9.新しいぷにに懐かれました。
ヤッフー☆
いえ~い! 前回、新しいぷにに出会ったぜい☆
何とだんご虫のぷになんだぜ? 自分の甲羅で起き上がれなくなっちゃう様なドジっこキャラで、おまけに何かいじめてちゃんなんだぜい☆
思わず己の欲望に抗いきれずに心のままに突っつきまくってやったのさ。
そしたらば何と何と!
懐かれちまったぜい! てへっ☆
って、ちょっとテンションあがりすぎてキャラが可笑しくなってるよ! 自重しろ、私!
てな訳で、気持ちを落ち着けつつ新しく判った事を説明するよ。
そのだんご虫のぷにの名前はニコって言うらしい。
私に助け起こされた彼(男の子と判明)は頭を覆っていた甲羅が少しばかり後ろに下がり、ちゃんとその可愛い目が見えております。瞳の色は髪と同じグレーかな、なんて思ったけど見れば綺麗なブルーでした。
二コはそのブルーの瞳をうるうるっとさせ、頬を薄っすらと染めて私の手をぎゅっと握ったかと思うと、
「ありがとうだもん」
と言って頬を摺り寄せてきました。
ぐはっ! 萌え所満載!
なんだ「ありがとうだもん」って! 「もん」って!
何気に見た目がころころしてるから語尾が「ころ」じゃねーかと思ってたのに予想を裏切られたよ、いい意味で!
あ、そうそう。何でもこの頬を摺り寄せてくる行為は、お友達成立の証らしいです。
え? いつお友達になってくださいと申し込んだかですって?
むっふっふ、それはね?
何と! あの頬っぺたを突付く行為こそがそれだったらしいのです!
ついでに言えば、頬っぺた以外は相手を心の底から気遣ったり労わったりするものらしいです。
つまり私はあの時、この子に対して「大丈夫? 私とお友達になりましょう?」なんて言っていたと言う事に……。
あーうん、間違っちゃいねえ! 確かにお友達ばっち来いだ!
なもんだから、これ幸いとばかりに思いっきり此方からも頬っぺたをすりすりしちゃいましたよ。
ぷにゅるんぷにゅるんと絶妙な感触。ぷに同士の相乗効果は半端ないね!
すっげ気持ちよかったよ、げへへ。
そんな感じで、どうかと思う笑いを浮かべた私。そしたらこの子ったら「だ、大胆だもーん!」とか言って真っ赤な顔でおたおたしだした。
んでもって、おたおたした拍子にひっくり返ってまたもやじたばた。
うん、お約束だね☆
というか……え? 何その反応?
だって、頬っぺたすりすりはお友達成立の証じゃん? そう言ってたじゃん?
その前に君が散々すりすりしてきたじゃん?
……ハッ! もしかしてこっちからするのって、ぷににとっては破廉恥行為だったり?
うっわー、やっべ! 私ヘンタイぷにになっちゃう!
………。
あれ? それって間違いじゃなくね?
ぷにに対してめちゃくちゃ鼻血噴いてるじゃん私。
半端なく胸キュンしてるし見てるとなんだか息も荒くなってくる……うん、ヘンタイ決定。
やばっ! ぷに達逃げて! ここにヘンタイがっ!
と、その時である。
私の手にぷにっとした感触が。
見ればニコが自力で起き上がって、さっきのように私の手を両手できゅっと握っていた。
ちっ……また思う存分突っつきまくってやろうかと思ってたのに……。
視線を上げていけば、さっきよりも頬っぺたを赤く染めて、くりっとした潤んだブルーの瞳に、若干熱が篭っている様な……。
ぅおーい、今の私やばいぞ!? 君ぃ! これ以上ヘンタイに近づいちゃいっかーん!
のり巻いちゃうぞ? その餅よりももちもちの頬っぺたにのり巻いて、みよーんとの伸ばして食べちゃうぞ?
磯 辺 焼 き の 様 に !
きっとどこまでも伸びる事だろう。
美味しいよね、磯辺焼き。
と、そんな事を考えていると、私の手を握るにニコの手に力がこもって、私を現実に引き戻した。
なんだかニコの表情が若干きりってしているような……?
どうしたのかと訊こうと思ったその時、彼の可愛い口が言葉をつむぐ。
「結婚式はぷにぷに様式ところころ様式どっちにするもん?」
「………」
あるりぇー? なんか今、結婚式とかって聞こえたぞぉ?
つーか、ぷにぷに様式ところころ様式って何やねん!
― 新しいぷにに懐かれました ―
≪懐かれすぎて結婚話にまで発展してしまいびっくりです≫