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第11話 Chapter(章) 9
「仲間達は……。くっ……殺られてしまったか。もう少しおびきよせるのが早ければ……」
ガイラは、弟子ガムの住むシュトランの小高い丘から、仲間とリンクしようとしたが、既に皆殺られていた。
同じ様にリンクを試みた弟子ガム。
「ガイラ様。仲間達は?」
ガイラは黙って首を横に振った。
肩を落とすガム。
2人はゆっくりと丘を下っていった。
丘を下った所にガムが住む家が有る。
小さな煙突から煙が登り始めた。
「ガム。妖魔神グランダには、上級攻撃魔術では倒せない。最上級を極めねば無理の様だ。むやみにヤツの意識を掴まない事だ。近くにいたらグランダにリンクを使われて居場所が特定されてしまう。気を付けるんだな」
「はい、ガイラ様。今の上級魔術を更に覚醒させるまで、鍛練に励みます」
「うむ。お前なら出来る、頑張りなさい。さ、私はこれで帰るとする」
「ミランダ様によろしくお伝えください」
ガイラは手を振り、馬に跨ると、行ってしまった。