表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Fate Of Twinsー双子姉妹の運命  作者: ほしのみらい
150/178

第150話 Two People When Young(若い頃の2人) 4

 一派を引き連れて、兄グラードが宿泊している宿にやって来た弟グランダ。


「お、おいグランダ。誰もいねぇ。もぬけの(から)だ」

「何!兄は、グラードがいないだと!?よく探せ!」


 既に兄グラードは、近衛隊士に導かれ王都に向かってしまった。


 宿主からも、グラードは王都に招かれたと知らされた。


「そうか……みんな、一旦山へ戻ろう。それからまた考えるさ」


 暗殺を模索したグランダ一派の計画は一旦ここで失敗に終わった。


 そして山奥のグランダのアジト……。


「なぁグランダ。俺、第4回闘技大会、参加したいんだ」

「俺も4回に出たいと思ってる」


 仲間の数人から、次の闘技大会の事を話された。


「そうしたいなら出ていけ。俺に就いてこれない奴は負け犬だ」

「そういうグランダはどうするんだい?」

「俺は……参加しない」


 弟グランダが集めた仲間は、闘技大会の名声が欲しいのか、1人また1人とアジトを去っていった。

グラードが近衛隊入隊となれば次回闘技大会には参加しない。優勝のチャンスと見たのだろう。更にはグランダも参加しないとなれば、そのチャンスも大きくなる。


 結局、第4回闘技大会が開催される頃には、アジトには弟グランダしか残っていなかった。


「必ずや決着を着けてやる。例え近衛と対峙しても」


 弟グランダには、既に復讐心にも似た感情が沸き立っているのであった。


 それからの弟グランダは、日一日(ひいちにち)と時が経つにつれ、その姿を変えていった。


 これがグランダの魔獣化の始まりだった。計り知れないほどの復讐心が、表情を変え体格を変え、考え方まで変わってしまった。


 既に兄の存在よりも、去っていった周囲の人間に対しての不信感からの憎悪が激しくなったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ