表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
希望通り婚約破棄したのになぜか元婚約者が言い寄って来ます  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
28/62

第28話:あの男を味方につけよう~エヴァン視点~

 準備が整った翌日、いつもの様に僕はルーナを屋敷まで送って行った。


「それじゃあ、ルーナ。また明日。また悪い奴らが襲ってくるかもしれないから、屋敷から出てはいけないよ」


「はい、ありがとうございます、エヴァン様。あの…もう随分気持ちも落ち着きましたので、そろそろ自分で学院に向かいますわ。ですから…」


「何を言っているのだい?震えているではないか。大丈夫だよ、僕が送り迎えをしたことで、婚約を結び直せ!なんて迫らないから。僕は君を傷つけた償いをしているんだ。だからルーナも、大きな顔をして僕をこき使って欲しい」


「こき使うだなんて。でも、ありがとうございます」


 にっこり微笑むと、そのまま屋敷に入って行ったルーナ。やっぱり彼女は可愛いな。つい見とれてしまう。おっといけない、この後約束があるのだった。


 急いで馬車に乗り込み、ある場所へと向かった。


「よく来たね、エヴァン。僕に何か用かい?」


「急にお時間を頂き、申し訳ございません、ハドソン殿下。今日は折り入ってお願いがあって参りました」


 そう、僕が向かった先は王宮、ハドソン殿下の元だ。


「エヴァン、僕たちは従兄弟同士だ、2人の時は、そんなに改まらなくてもいいよ」


 そう言ってほほ笑むハドソン。疲れているのか、少しやつれている。こいつ、無駄に真面目だから、婚約者があんなんで頭を抱えているのだろう。


「それじゃあハドソン、先日ルーナが何者かに襲われた事件を知っているだろう?」


「ああ、知っているよ。結局犯人からは、黒幕の情報を得られなかったらしいね。もしかして君は、ナタリーが犯人だと思っているのかい?」


「ああ、もちろんだ。君が一番あの女の性格を分かっているだろう。きっとこれからも、ルーナに異常なほどの執着を見せ、何が何でも潰しにかかるだろう」


「そうか…でも、どうしてナタリーは、そこまでルーナ嬢に執着するんだろう。確かに彼女は美しく聡明で、令息はもちろん令嬢からも人気が高い。ナタリーが自分より目立つ存在の彼女を憎らしく思うのも理解できるが…そこまで執着するなんて。それもこのままの行動が続けば、僕たちの婚約破棄だってあり得るのに…」


 そう呟くハドソン。


「ハドソン、1つ質問をしてもいいかい?君はナタリー嬢を愛していないね」


 まっすぐハドソンの方を向いて、そう伝えた。そんな僕を見て、ハドソンが悲しそうに笑った。


「エヴァン、そんな当たり前の事を聞かないでくれ。ただ僕は、長年一緒にいたナタリーを見捨てる事は出来ない。だから僕から婚約破棄を言い渡すことはないよ」


「なるほど、一見義理を貫いているように見せかけて、実は面倒な事から逃げているだけだな。ハドソン、僕は君の事を、正義感が強く真面目な人間だと思っていたけれど、がっかりだな」


 僕の言葉に、ハドソンの目の色が変わった。


「君に何が分かるんだ!僕だって何とかナタリーをまともな人間にしたくて、必死に動いて来た。でもあの女、僕の言葉なんて聞きもしない!本当にどうしようもない女なんだ。母上も、いくら親友の忘れ形見だとしても、あんな女を僕に押し付けるなんて!僕だってあんな女、さっさと婚約破棄したいよ。でも、そう簡単には出来ない事は、君にだって分かっているだろう?」


 いつも冷静なハドソンが、珍しく声を荒げ、僕に訴えかけている。


「それがハドソンの本音だな。君の本音が聞けて良かったよ。ねえ、ハドソン、どうしてナタリー嬢がルーナに執着するか知っているかい?それは君にも原因があるんだよ」


「どういう事だ?」


 訳が分からないと言った表情で、僕を見てくるハドソン。そりゃそうだろう、自分に原因があったなんて、これっぽっちも考えていないだろう。


「ナタリー嬢はね、君がルーナに惚れていると思っているんだよ。現にナタリー嬢は“ハドソン様ったら、すっかりルーナに魅了されて、私を見てくれないのよ。あの尻軽女、まさかハドソン様を虜にするなんて、許せないわ”と言っていたし」


「僕はルーナ嬢など見ていない!誤解だ」


 必死にハドソンが、僕に訴えかけてくる。


「ああ、知っているよ。君が見ていたのは、ルーナではなく、エマ嬢だね。ナタリー嬢に“ハドソン様はずっとルーナを見ている”と言われたとき、気になって僕は君を観察したんだ。確かにルーナの方を見ていたが、少し視線がずれていた。ハドソン、君はエマ嬢に好意を抱いているね」


 僕の言葉に大きく目を見開いたハドソン。俯き、ゆっくり深呼吸をすると


「ああ、そうだよ。僕は彼女の全てが大好きだ。でもまさか、君にその事を見破られるだなんて…」


 そう言って苦笑いをしている。やっぱりそうだったか。でも…


「1つ聞きたいのだが、どうしてエマ嬢なんだ?エマ嬢とハドソンには、全く接点がない様に感じるが」


 なぜエマ嬢なのだろう。ずっと疑問を抱いていたのだ。


「いいよ、話してあげる、僕とエマがどうやって出会って、惹かれて行ったかを」

次回、ハドソンとエマのお話です。

ハドソン視点になります。

よろしくお願いしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ