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境界の窯へようこそ
扉の鈴が、ちりんと鳴る。
「……今日は米の匂いがするだべ。」
小さな影が、カウンターに背伸びした。
「フワンさん。あんたの店、湿度足りてないだべ。」
フワンはため息をつく。
「いやぁ、すみませんねぇ。
嫌なら無理に来なくてもいいんですよぉ?」
「店員の態度じゃないべ。」
そのとき、天井から声が落ちてきた。
「ほう。主食戦争であるか?」
梁の上で、アマリュウが笑っている。
「げっ!だべ!」
「いらっしゃい、アマリュウさん」
フワンは手を止めずに言う。
「モフリオンに付いてきたら、意外な組み合わせに出会えたのう」
白い毛玉が、のそのそとカウンターを横切った。
「わちは、帰るべっっ」
「おにぎりパン、もうできますよ?」
「さよならっっ!!」




