第162話 Plan Of Revenge With Granda(グランダへの復讐計画) 13
北階段近くにあるベンチに座って話している姉妹。
「ねぇレイラ。やっぱり誰が勝ち進んでいたかチェックが必要じゃない?」
「ライラの言う通りね。さて結果を知るにはどうする?」
「また警備員さん?……でも結果までは知らないかなぁ」
「主催者側に聞けば早く済みそうだけど。それって主催が近衛隊本部?それとも別の主催者?」
「そこまでしなくても聞き込みで十分じゃない?」
そこへ目の前を通り過ぎようとする男女。
「あ、あの。すみません。今日の闘技大会は観戦してましたか?もしご存じなら対戦の勝者を教えてもらえないでしょうか?」
「俺達は友人の敗戦後の試合は見てないんだが……」
「いえ、試合の経過が知りたいんです」
「そうだな。友人はBブロックだったから、同じブロックの事しか分からないが……」
その後Bブロックの対戦結果を教えてもらえた。
「ほらね。誰かに聞くだけで十分よ」
「でもグランダの情報は得られないんじゃない?グランダが山へ篭もる頃に誰と誰を引き連れたのか。対戦結果だけじゃ情報不足よ。もっと細かく知りたいところ」
「グランダに関する情報かぁ……。グランダと対戦した拳闘士にでも聞いてみなきゃ分からなそう」
「Bブロック3回戦以降、それとAブロックの結果。加えてグランダと対戦した拳闘士を割り出して聞き込み。一筋縄じゃいかないわよライラ」
「でもさ、グランダは第二回では行動を起こしてないでしょ?第三回以降、何故グランダが仲間を集めて山へ篭もったのかしら?」
そこへ、隣りのベンチで新聞を読んでいた初老の男が近寄ってきた。
「さっきからグランダグランダと。あんたらはグランダ支持者かい?やめとけやめとけ」
「それはどうしてなの?おじさん」
「卑怯者の肩入れをする者には何も話さんよ」
「いえ、私達はグラードファンです。グランダが卑怯者だとおっしゃいましたが、一体どうされたのでしょう」
「ヤツの円盾さ。淵の一部を刃物のように加工している。それを相手の手や脚に突き立てて怪我を負わせる。酷いやり方だと思わんかね?確かに腕は良いが、相手に怪我を負わせて早く決着着けようなんて卑怯の何物でもないだろう?そう思わないかい」
新聞をパタパタと折りたたみながら男は去っていった。
「グランダが卑怯な手を使って勝ち進んだの?」
「そういう話だったでしょ。だからもう少しグランダの情報も集めなきゃ。山へ篭もったきっかけでも知れれば上等ね」
「じゃ、城下町で聞き込みね」
(結局聞き込みなんだ……)
姉妹は立ち上がると、城下町の賑わう方へと足を向けた。