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エモラの花採取中

ポロル

「ロルルル……っ!」




笑いとも泣きともつかない声が、森に響く。




ディジル

「くそ……なんだこれ……イライラが止まらねぇ……!」


イネリア

「やだべ……なんか全部こわいだべ……」


フワン

「……落ち着いて……落ち着いてください……」



声は穏やかだが、呼吸がわずかに乱れている。




アマリュウは腕を組み、眉をひそめる。




アマリュウ

「……面倒なことになったな」




コッチャン

「はいはーい☆ みんなこっちだぱん〜☆」




ふらつくディジルの腕を、ひょいと支える。



ディジル

「離せ……!」


コッチャン

「よしよしイライラはあとで聞くぴん〜☆」




イネリアの肩にも、ぽん、と手を置く。



コッチャン

「だいじょうぶだべ〜☆ ほら深呼吸だぷん〜☆」


イネリア

「……すー……はー……だべ……」



少しだけ、呼吸が整う。




フワンの前にしゃがみこむ。



コッチャン

「フワン氏も、はい座るぽん☆」


フワン

「……失礼します……」



その場にゆっくりと腰を下ろす。




ポロルはまだ揺れている。



ポロル

「ロルル……ロル……っ!」



コッチャンは、ふっと優しく笑う。



コッチャン

「ポロル氏も、だいじょうぶだぴん☆」



そっと距離をとったまま、声をかける。



コッチャン

「泣いても笑っても、終わるときは来るぱん☆」




アマリュウ

「……お前」




少し驚いたように見る。




アマリュウ

「妙に手慣れているな……」




コッチャン

「任せろぽん☆」




アマリュウ

(……なんだこの安心感は……?)




そう言いつつ、周囲に気を配る。




アマリュウ

「そこ、それ以上近づくなよ」




静かに境界を作る。




――その少し離れた場所で。




ノクシアとみちる。




ノクシアは、再び小瓶を開く。




ノクシア

「いいかい。落ち着いてやるんだ」



みちる

「うん……!」



モフリオンも、神妙な顔をしている。



モフリオン

「もふ……」



みちる

「一緒に、やろうね」



小さくうなずく。




ノクシアは涙を一滴、花へ落とす。




花が、ぴたりと形を保つ。




ノクシア

「今だよ」




みちるは、そっと手を伸ばす。




さっきのポロルを思い出しながら、距離を保つ。




みちる

「……大丈夫……」




モフリオン

「もふ……!」




ふわりと近づき、そっと寄り添う。




その瞬間──




みちるの指先が、花をつまむ。




するり、と。




霞むことなく、花が摘み取られる。




みちる

「……取れた!」


モフリオン

「もふ〜♪」



小さく弾けるように、モフリオンが増える。




ノクシアは、ゆっくりとうなずく。




ノクシア

「上出来だねぇ」




みちる

「やった……!」




――その後ろでは。




ディジル

「……ちょっと落ち着いてきた……」


イネリア

「……だべ……」


フワン

「……収まってきましたね……」


ポロル

「ロル……ロル……」



呼吸が、ゆっくりと整っていく。




アマリュウ

「……ふん」




腕を組み直す。




コッチャン

「ほらね〜☆ 大丈夫だぱん☆」



にかっと笑う。




――霧の奥で。




エモラの花は、まだ静かに揺れている。

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