Dement《彼の者、王冠を掲げし真祖なり》
断章なのでご挨拶させて頂きます。
片栗粉のパスタです。
末永くお願いいたします。
==4000年前==
「ねぇ、王様」
「なんだ?」
「私はいつになったら死ねるの?」
困惑したような目でこちらを見つめる少女は、死を望みながら———されど喜んでいた。
「なぜ死にたいんだ?」
「なぜって———」
言葉が、出なかった。
なぜ自分が死にたいのか、明確な答えが出なかった。
自分は確かに世界に絶望しているはずで———こんな世界から抜け出したくて。
なのに。
「もう一度問おうか。君はなんで死にたいんだ?———あぁいや、、、怒ってるんじゃなくてな———君はこれまで絶望ばかり与えられてきたんだろ?———なら君はこれから幸せに———誰よりも幸せにならなきゃ駄目じゃないか」
「どうして?」
「ん?」
分からない。
どうしてもわからない。
「どうして私を殺さないの?」
「何で殺さなきゃならないんだ?」
「だって———私が生きてたら教会が、、、」
「教会がなんだ?」
「貴方は王でしょう!?宗教戦争に発展したら、、、この国が滅ぶのよ!?」
視界がぼやける。
目から頬に熱いものが流れる。
「なら王なんてやめてやるさ。二人で旅でもしよう」
「どうして———」
「どうだっていいだろう?今君が考えなきゃならないのは自分の幸せだ」
それに———と続けて、言う
「君はこんな国奴らを幸せにしたいか?
自分が幸せを得ていることに気づけない、気づいた時にはもう幸せを失っている———こんな奴らを本当に幸せにしたいか?
そんなのは割れた盃に水を注ぐようなものだぞ」
———それからは旅が続いた。
世界中を巡り、幸せを知る為のたびが続いた。
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ねぇ、王様。
なんで私を殺してくれないの?
どうせ殺されるなら———貴方に殺されたかった。
断頭台は、無慈悲に刃を落とした。
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