第8話 Chapter(章) 6
早朝、父ガイラが出掛けた後、ミランダはキッチンに立ち、ケーキを焼く支度を始めた。
材料とボウルなどを用意すると、朝食の支度に取り掛かる。
お茶の準備が終わった頃に、姉妹が起きてきた。
姉妹はキッチンに来て声を揃えて、
「ママ、おはよう」
さっそく姉妹は朝食の手伝いに取り掛かった。とは言っても運ぶだけ。
「2人共相変わらず朝は苦手の様ね。たまには早起きしてパパを送り出すとか、朝食を作ってくれるとかしてくれるとママ助かるんだけどなー」
「あぁー。今ママの意識を掴めたわ」
「何でこのタイミング?レイラ」
「ママの気持ちを考えてみた。そうしたらママの意識が手に取るように掴めたの」
「よろしい!リンク系やシンクロ系の基礎は感情。相手の感情を理解しようとすれば、意識を掴みやすくなるのよ」
「それで今のタイミングなのねレイラ」
「ママは部屋や家の外にいるわ。離れていても意識を掴む事が出来るのが一番。上級リンク系ともなると、距離はかなり遠くてもリンク出来る。シンクロ系も同じよ。……今日は3人、キッチンにいるんだし、お互いリンクの練習をしながらケーキを作りましょ。ママは最近、リンクを使っていないから、もう2人のリンクには追いつけないわ。でも夕べ残念がってた2人のリンクは立派よ」
「あーママ!ママだってリンク出来るんじゃない」
「違うわレイラ。ママはパパにシンクロして会話を聞いていたの。パパと出会うまではリンクも使ってたわ。でもここに来て、シンクロだけで用は足りたから。リンク系の感覚は忘れちゃった」
「でも1度は習得したんだもんリンク系はすぐに取り戻せるわママ。レイラとリンクで会話してる時に意識を掴んで欲しい。3人でリンクを使って会話をしてみたい」
「ライラの期待に答えられるかしら。感覚を思い出してみるわ。あなたのパワー系を使ってくれたら叶うかもね」
「ママ。ライラのパワーコントロールは凄いの。たとえママがリンクを忘れていても、感覚が現れればライラはパワーを加えられると思うの」
「それは頼もしいわねライラ。今日はママの感覚を心に表すわ。感じ取ったらパワーを加えてリンクしてみてね。……さ、ケーキ作りを始めましょう」