながら巨壁に向かい一直線に跳躍する。そこに追走するように影がよってくる。
「良いところに帰ってきましたねぇ!フルー!」
「コン!」
影は、フルーだった。【群天降乱】が終わったので帰ってきたのだ。
「歌を止めます!あの壁に煙が発生するように火の玉を爆発させてください!」
「コン!」
フルーは、自分の周りに青い火の玉を四つ浮遊させそれらを収縮し1つの巨大な火の玉にする。ランクが上がった時に増えた攻撃手段の1つだ。そのまま火の玉を壁に向けて飛ばす。
ドオッ!
火の玉が爆発し爆煙を発生させるが強化された壁に傷はつかない。しかし、
「【アルファール】」
初級の風を出すだけの魔法によって壁の向こうへ煙を送る事ができた。
『ケホケホ』
煙のお陰で歌が止まり演奏も止まり強化が解除され、そして
ガギィン!
壁が【擂角風馬】に破壊された。その【擂角風馬】も限界が来たように消えた。
『【タイフーン】』
そこで風の竜巻が発生し煙が散らされる。それにより、煙の中にいたが《空間把握》によりもともとわかっていた6人の顔がはっきりとわかるようになった。その中につい昨日見た顔がいた。
「おや?アイさんじゃないですか」
「………こんにちは?バトラー」
「はい。こんにちは。それで?今日は狼狩りに来たのでは無いのでしょう?どんな用事で来たんですか?」
「それは、私が話そう」
顔に大きな火傷のような傷があるアイさんより少し色の薄い朱色の髪の長い女性が話しかけてきた。
「どちら様でしょう?」
「エレナという。エレナさんでもエレナでもいいがちゃんは、駄目だ」
雰囲気的にもちゃんは、合わないので呼ぶ気はない。
「わかりました。それで?エレナさん達は、どのような用事で?」
「簡単に言えばスカウトだな。そこの馬鹿、じゃなくないユサが「それ結局俺馬鹿じゃね?」
どうやらユサと言うのは、あのチャラ男の事のようだ。
「うるさい黙れ。バトラー、お前を見てチームに入れたいと言って来てな。チーム全体で興味が出た。そのあとアイも入れたいと言って来たから実力を見ようと来てみたが」
「卿等。話は、後にしたほうが良いぞ」
金髪で長身の男性が話に割り込んできた。彼の視線の先には、なんだか危険な感じのする銀髪の男性がいる。
「みたいですねぇ。それより貴方は?」
「我は、幻想団団長をしているラウルだ。そして、さっきの歌を歌っていたのがナイ。そして、」
「ナイに煙を吸わせたナイのうたをとめたナイノエンソウヲトメタ」
「そこでキレる寸前なのが副団長の魔術師、ザウベルだ」
金髪の男性、ラウルは自分を指差した後に茶髪の周りに楽器が浮いている女性を指差しそのあと銀髪の男性を指差して名乗った。
「ご丁寧にどうもありがとうございます」
「気にするな。それよりも気を抜くと一撃で死ぬぞ」
「そのようですねぇ。止められませんか?」
「無傷では、無理だろうな。それに、我は戦闘をするとどうにも周りがどうでもよくなってしまうのでな。止めようとして戦って相手よりも周りに被害が増えるということになりかねん」
「そうですか。おや、お喋りもここまでのようですねぇ。本格的にヤバそうだ」
「我等は、遠くで見ている事としよう。行くぞ」
「「「はっ!」」」「ザウベル頑張って」
五人は素早く遠ざかっていった。そして、その場に私とザウベルさんが残る。
「逃げることも出来ないようですねぇ。これだから、本当に強い方々は嫌だ。ま、仕方がないですね」
「コロス。【召喚】ミズチ!ハクア!」
ザウベルの両隣から水を纏った蛇と白い犬が現れる。
「シュルルルル」
「グルウウゥゥ」
「強そうだ。気を引き締めて行きますよ。フルー」
「コン!」
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~負け犬side~
「ぐっ。はあ」
「班長!」
「おお。ここは、リスボーンエリアか」
「はい」
「全員いるか」
「はい」
「そうか。………ぼろ敗けだな」
「そう………ですね」
「追跡したら巻かれ勝負をしたら一撃で負けるか。我々では、捕まえるのは不可能だな」
「ですが、終夜組やリンドウにも捕まえることは出来ませんね。彼等も全員此処に戻されたようです」
「不幸中の幸いだな。私達も強くなれないが彼等も強くなれない」
「はい」
「それで?目標は」
「始めに復活した者が東の門に言ったときには魔法は、無くなっており誰も居ないそうです」
「依頼の方は、どうなっている」
「依頼は、現在も未達成なので恐らく集まったプレーヤー全員が此処に戻されたのだと思います」
「そうか。全員が失敗と言うことか。ならば約束通り、全員が依頼の受注を解かなければいけないな。
直に第七回目の単独大会があるから出来ればほしい報酬だったが仕方がない。諦めるとしよう」
「しかし」
「あれほどの魔法が使えるんだ。大丈夫だよ。それに、約束ひとつ守れない上司に部下はついてこないぞ?覚えておきなさい」
「はっ!」
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スキル
ロープマイスターLv44 隠密Lv53 投擲Lv48 脚技Lv29 大声Lv26 雷魔法Lv60 風魔法Lv60 空間認識Lv30 テイマーLv29 装備制限解除(数〈Lv変化なし〉
控え
酒職人Lv3 付加職人Lv3 縄職人Lv6 道具職人Lv17
称号獲得
大量虐殺 200以上の敵を十分間で殺した証




