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世界が貴方に近づく頃には  作者: 片栗粉のパスタ
魔王—世界を終わらせ、始める者、又は世界を溯る者—
3/7

Keter to Noah《Pentiment》

『ほら急いで。急がないとあの娘は死ぬ』


急かされる儘に塔に入り、階段を下る。


塔の中は人間の根源的な恐怖で満たされていた。

至るところに人の恐怖の象徴―――暴力、迫害、刃が並び―――最後には断頭台まで―――ありとあらゆる恐怖が壁に描かれていた。


「なんなんだよこれ———」

『これは記憶。あの娘が受けた苦しみの記憶の記録。あの娘はここに描かれていることなんて憶えていないけれどね』

「ならあのノアは———」


()()()()()()()()()()()()()()()


『そんなことは後でいいでしょう?』

「、、、」


()()()()()()()()()()()()?

明らかに会話の方向を何かから遠ざけている。


『ほら、ここが最下層。あの娘の本質の表れ』

「本質?」

『そう、本質。あの娘の感情が最も動いた瞬間の表れ』


最下層にあったのは真っ白な砂漠と真っ暗な空だった。

何も無いし、風も吹かない。


『何もない、、、って顔ね。その通りよ———あの娘には何もない。記憶も、感情も———人らしさを構成するようなものは何もない』

「どうしてだ?」

『それは———私が■■■■で———あの娘が■■■■だから———要は元となった■■■•■■が■■を起こしたから———』


≪単語は阻害されました≫

≪単語は阻害されました≫

≪単語は阻害されました≫

≪単語は阻害されました≫


「何だって?」

『だから■■■•■■が———あぁ、そうかこれは———()()()!!』


≪単語は阻害されました≫

≪禁止ワードの確認≫

≪神域よりこの地の土着なる契約の天使、メタトロンを召喚します≫


『失念していた———彼奴が来る』

「彼奴?」

『天使ども———詰まる所この世界の管理者』


それまで真っ黒だった空が真っ赤に染まり———()()()

視界が真っ白に染まり、轟音が地面を揺らす。


【異物に死と絶望を———天壊】

『ちっ———【塗り重ねは剥がれ落ち(Pentiment)る】』


複雑な魔法陣が形成されたかと思えば、一気に崩れ落ちる。


【天使は秩序。何人も我らの言葉には逆らえない———さぁ、消え———】

『ここがどこだと思っているの?』


天使が口を開いた儘止まる。

まるで時が止まったかのように、ただ止まった。


『ここは■■■•■■の領域。王たるあの娘が目覚めるまでは私が代理の王。つまり———』


少女が微笑みながら、宣言する。


『ここにいる限り()()()()。何人も私には逆らえない』

【—————】

『消えなさい』



天使の羽が破れ———細切れになっていく。

それを笑顔で眺めながら———言う。




さっさと起きなさい、ノア—————と

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