王都[ストラル].3
「ご馳走さまでした」ペコリ
「コン!」ペコリ
「お粗末様でした!また、来なよ!」
ステーキを食べ終わり私とフルーは、再びフロントに向かう。一応、例の人探しの依頼を見ておこうと思ったのだ。それに、ステーキを食べる10分少しの間に誰もギルドに入ってこなかったのも気になる。恐らく、ギルド内の三人が各々が呼んだであろう人々が空間認識に引っ掛かっているがその誰もがギルド内に入ってこないのだ。
「すいません」
「はい。なんでしょう?」
「1つ聞きたいことが有りまして、ギルド内でなにか問題が、例えば取っ組み合いの喧嘩などがあった場合、なにかペナルティが発生するのですか?」
「いいえ、そんなものはありません」
「それなら」
「ですが、そんなことが起きた場合、戦闘きょ………ギルド長が飛んできて強制的に修練場に連れていきますね。あの方の戦闘好きは、些か度を越していますので。でも、最近は「ギルドちょーーーーーーう!」来ましたね」
見ると背中に二振りの長さの違う刀を背負いフードを被り膝まで伸びる明らかに丈の大きい白いコートを着た子どもがいた。
「あ、受付さん!ギルド長は?」
「いつも通り奥にいますよ」
「はーい!じゃあ、お話の邪魔してごめんね?じゃあねーーー!」
「最近は、あの子が相手をしてくれていますのでそんなことも少なくなっていますよ。ほんの三、四ヶ月前は高頻度で喧嘩があったのでギルド長は、楽しんでいましたが少ししたらそんなこともなくなり詰まらなそうでしたがあの子が「戦いかたを教えてください!」って訪ねてきた時から楽しそうにしていて私も………ギルドも平安です」
1つ気がついた。この受付嬢は、ギルド長が好きのようだ。だってギルド長の話になってからずっと嬉しそうですし、口が緩んでるし、頬が赤くなってきてるし、まさに恋する乙女だ。非常に微笑ましい物を見れて私も満足だ。
「そうなんですか。よかったですね」
「はい!」
「好きな人が嬉しそうで」
「はい!…………へあう!?」カァァァァ
「クッククククク」
「えと、あの」
「はい、はい、すみませんでした」
「こ、この事は秘密にしていただけませんか?」
「心配しなくても言いませんよ。(こんなに分かりやすいなら皆知ってると思いますけどね。)それよりきギルド長がさっきの子の方に集中してるならまた、問題が起きるかもしれませんよ?」
「それは、大丈夫です。古参の人達が代わる代わる眼を見張らしていますから。なんでもギルド長は元々このギルドで名を挙げていった人であの人達からするとギルド長は、息子のような人らしいですしね。人によっては、命の恩人だったりもされるようですし」
「そうなんですか」
「はい。今日もいますね。今日は、鎖使いのサガさんですか」
「鎖?」
「はい。そうですが?」
「その人は、何処に?」
「彼方の部屋全体を見渡せる壁際の席に」
見ると黒い服装をした初老の老人が座っていた。
「(後で話をさせていただきますか)有難うございます。では、」
「はい。くれぐれも内密に頼みます」
「はい」
話を終えて今度は掲示板で例の依頼を探す。
「なんにしても、これで呼ばれた人達がギルドに入ってこない理由がわかりましたねぇ」
「コン?」
「ん?そういえばフルー。あなた、私以外とそんなに話をしませんね?」
「コン?」
そう?とでもいうかのように首をかしげるフルー。
「まあ、いいですけどね。あ、これですね」
依頼を見つけた。
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依頼名
人を探しています
依頼人
ダイナ
特長
蒼い髪
片目が青
身長170程
柔らかい話し方
黒い服装
プレーヤー
成功条件
対象を[永久の鳥]に連れてくること
報酬
素材持ち込みでの防具一式製作(手数料無し)
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「ダイナですか。やはり陸ですね」
依頼人の名前からやはり探しているのは、自分だと確信する。ついでにダイナは、陸がよくゲームのニックネームに使っていた名前だ。
「ハア。これでは、到底許される事なんて夢のまた夢ですよ。私はただ2人に直接探して見つけてく欲しいだけなんですがねぇ。人として。それが、早く気づくといいのですがねぇ」
思わずため息をつく。
「それにしても、こんな特長だけでよく私に特定できましたね?町を通る間に何人か蒼い髪の人は見かけたのですが。まあ、なんにしても捕まるのは駄目ですね。そんな形で会って謝られても許す事が出来ませんからね」
どうやら、また暫くフレンド無しで行動することになりそうだ。プレーヤーと話すときに変な緊張をしなければいいが。そう、若干気落ちしていると、
「クゥン」ペロッ
心配するように肩に乗ったフルーが頬を舐めてくる。
「有難うございます。フルー。確かにいつまでも気にしている訳には、行きませんね。少なくとも、ギルド内では、安全ですから、したいことをしておきますか。
まずは、~~~サガさんに鎖について聞きに行きますか。恐らく、鎖は縄になにか関係あるでしょうし」
そう言いながら私は、壁際の席に向かって歩き始めた。
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「おはようございます。サガさんですよね?」
「うむ。おはよう。なにか用かね?」
初老の老人、サガさんは閉じていた眼を開き此方を見てくる。
「はい。私は縄を使うのですが力の強い敵などにどうしても効かない事がありましてね。そこで鎖使いのサガさんの話を聞きまして」
「む?ほほ、珍しいのぉ。ここ最近では縄でも鎖でも使うものがそうはいないのだがお主のような若者が使うとはのぉ」
「はい。それで鎖について教えていただきたいと思いまして、よろしいでしょうか?」
此方を見てくる老人の細く鋭い視線を真っ直ぐに見返しながら話す。暫くにらみ会うとサガさんは、安らかな笑みを浮かべた。
「いいじゃろう。素質もありそうじゃ。この鎖使いのサガ。お主に鎖についてお教えしよう」
「有難うございます」
「じゃがその前に」
視線を私からそらし、出入口の扉のそばにいるプレーヤー、ショップで品物を見ているプレーヤー、少し離れたテーブルでお茶を飲んでいるプレーヤーの三人を、私を意識している三人を見てそのあと扉を、より正確に言えば扉の向こうを見るようにしたあと此方を見て
「お主の用事を済ませてこい。儂は、ここにいなければ自分の家におる。家の場所は受付嬢が知っておる」
「お気遣いありがとうございます。用事が終わりしだいお話を聞きにいきますね。それでは、」
サガさんに背を向け扉に歩いていく。
「待っておるぞ」
背中にサガさんが言葉を送ってくれる。
「全く。早く何とかしないといけないですね。ですが、私の方から出向くのはいけませんし。やはり、依頼で追っ手をだしても無駄だとわからせればいいですかね?
あ、フルー?一度戻って下さい」
「コン!」シュン
フルーが粒子になり私のなかに消える。
そして、背中に何人かの視線を浴びながら扉を開き、
「【跳躍】」ズドン!
「お、い!?」
話しかけられる前にその場をあとにした。
スキル
ロープマイスターLv40 隠密Lv52 投擲Lv44 脚技Lv22 大声Lv22 雷魔法Lv59 風魔法Lv60 空間認識Lv14 テイマーLv25 装備制限解除(数〈Lv変化なし〉
控え
酒職人Lv1 付加職人Lv1 縄職人Lv6 道具職人Lv15




