内部へ
ルナヴェイル遺跡の入口を駆け抜ける。
崩れた石柱。
ひび割れた床。
奥からは、 風のような低い音が響いていた。
ユズハラ
「おーい! ちびっこー!! どこ行ったんや〜!」
ユズハラ
「ここ危険やから戻ってこーい!!」
ジンヤは舌打ちする。
ジンヤ
「……見たくねぇ予知見えた」
ユズハラ
「は?」
ジンヤ
「あのガキ、 ここで落石に巻き込まれる」
ユズハラ
「めっちゃやばいやん!!」
ジンヤ
「あぁ。 はやくしねーと」
二人は遺跡の奥へ走る。
その時。
ユズハラ
「あ!」
白猫が、 崩れた通路の先を駆け抜けた。
ユズハラ
「あの猫や!! なんか怪しい!!」
ジンヤ
「おい! ガキどこ行った!」
白猫はこちらを振り返り、 さらに奥へ逃げていく。
ユズハラ
「待てコラ〜!!」
ジンヤ
「猫追ってどうすんだよ!」
ユズハラ
「絶対なんか知っとるやろあれ!」
その直後。
遠くから、 子どもの声が響いた。
子ども
「たすけてぇ!!」
二人が駆け込んだ先。
そこには、 今にも崩れそうな吊り橋があった。
そして——
向こう岸で、 泣きながら立ち尽くす子ども。
心配そうに、子どもを見つめるモフリオン。
ユズハラ
「おった!! でも、あんなとこに……!」
吊り橋は、 風が吹くだけで嫌な音を立てている。
ジンヤ
「……チッ」
ユズハラ
「渡るしかないやろ!」
ユズハラは迷わず踏み出す。
ジンヤ
「おい待——」
ミシッ!!
板が大きく軋む。
ユズハラ
「ひぇっ!?」
足場が崩れ、 ユズハラの身体が傾く。
ユズハラ
「わっ——!」
落ちる。
その瞬間。
ジンヤが腕を掴んだ。
ユズハラ
「っ!?」
ジンヤ
「前見て走れアホ!!」
ユズハラ
「だ、誰がアホや!!」
吊り橋は大きく揺れ続ける。
だが。
なんとか向こう岸へ辿り着いた。
子ども
「うぅ……」
ユズハラ
「もう大丈夫やで〜」
ユズハラが子どもへ駆け寄ろうとした瞬間。
ジンヤの表情が凍る。
ジンヤ
「——上見ろ!!」
モフリオン
「もふ!!!」
ゴゴゴゴ……!!
天井の岩盤が、 崩れ始めていた。




