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5.私の体はコロボックル仕様。

「王様が会いたいって言ってるにょ!」



 おや、君は青いぷに君。なんか姿が見えないと思ったら王様に会って……え!? 王様!? 王様って王様って……一国の主様とそんな簡単に会ってもいいの!?

 私めっちゃ不振人物だよ!? 王様もぷにってるのかな!?



「んじゃあ早速会いに行くぎゃ!」

「王様の部屋まで案内にょろ!」



 戸惑っている私を、レオン君と青いぷに君が引っ張ってゆく。仲良くお手手を繋いで。

 彼らの手はちっちゃく(私の手も同様だけど)温かくてよく見るとちゃーんとちっちゃいちっちゃい爪も生えている。赤ちゃんの手とはまたちょっと違うけど、何だか胸がこそばゆくなってくる。

 こんなふうに誰かと手を繋いで歩くのなんて何年ぶりだろうか。

 うーん、ムズムズこそばいって言うか、胸がきゅんきゅんするんですけど!?


 ハッ! ちょっと待って? 恐らく私も彼らと同じ様にコロボックルになっている筈だから……。


 私はころころっとしたコロボックルが三匹仲良くお手手を繋いで歩いている様を想像した。


 ぶはっ!! カメラッ! カメラは何処ですか!?

 有り得ないほどラブリーでファンシーな絵面な事間違いなし!

 だれかぁ! ここに素晴らしい被写体がいますよー!!



「あ? おみゃ、どうしたぎゃ?」

「なんかプルプル震えてるぅにょ」

「ハッ! にゃんでもにゃい!」



 クリクリとして目で此方を不思議そうに見てくる彼らに首を振る。

 危ない危ない。涎が出るところだった。

 それよりも私のこの言葉遣いは何とかならんのかな?

 舌が思うように動かないだよね。ちっちゃ過ぎると言うかなんと言うか……頬っぺたも柔らかすぎて思うように口も開かないし……。

 「なにぬねの」が「にゃににゅにぇにょ」に……さ行も言えないなこりゃ。

 客観的に見れば可愛いんだろうけど、自分自身がなると微妙だよなぁ……。

 つーか、普通に可愛いとか思っちゃったけど、自分のコロボックル姿って如何なの? こいつらみたく可愛いもんなんだろうか。

 うーんまぁ、深くは考えずに今を楽しんじゃえ☆

 言葉遣いもこれがコロボックル仕様なんだと思えば何とか受け入れられるし。

 あー、ならこれもコロボックル仕様なのかな? ありえないもんな、こんな二頭身で、頭でっかちにも拘らず頭が重くないって言うのは。普通こんなに頭が大きかったら、頭を地面に引きずるようだもんなぁ。

 うん、そうだ。そういう事にしよう。深く考えるのは止そう。


 私はそのようなことを自分自身に言い聞かせて、今の状況を無理やり納得させたのだった。




― 私の体はコロボックル仕様 ―

≪私はその時、現実逃避していたんだと思います≫



戸惑う必要など無い! ただぷにればいいだけ!

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