王都[ストラル].4(逃走中)
「さて、隠れやすい所は、と」
【跳躍】を使いプレーヤー達の上を行きギルドの壁を使いもう一度【跳躍】で民家の屋根の上でざっと周りを見渡し隠れやすい場所を探す。
「おや?あれは、森?ですかね。あそこにしますか」
王都と外とを繋ぐ壁のうち東側の壁の向こうに見える鬱蒼とした木々を見つけ一先ずそちらに移動する。
屋根の上を走りながら。
「追え!逃がすな!」
「東の樹海に向かっている!見失うな!」
「樹海に逃げられると探索も難しくなる!絶対に捕まえろ!」
眼下の怒鳴り声を無視しながら東に進む。
暫くしたら屋根を降り路地裏に入る。
「どこいった!?」
「近くにいる筈だ!探せ!」
騒がしく人が増えてきた道で大声が辺りに響く。
「少し離れた方が良さそうですね」
声から離れるように私は路地裏の奥へ奥へと入っていった。
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「此処まで遠ざかればいいですかね?」
路地裏を歩き回り空間認識による索敵をして人の少ない方る歩き続けて一時間。流石にもう、大丈夫だろう。
「ですが、路地裏を抜け出すわけにも行きませんね。恐らく、プレーヤー達はきっとあの3組のいずれかに連絡するでしょうし」
とりあえずこれからどうやって東側の壁の向こうに行こうか考える。
「やっぱり、屋根の上に行って見ますかね。見つかる可能性もなきにあらずなのであまりしたくないよですが」
「お兄さん、何してるのニャ?」
「ん?……猫耳?」
近くに誰も居ない筈の所に降りたのだが子供?が居たようだ。
「はじめましてニャ。猫人族のミミって言うものニャ。それで、世外人のお兄さんはこんニャ所で何してるのニャ?」
「少し、面倒なことになってましてね。かくれんぼしてるんですよ。それより世外人?なんでそう思うんです?」
「猫耳見て驚いていたニャ」
「成る程。じゃあ、ミミちゃんはなんで裏路地なんかにいるんです?」
「買い物ニャ」
「買い物?」
「家は焼き鳥屋をやってるのニャ。それで使う鶏肉を買いにいくのニャ」
「そうなんですか。なら、これをあげますよ」
そういって渡したのは、沢山有りすぎて困っていた〔夜行鴉の鶏肉〕。それをに200羽分程渡す。
「ニャ!?こ、こんなに貰えニャいニャ!」
「いいんですよ。余って困っていたのを押し付けているだけですから」
「でもニャァ」
「なら、[東側の壁]への道を教えてくれませんか?」
「それくらいニャらいくらでもできるニャ!他にニャにかニャいのかニャ?」
「んー。なら、作った焼き鳥を少しくれませんか?」
「わかったニャ!少し待ってるニャ!」
そのままミミちゃんは、走っていった。
暫く待っているとミミちゃんが雰囲気の似た猫耳女性と走ってきた。
「待ったかニャ?」
「いいえ。待ってませんよ。そちらは?」
「お母さんニャ」
「はじめまして。ミミの母のミナともうします。それで」
「お金は要りませんよ?本当に余り物を押し付けただけですからねぇ」
「ほらニャ!だからいいっていったニャ」
「でも、こんな貴重な鶏肉を」
「貴重ニャのニャ?」
「夜行鴉は、[西の砂漠]の向こうの山でたまにしか居ない鳥よ。それをただでくれるなんて、逆に心配になるじゃない」
「大丈夫ですよ。まだ、余ってるくらいですから。それに、お返しに道と焼き鳥を貰えるんですから充分ですよ。それに、貴重でも生肉じゃ食べられませんしね」
「それならいいのですが………」
「あ、忘れてたニャ。これ約束の焼き鳥ニャ!」
「ありがとうございます」
「こちらこそ、ありがとうニャ」
「ミミは先に帰ってなさい。道は私が案内します」
「そうかニャ?」
「いえ、別に送ってくれなくてもいいですよ?言葉で教えてくれれば、それで」
「そうですか?」
「それニャらこの路地を真っ直ぐ行って四つ目の角を右に曲がれば丁度[東側の壁]の出入口の前に出るのニャ」
「ありがとうございます。それでは、」
「またニャ~」
「ギルドの近くに屋台出しているので気が向いたらよってくださいね~」
そのまま、ミミとミナの二人と私は別れた。
なんか、彼氏彼女が別れたみたいに見えますねぇ。この文。
「確か、真っ直ぐ行って四つ目の角を右に曲がればいいんでしたね」
少し時間をかけて言われたとおりに路地を歩くと、確かに門の前に出た。しかし
「さて、困りましたねぇ」
門の周辺に見張りが何人か居るのだ。正確に言えば門を通る人を確認しているのが六人、門の回りで指揮をとるように陣取っているのが二人、門の向こう側に四、五人のプレーヤーがいる。もしかしたら私以外を探していたり何か別の用事かもしれない。それでも、不確定だが十人以上は私を探しているプレーヤーがいると言うことだ。
「なんで、こんなに大勢動くんでしょ………そういえば、二つ名を呼ばれるくらいには有名人だったみたいでしたねぇ。陸と大空さん。全く面倒なことになってしまいましたねぇ」
門の出入口は1つのみ。その周りに十人以上の見張り。全くもって面倒だ。
「隠れていくのは難しいでしょうし、やはり強行突破と行きますかねぇ。森の中に入ってしまえばいくらでも逃げる自信はありますし」
なぜ、こんなに逃げ切る自信があるかというと簡単に言えば経験である。なんせリアルでは100人やそこらの鳳凰院の追っ手から逃げ切っていたのである。町や建物の中などで逃げ回ったりもしたが一番多いのは森の中だ。屋根の上に登って路地裏に降りた程度で見失うような人達にそんな馴れた場所で逃げ切るのは簡単である。
「さて、行きますかね」
そのまま、門に突撃し数分後。
「思ったよりザルでしたね。あんな簡単に抜けられて簡単にまけられるなんて」
いとも簡単に森に入った。
スキル
ロープマイスターLv40 隠密Lv52 投擲Lv44 脚技Lv22 大声Lv22 雷魔法Lv59 風魔法Lv60 空間認識Lv14 テイマーLv25 装備制限解除(数〈Lv変化なし〉
控え
酒職人Lv1 付加職人Lv1 縄職人Lv6 道具職人Lv15
獣人と言ったら猫でしょ(=^ェ^=)




