表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/7

崩壊の足音

 正直なところ、世界の秒針がいつから狂い出したのかは分からない。前触れらしきものはいくつかあったんじゃないかと思う。歯止めがかからない人口爆発に食料危機、いつかは枯渇すると叫ばれ続けていた化石燃料問題に年々悪化の一途を辿る地球温暖化。それらしい問題は取りざたされていた。


 もちろん本気でこのままだと世界は滅びてしまうと信じて活動していた人もいるのだろう。でもそんなのは本当に一部の人間だけだった。私を含めたほとんどの人は


「世界これからどうなっちゃうんだろうね」


と学校や職場、ネット上で口先や指先で騒ぐのみで、頭の中ではその日の夜ご飯の献立のこととか新作映画のこととか、そんなくだらないことを考えていたんだと思う。




 某国が隣国に侵攻を始めたのは唐突だった。


 いや唐突ではなかったのかもしれない。テレビで真剣なような浮かれているようなよく分からない顔付きの専門家が


「ついに始まったか、という感じですね……」


とか話していたような気がする。


 某国は誰もが名前と位置を知っている地域大国だったし、侵攻された隣国も名前を知らない方が珍しいような国だったので、報道がなされた次の日は学校でもその話題が上がった。

 でも紛争なぞ世界でありふれていたし、新聞の一面を飾る以上の扱いはされないだろうと思っていた。事実、一週間、いや三日も経たないうちに学校での話題は上塗りされ、一か月以内にテレビやネット記事も、もっと数字の採れるコンテンツにぽつぽつと話題の中心をすり替えていた。





 そして時間が経ち、まだ戦争は続いているのにも関わらず、しっかりとアンテナを張っているような人でなければもうとっくに忘れてしまっているような某国の侵攻が始まってから一年と半年。

 さっき上げた人口爆発や地球温暖化などのそれらしい問題と同じような道を辿りつつあった2023年7月。


 急に侵攻に関する報道がそれが始まった当時より爆発的に増え、私たちが思っていたよりも事態は深刻なんじゃないかと思い始めたのはこの時だったと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ