第0章
―――愛してる
ずっと守ってやるから。
闇につつまれて、迷子になっても、俺が光となって助けてやる。
お前に降りかかる災いや、悪や死をもたらすもの、お前を泣かすもの全て、俺が消し去ってやる。
ずっとお前のそばにいる。
お前は俺の最後の宝物だから。
これからもずっと、それは変わりないもの。
好きだよ―――
目を覚ました。
天井が滲んで見える。瞬きすると、まなじりから冷たいものが頬をつたって落ちる。
唇はカサカサで、両の手は汗ばんで濡れている。
「私、泣いてたの?」
夢の残像が、まだ少し頭に残っている。
すごく悲しくて、どうしようもなくって、でも、とても優しい愛おしい声が聞こえてくる夢。
あの日から、ずっと同じ夢ばかり。
いつもは、私が泣いてたらすぐに慰めてくれたり、頭をなでたりしてくれて、ずっとそばにいてくれたのに…
でも今は、どんなに涙を流しても来てくれない。ずっとそばにいるって言ってくれたのに…
あれは、嘘だったの?
夏の日向の埃のにおいが、鼻腔をくすぐった。
今宵は十六夜。
月がどんどん欠けて、十四日後また大輪の花のように満開にひらく。
「お願いだから、帰ってきて、海斗―――」
両の手を、ギュッと握って目を閉じた。
これって、序章の前に書くべき内容なのでは?
と、自分で書いてみて、疑問が出てきた。
よし、頑張るよ。
ちょっと最初から、よたよたぎみで頼りないけど。
頑張って、読んでる人が分かりやすいように書いていきたいです。