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生きてゐるタワーマンション  作者: 葉方萌生
第一話 おひとりさま満喫

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 住宅ローン計算なんか、ネット上のサイトでいくらでもできるのだが、最近はなんでも「SkyChat」に聞いてしまう癖がついている。いちいち検索ワードを考えてなくて済むのが楽だし、自分の状況に合わせて質問できるのがありがたい。


 ローンの支払いは変動金利制にしたので、多少の変動はあるものの、多くても月十五万円程度で済みそうだ。一人暮らしだし、これといって他にお金のかかる趣味のない俺にとっては、払えない金額ではない。年収は一千万円近いし、生活費だって残った分は貯金をしている。


 タワマンに住みたいというのは、新卒の頃からの夢だった。

 でも、これまではタワマンなんて、結婚してからでいいでしょ、とどこか線引きをしてしまっていた。

 だが結婚したいと思っていた彼女に三ヶ月前に振られてから、三十歳で「おひとりさま」になった俺は、結婚なんていつのことになるのやら、見当もつかずに途方に暮れた。

 どうしてもタワマンに住みたかった俺は、ここでようやく思い至る。


 そうか、べつに結婚しなくても、新居に住んでもいいよな。

 至極真っ当な理論にたどり着いた矢先、自宅のマンションのポストに(さかえ)駅近くの新築タワーマンションの広告が入っていることに気づいた。

 RESIDENCE SAKAE ONE(レジデンス栄ワン)。

 そのタワーマンションの名前を見た瞬間、胸がドキリと高鳴った。

 まさに、俺が追い求めたタワマンそのものだ、と。

 黒光りするボディも、玄関周りにここぞとばかりに植えられた緑も、天高くそびえ立つ、スタイリッシュかつ迫力のある外観も、まるで俺を呼んでいるようではないか。

 運命だとすら思った。

 今、タワマンに住みたいと思ったタイミングで、現在の居住地からそれほど遠くもなく、職場にも近い栄という便利な駅付近に新しく建つタワーマンション。

 広告を見るに、AI管理システムというのが売りらしいが、まあAIだろうがなんだろうが、最先端のセキュリティであることは間違いない。このご時世、何が起こるか分からないからな。安全性が高いに越したことはない。


 RESIDENCE SAKAE ONEに一目惚れをした俺は、その場で不動産会社に問い合わせをしたのだった——。

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