特別番外「雲外蒼天物語4」
監獄に行く前の俺だったら、逮捕された時の俺とそんなに変わらない年の子でも兵官になれると勘違いしそうだけど、知識を得ている今は少年グンタが兵官見習いなのは理解している。
見習いなのに難しそうな書類を作ったりするんだなと眺めていたら、俺と彼では人生が全然違そうだと悲しくなってきた。彼にはきっと家があって、帰れば親がいて、その親はお帰りと優しく出迎えてくれそう。
「その書類処理はそこで中断。オルオさん。自分が不在の時の彼の担当は今日、一緒だったという理由で君とグンタ君にします。副隊長の指示で明日からは五班のアラタさんも増えます」
「担当? ルーベル先輩、担当ってなんですか? 知り合いの店で働くようだから間に入るって言うていましたよね?」
「来て下さい」
広い部屋を出て廊下を進んで今度は個室。監獄の面談室みたいだなとなんとなく観察。俺とネビーが隣で、向かい側にオルオとグンタが座るように指示されたので従う。
「ユミトさん。もう一度身分証明書を二人に見せて下さい」
「はい」
そうした結果、オルオとグンタは顔を見合わせて不思議そうにしている。
「見習い二年目のグンタ君はともかく、オルオさんはどういうことですか。この身分証明書を見たら何かあるはずです」
「えっ……。あー……。えっ? はい。すみません」
「すみませんという謝罪は求めていません。そもそも何に対しての謝罪ですか?」
「その、何かあるはずの、それが分からなくてすみません」
「六番隊がいれば街を安心して歩けるという区民の信頼をぶち壊しにしそうですみません。君が謝るべきなのは区民や全職員や煌護省の役人さん達です。自分に謝る必要はありません」
ネビーの笑顔はすっかり消えていて、声も低いし腕を組んだ凛とした姿は威圧感があって怖い。
「そ、そいつ。そいつはそういう奴なんですか?」
「流出対策のために最近規定がまた改定されましたが、番号や判子が普通とは違うということくらいは流石に気がつくはずです。それに隠し番号の確認は基礎中の基礎です。自分は常に君の近くにいたんだから、分からなければ質問しなさい」
「隠し番号……。あーっ!」
「うるさい。大きな声を出さないで下さい」
「こい、こいつ。こいつ監獄出じゃないですか! しかもこれ、これって殺人鬼ですよ!」
オルオのこの言葉は俺の胸をグサリと刺して、軽い動悸を発生させた。
「彼の紹介状を読みましたよね? それに彼は今十五才だという情報もあります。その罪の者が監獄送りだったことも、今自由に街を歩けることもおかしいと気がつきなさい」
「あっ。そうでした。えっーと。紹介状は偽造ですか? いや、十五才で監獄出でこの番号の罪で今は十五才で……。 えっ? えーっと……」
「この顔色にも気がつきなさい。君の言葉選びが悪いから、彼は気分を悪くしてしまった。不出来で気遣いのない後輩ですみません」
頭を下げられて謝られたけど、ネビーは何も悪くないので俺は首を横に振る。
上京してきて最初に身分証明書を見た地区兵官がネビーでは無かったら、俺はいきなり理不尽な目に遭っていたかもしれない。
地区兵官に身分証明書を提示して下さいと言われないように気をつけて暮らしなさい、とはこういうことだと実感。
「オルオさん。君はなぜ謝らないのですか。悪いと思っていないからですね」
「……ちが、違います! 訳が分からない男なので何者なのか考えていました」
「後にしなさい。常に順序をつけなさい。自分はともかく、区民をこのように傷つけたのに、それを後回しにしないように。辛そうな者を優先するのは当たり前のことです」
「は、はい。はい! すみません」
「ですから謝るのなら彼に対してが先です。こっちを見ないで彼に謝りなさい。叱責した上司にとりあえず謝っておけという悪いところは直しなさい」
「はい。すみませんでした」
「ほら、また。自分に謝っている場合ではないと言うたばかりでしょう」
ようやくオルオと目が合って、ゴクリと唾を飲んだら彼も同じく喉を鳴らした。
「あの、いきなりあんな事を言うてすみませんでした……」
「いえ……」
「オルオさん。君が福祉班で研修となったのは無頓着さや察しの悪さを改善する為で、降格や懲罰ではありません」
「使えないから他所へ行けって言われましたけど、そうなんですか?」
「誰だそいつ。いいや。それは自分で調べます。オルオさん。福祉班は治安の要でとても大事な仕事です。試験を突破したという最低水準を満たしているだけの期待していない使えない駒や怠け者は、一見派手で評価されそうな仕事を回されます。それで満足しますから騒がなくて楽です」
「……そうなんですか⁈」
「期待されているからこのように指導するし、伸びて欲しいから他の業務も学びなさいと言われたんです。好機なので己の欠点を改善してさらに上を目指しなさい。元々の長所に加えて短所が減れば大評価されます」
叱られて不貞腐れていたようなオルオの顔が明るくなって笑顔まで出てきた。
「はい! ありがとうございます!」
「オルオさん、君の指導は後回しにしてグンタ君。番号などの解説は後でするので、今の話を聞いていて、彼は何者だと思いました?」
「あっ。あの。はい! 殺人鬼で監獄行きなので……」
「グンタ君。彼が辛そうなので、重犯罪などと言い方を変えましょう。他人が注意されたらぼんやり聞いていないで、自分に対してだと思って気をつけないと」
「はい、すみません。重犯罪で監獄行きなのは……えっ。なぜ監獄なんですか? 戦場兵で最前線に行くとか、奴隷奉公ではなくて」
「それはなぜでしょう、と質問しています」
「はい。すみません」
「すみませんではなくて、分かりませんでよかですよ。君は見習い二年目でこの辺りの事はまだ教えていません。だから悪くないので謝らないで、分からないので教えて下さいと言いましょう」
ネビーはオルオには怖い顔を向けたけど、グンタには優しく笑いかけた。
「はい。あの、分からないので教えて下さい」
「ええ。少し難しい事も覚えていきましょう。ではオルオさん。グンタ君に教えて下さい」
「あっ、はい。重犯罪で監獄なら……。意味不明です」
「浮浪児になり保護されて奉公人。紹介状にそう記載されていましたが覚えていますか?」
「そうでした。それもあります。もっと意味不明になりました。偽造だ。あれは偽造紹介状なんですよ!」
「ユミトさん、申し訳ないのですが後輩指導の為に彼にもう一度紹介状を提示してもらえますか?」
「はい」
俺が紹介状を広げて見せると、ネビーは「偽造ですか?」とオルオに質問。
「……偽造には見えません。でも紹介状の書式を真似て作ることはわりとあります。こんなにええ事だらけって変です」
「勤務態度最優良だと役所が特殊印を押します。雇い主にそういう知識があればですが。その際の朱肉も特殊。そういうことも踏まえて、この紹介状は偽造ですか?」
「はい。なので偽造には見えません。そこがおかしいです。だから先輩、身分証明書と辻褄が合わなくて変だからこの紹介状はおかしいです」
「書類を疑わないで自分の知識の曖昧さや不足さを疑いなさい。ここ。この紹介状を作成したのはどこですか?」
「ここ? えっ? うわぁっ。こんなところに特殊印」
俺はネビーの部屋で彼と見たから、これはもう覚えた。
「これは雇用主が作ったのではありません。煌護省と裁判所が彼の為にわざわざ作成したということです」
「……つまり、これは正式な書類ってことなんですね。中身はうんと良くて……。なのにこの身分証明書は何ですか⁈ この罪で監獄に入ったことも、出てきたことも訳が分かりません」
「偏見を捨てられなくて知識不足だからそうなるんです! この身分証明書と紹介状から推測すると彼に必要なのは支援なのに、君が提示したのは逆の態度。自分の知識の無さから正式書類を疑うなんて言語道断です。反省して励みなさい!」
大きな声ではないけど低めの声で、俺の体はすくみかけたけどネビーが俺の背中を撫でてくれたので平気だった。
「すみません!」
「課題です。今ある判断材料で辻褄が全て合う彼の経歴を推測して紙にまとめなさい。その上で彼に対して何をすると良いのか考えなさい。現時点で不足だと思う確認事項なども記載するように。彼の名前などは不要で、正解かどうかは一般論で判断します。彼の過去を調べなさいという意味ではありません」
「分かりました。週末までですか?」
「今日中です」
「……今日ですか」
「君の他の仕事はこちらで進めるので、呼びに行くまで資料室で課題に取り組みなさい。完璧は求めていなくて、適切な参考資料を短時間で探せるかどうかの確認でもあります。なので周りに答えを求めないように。自分が解説しますから」
「はい。行ってきます!」
オルオが部屋から出て行くと、ネビーはグンタに「一般的な考察に関してはオルオさんと一緒に解説します。グンタ君。彼は昔、自分が先輩達と半見習いの頃に担当した子でした」と口にした。それから軽く、俺の経歴を説明。話が進むとグンタは泣き出してしまった。
「そんなの、そんなの酷いです!」
「この判決は裁判官の温情でこの子どもに罪はないと信じるという主張です。担当裁判官は機械的に裁くような方では無かったんです。だから規定を無視して彼に罪人印を押させませんでした」
「判決は重犯罪人で監獄送りなのに、そんな事、出来るんですか?」
「きっと誰かと闘ったり大変だったと思います。監獄での態度が悪ければ冤罪ではないからその時に押す。自分には分かりませんが、どうにかそれを通したようです。そのおかげで彼の体には罪人印はありません。約十年かけて、彼は自らの正しさを証明したんです」
目の前に俺のために泣いてくれる子がいるし、さらにこの台詞で俺の目頭は熱くなった。涙が流れなくなっていたけど、一度流れたら涙腺が復活したようだ。
「グンタ君。彼を雇いたいという相手がいて、彼は働きたいと言うています。君ならどうしますか?」
「悪い奉公先ではないか確認します。ルーベル先輩の知り合いのお店のようなので問題無さそうです」
「どんなお店なのか、今夜食べに行きましょうか。ご両親に挨拶に行って許可されたら。何も知らないお店なのに、知り合いの知り合いだから大丈夫は良くないです」
「はい。お願いします!」
「通常勤務では食べに行かないで軽く聞き込みで構いません。相手のお店に対しては書類は偽造ではありません。そう伝えるだけで十分です」
「はい。あの、最優良って初めて見たので、もう一回見たいです」
「自分ではなくて、彼にお願いしましょう」
オルオには厳しかったけれど、子ども相手だからなのかネビーはグンタには優しい。ずっとにこやかに笑っている。グンタに頼まれたので俺は彼に紹介状を見せた。
「天涯孤独で道を踏み外しやすい状況の若い男なので観察対象として登録します。ユミトさん、そういう訳で自分と後輩二人が担当します。勉強させたいのでグンタ君ともまた会うでしょう」
「はい。よろしくお願いします」
「グンタ君。経歴が複雑な人は観察や警戒をしておいた方が良いです。支援するだけではなくて。ユミトさん、観察対象だとか、警戒しているから見張るみたいな話はせずに、自分の部屋で伝えたように君を応援するし力になると寄り添う。そう対応される方が気分がよかだし頑張ろうって思いませんか?」
「思いました」
あれは嘘も方便ということだったようだ。
「他の仕事でもこういう事は役に立つし、地区兵官になりたいのならもう仕事の勉強でもええかなと、わざとこういう風に少し裏側を披露しています。君がなりたいと口にした地区兵官にはこういう仕事もあります」
「ありがとうございます」
「犯罪者以外には誰にでも親切にするのが地区兵官で、親友でさえ疑って信じないのが地区兵官です。自分は君の約十年も、真犯人疑惑の男への恨みの強さも知らないので信用しません」
「……あの。その。そりゃあ恨んでいますけど……」
「今日、妹を助けてくれてありがとう。君は守りたかった人を守れなかったけど、その優しい手はやっぱり誰かを守ろうとするようです。だからその手を、自分を大切にして下さい」
疑うし信じないと口にしたけど、彼は俺にとても優しい笑顔と目を向けてくれている。
思わず自分の両手をジッと見つめる。何度も血染めの夢を見るけど、この手は母を守ろうとした手なんだと長年の胸のつかえが取れる感覚がした。
「信用破壊は一瞬です。恨みや憎悪が消えないのなら、その鬱憤を似たような者を逮捕することで晴らすとよかかと」
「消えないのなら……。逮捕……。理不尽に他人を傷つける奴を俺が逮捕……。俺、それがよしです!」
「おっ。目標が少しは明確になったようですね。その調子、その調子。君の人生を左右する判決を下した、君にかなり配慮してくれた裁判官は目指さないんですか?」
「えっ。あー……。そう言われると目指したいです」
「残念ながら、一番なりやすい簡裁官でさえ小等校か中等校卒という学歴が必要です。不平等で残酷ですが、入学年齢が決まっているので君はもう永遠にその学歴を得られません。就労先制限はないけどそのように実質不可能な業種はあります。それから業務に制限が掛かる仕事もあります」
「そうなんですか……」
「しかし、裁判所で働く優しい有能な裁判官を手助けする人物になることは可能です」
「それならそれがよしです! あっ、でもやっぱり逮捕がよしです。俺、暴力に訴える奴は大嫌いなので」
「お礼の言葉もお金も要らないので、君がうんと沢山笑える人生で、更に誰かのことを守ったり笑顔にしてくれたらこれ以上の喜びはありません。君を応援した者は皆そう言うでしょう。目標はまだ決めなくても構わないので、選択肢を増やせるようにしましょう」
今の俺の発言をにこやかな笑顔で受け止めてくれたネビーは、俺が最初に兵官になりたいと口にした時よりも嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。
「はい。ありがとうございます」
「グンタ君。辻褄が合わないから紹介状は偽造だろう。文書偽造罪で連行する。それは0点どころかマイナスです。今日のオルオさんは反面教師にしなさい。無知は時に罪です。君が勉強しないことで人の人生が踏みにじられることがある。それを忘れないように」
「はい。勉強は苦手って思っていたけど、気持ちが変わりました」
「ユミトさんは地区兵官を目指すことを視野に入れたので、半見習いがどんな生活なのかとか、地区兵官の仕事などを教えてあげて下さい。自分はオルオさんと話があるので一旦失礼します」
俺とグンタはしばらく二人きりになり、オルオがまた増えて四人でかめ屋へ向かうことになった。
「ああ。ユミトさん、最初に話しておくことがまだありました」
「はい。なんでしょうか」
「君が小綺麗にして真面目に働いていたら、君をかなり詳しく調べて真実に近寄る者はいないでしょう。しかし、時には例外も出てきます」
「例外ですか?」
「当然ですが、犯罪などの何か問題を起こした時。それからお坊ちゃんと事業を開始するとか、かなり格上のお嬢さんと祝言したい。そういう時に調査が入ると思うんで……どうしました?」
祝言とは結婚のことなので、かなり格上のお嬢様とと言われた瞬間にあり得ないとむせてしまい、心配された。
「い、いえ。いえ。俺なんかが女っていうかわゆい生き物と結婚なんて。しかもそれがかなり格上のお嬢さんなんてあり得ません……」
「自分を深く調査してきそうな相手には近寄らない方が良いです。決めつけられたり、理解されなかったり、噂を撒かれたりするような辛い目に遭う可能性があります。中途半端に調べて悪いように言う者が君にとって害です。気をつけましょう」
「はい。そう言われて外に出ました。普通に暮らしていたら、そういう人とは出会わないと思っています」
「いえ、縁とは不思議なものです。この街で暮らすならネビーさん、もしくはルーベルさんが担当ですって言えばそれ以上誰も踏み込んでこないでしょう。それか相手は自分に話しを聞きに来るはずです。俺は君の担当なので悪いようにはしません。辻褄の合う経歴があらかじめ用意されていて、受け答えも訓練されているようですが念の為」
「俺が悪さをしなければ、ですよね。分かりました。あっ。転職前には必ず相談ってそういう事ですか?」
「調査したい相手が向こうから多少情報をくれると、全部教えてくれたと錯覚するものなんですよ」
俺はそこまで賢くないので、こんなに色々考えながら働く地区兵官になるのは難しい気がしてきた。
「ルーベル先輩。先手先手とか、色々な状況を想定してとか、今みたいに心理学でしたっけ? みたいなことは難しすぎて、バカな俺の頭が破裂します」
「幹部達に聞いて回ると俺がいかにバカなのか分かって、そのバカの頭が破裂していないから大丈夫って安心するから、俺のバカさ加減を聞いて回るように。それも課題に追加します。グンタ君と二人でしなさい」
「えっ。なんですかそれ」
「言うた通りです」
この後、かめ屋へ行って今度は女将ではなくて旦那と話すことになった。三人は周辺で仕事だと去ったので俺と旦那は応接室で二人きり。
身分証明書と紹介状を見せてたら、旦那はしばらく無言だったので、どんな話から開始になるのか固唾を飲む。
しかし、こういう条件で雇ってこのくらいの期間からはこう、みたいな女将から既に聞いたような説明をされた。書類もあって、書いてある内容は説明された事と同じである。
天涯孤独になり浮浪児へ。それはたまに聞く話で、この店には似たような者もいる。だから少しずつ家族になりたいし、信用を裏切ったら縁切りだと宣告された。
地区兵官になる為にお金を稼ぎたいからそれまで働かせて下さい、と伝えたら「君が地区兵官になれるのは何年も先だろうし、箸にも棒にも掛からないかもしれない」と肩をすくめられた。
「せっかく育てたのに抜けられるのは痛い。あの人たらしのネビー君と取り合うのは分が悪いけど、ここの奉公人は最高だから地区兵官にはならないって言われるようにする。地区兵官になったらここに通えよ。君の出身店だからという客が来るように出世してくれ」
「……」
「何を驚いているんだ?」
「いえ、あの。辞める前提なら雇わないと言われるのかと思いまして……」
「妻が無気力気味で心配な人だから誰かが必要。この店や自分達ならええ男に出来るって言うてな。そういう奴だと感じたら、俺は逆に断るつもりだった」
「そう、なんですか……」
「知り合いの店をたらい回しにして、気に入ったところで働けって言うつもりだった。どこでもええなんて男や目標のない男は要らん。そうしたら違った。ええ面をしている。ここで働く目的も今後の目標もはっきりしているからええ。採用しますのでご検討よろしくお願いします」
こうして俺は老舗旅館のかめ屋で働くことになり、最初の家は近所の長屋となった。連続日雇いなので身分証明書はかめ屋の奉公人ではない。
三ヶ月経って、有期雇用にしても良いと思ってもらえたら俺は晴れて「かめ屋の奉公人ユミト」となる。
裁判官を助ける事務官になるか地区兵官を目指すという大きな目標を掲げて、貯金と社会勉強をしながらかめ屋で有期雇用を目指すという小さな目標も掲げたこの日が、本当の意味で俺の人生の始まりだ。




