表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Fate Of Twinsー双子姉妹の運命  作者: ほしのみらい
71/178

第71話 Encounter(出会い) 2

 無言で歩いているワンドルからのリンクに歩みを止める姉妹。


「私も不思議な力を使うんだよ。魔術といってね。この力で、悪い奴らを退治するのが仕事かな。今のこの会話、お前達の力なんだが理解出来るかい?」


 歩きながらリンクを続けるワンドル。

「そうか……本当に記憶を失くしてしまったらしいね……。……それでは、お前たちの本当の名前を教えよう……よく聞くんだ。2人が持っている剣、赤いストーンの短剣を持つのはレイラ。そして黄色い短剣を持つのはライラ。それが二人の本当の名前、分かったかな」


 姉妹はまだ無言のまま。ワンドルはリンクで続けた。

「急な事で無理はない。それに疑いもあろう。……つい先日の話だ。お前達はバリスタンの輝く岩の側にいただろう。その岩は巨人の槍といっている。だが、この時代の人はその岩をまだ名付けておらんがね。……それで、その岩で何か聞かなかったかな?」


 リンクではなく口を開く姉妹。

「ワンドルさん、私達の事をどこまで知っているのですか?」

「あの岩で聞いた会話、もしかしてワンドルさん?」


 立ち止まって話していた。

先を歩いていたワンドルが後ろの姉妹に振り返ると会話を続けた。


「おいおい、そのままリンクして話せばいいものを」

「リンク?」姉妹は声を揃えて聞いた。


「いかにも、リンクだよ。今こうして心の中で会話したのは、リンクという術式。お前達の記憶がリンクを思い起こしていたんだよ」


「これも魔術というもの?」

そう言うと、ローは指先からサンダーの小さな光を放って見せた。

アマも掌からバーストの球を放り投げた。


 ワンドルが満面の笑みで答えた。一瞬ワンドルの笑顔が、姉妹の脳裏に父親ガイラの顔を思い浮かべた。

「その通りさ。二人共、術式の記憶は戻っているね。レイラの掌の術式はバースト、ライラの光の矢はサンダーという術式。もう忘れてほしくないな」


 「バースト……」「サンダー……」

姉妹は各々、呟いた。


「さぁ、歩きながらリンクで話そう。お前達は本当に瓜二つで見た目では区別がつかん。意識なら容易に区別できるからね。……おぉ、そろそろグアムスタンの雲が薄紫色になる。その時は二人共一緒に行こう、巨人の槍へ」

「意識なら私達を区別できるのワンドルさん?それも不思議な力?……雲が薄紫色に。あの時もグアムスタンの雲は薄紫色になっていたんですね」

「あぁ、レイラの思う通りさ。私達は人の意識を理解する。見た目の偽りは意識を理解すれば分かる。瓜二つのお前達でも意識は違うのだよ。だから判別出来る」

「今の言葉は私のじゃない。それはワンドルさんが区別出来てるって事ですね」

「そうさライラ。誰の意識なのかが分かる。リンクの力さ」


 「私はレイラ」「私はライラ」

姉妹は手を胸に当て呟くのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ