第160話 Plan Of Revenge With Granda(グランダへの復讐計画) 11
第3回闘技大会後の城下町……。
ミランダとガムは参加者が居そうなサルーンを探していた。
リンクで話しかけるガム。
「ミランダ様。仲間に引き込めそうな人物は見付かるでしょうか」
「それは分からない。でも話位は聞いてもいいんじゃない?」
「グランダの行方も知っておきたいですね」
第3回闘技大会後まもなくの頃は、まだグランダは誰も引き連れてはいなかった。
しかしすぐにグランダの胸の内には野望が膨らみ始めていた。
通り沿いに賑わっているサルーンを見付けた2人。
店内の声が外にまで漏れている。
「ここに入ってみましょガム」言うとドアを開けるミランダ。
内側に取り付けてあるドアベルが音を立てた。
すぐにウエイトレスが寄ってきた。
「いらっしゃいませ。空いてる席は壁の小さなテーブルだけなんですが構いませんか?」
「えぇ、あそこね。構わないわ。私はワインを」
「僕はラムをもらおう」
2人は壁際の小さなテーブルについた。
リンクの会話が始まった。
「ガム。少し聞き耳を立ててましょう。もしくはシンクロね」
「拳闘士らしき男が数人。……うーん、ここまではよく聞こえませんね。では軽いシンクロを使います」
「悟られないように、喉元だけに集中して」
「分かりました」
ウエイトレスが注文の酒を持ってきた。
代金を渡すミランダ。
「近くにもサルーンはあるかしら?」
「あらお客さん、お強いんですね。もちろんありますよ。この先に歩いていくと2軒あったと思います」
「ありがとう。今日はヤケ酒なの。友達が1回戦負けだったの。悔しかったわ」
「また次回に期待なさっては?」
そう言うと微笑みかけ、ウエイトレスは他のテーブルに歩いて行った。
(運が悪かったな、お前は。一回戦からグラードと当たるとはね。俺も2回戦落ちだから人の事は言えんがね)
(あっちの奴は準決勝まで進んだヤツだぜ。グランダにコテンパンに打ちのめされたようだ)
2人はその男にシンクロを始める。
男はビールジョッキを片手に、テーブルに広げた対戦表を恨めしそうに見つめていた。
(……ちくしょう!3回連続準決勝止まりかよ。健闘はしたんだがまたしてもグランダにやられるとはな)
「テーブルに何か広げてますね」
「何かしら、ちょっと見に行くわ」
ミランダはワインを飲み干すと立ち上がり、その男のテーブルを通り過ぎカウンターへ向かう。
「今回の対戦表のようだわガム」
「対戦表?それは気が付きませんでしたね。書物の対戦表は読み取れませんでしたので、手に入れておかねばなりませんね」
ミランダはバーテンダーにワインのおかわりを受け取りながら、
「今日の対戦表を失くしてしまったの。ここには置いてます?」
「えぇ、お客さん。終わった大会の対戦表なのにいいのかい?」
「第1回から集めてるの。こうなるとコレクションよ」
バーテンダーは、奥から今回の対戦表を持ってきて、ミランダに手渡した。