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異世界クラス転生~君との再会まで長いこと長いこと  作者: アニッキーブラッザー
第十二章 お前との再会からも長いこと長いこと―神世界

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第522話 班分け

「とりあえず、朝食と今日の夜までの観光についてを話をしたいのだけれど、いいかしら?」

「あ~、コスモスの機嫌が直るようなのを頼む」

「あらあら。それは、発達した技術を持っていると自負している私たちにも難題ね」


 いい加減、このコントをいつまで見せるのか? と言いたげで、しかしそれでも面白いのかニコニコしているホワイト。


「でさ、ヴェルトくんさ、昨晩本当に何があったの?」

「ああ? なんだよ、アイボリー」

「だって、ライラック皇子は昨晩帰還されてから、あなたたちと何があったか頑なに喋らず、王宮でブツブツ言いながら物思いにふけっていらっしゃるようだし、ミント姫は『恥を晒した』とか呟きながら部屋に閉じこもるし、他の国の姫様も……」


 そして、色々と聞きたいことが山積みな様子のアイボリー。

 正直な話、説明すべきことは多いのだが、説明したらまずいことばかりなため、うまく言うことができなかった。


「まあまあ。とにかく、昨晩のことはどうにかこちらで処理しますので、あなた方は是非観光を楽しんでください。今夜にでも、予備の『ジャンプ』が作動できますので、それであなた方には帰還していただき、向こうに取り残されているブルーたちと交換ということでお願い致します」


 そう、それがせめてもの救いだ。

 とりあえず、元の世界にさっさと帰る。

 これ以上、この世界のゴタゴタに巻き込まれるのは面倒だからな。


「なあ、ヴェルト。橋口とか、そこらへんはどうするんだ?」

「ああ? あ~、そ~だよな~、そうなんだよな~」


 ただ、別に忘れていたわけじゃねえ。

 クラスメートと思われる連中のことをどうするか。


「ビミョ~な、ところだな。正直、コスモスたちをまずは元の世界に返したい。つうか、ジャレンガとかエロスヴィッチとかもな。こんなの連れてたらトラブル対策いくらしたって足りねえしな」

「態勢立て直す? それなら、俺ももう関わりたくないんで」

「まあまあ、んなこと言うなって。今度はもうちょい安心できる仲間連れてくからよ~。キシンとかジャックとか」

「あのさ、頼もしすぎるけど、お前ら三人前世で何て言われてたか知ってる? 悪童三人衆とか、俺からすればヴァンパイアドラゴンと九尾となんら遜色ないんで。せめて、そこはアルーシャでしょ? 委員長だし」


 そう、クラメート救出は、態勢立て直してからにしたい。トラブルメーカーを元の世界に置いてきたうえでだ。

 その後の人選については、色々と考えるが、まずは元の世界に帰ることに異論はねえ。


「ん? はい、もしもし?」


 その時、僅かなバイブ音と軽快な音が鳴り響いた。

 アイボリーの携帯電話。


「どうして、アイボリー殿は独り言を言ってるでござる?」

「テレパシーかな?」


 いや、チゲーよ。

 そういや、携帯電話すらも、俺たちの居た世界じゃ無いものだからな。

 携帯電話か……まあ、持って帰っても使えねえだろうし……



「ホワイト所長。ホテルのロビーに、他国の使者と護衛数名、そして姫様がお越しです」


「あら、さすがに早いわね。ちなみに希望される国は?」


「来られている姫様は六カ国の六名です。セントラルフラワー国とアッシュ姫。ソロシア帝国とブラック姫、ジパン帝国とマルーン姫、ブリッシュ王国とアプリコット姫、昨晩騒動をされていた、バーミリオン姫やシアン姫もいらっしゃってます」


「そう。バーミリオン姫とシアン姫は自粛されると思ったけれど、さては相当官僚に後ろからつつかれたのね。でも、パリジエン王国は? ピンク姫がいないのは、いつものように本人の気まぐれかしら?」


「それは、なんとも。ただ、ヴァルハラも我々だけで良いのでしょうか?」


「仕方ないでしょう? 姫様が部屋に閉じこもられているのだから」



 ん? なんのことだ? 

 それに、アッシュって昨日の煩いニャッハ女と、ブラックは確かニートに擦り寄ってる女で、マルーンとアプリコットは誰だっけ?


「実は、今日、あなたたちの観光で一緒に回らさせて欲しいという姫様と護衛と官僚の方が数名お越しされていまして、申し訳ないのですが、あなたたちにグループに分かれていただきたいのです」


 ホワイトの申し訳なさそうな様子から、つまりは、これも政治云々ってわけか。メンドクサ……


「まあ、観光だけなら……んじゃあ、俺はコスモスと……」

「やっ!」

「……えっ?」


 俺が何気なくメンバーを振り分けようとした瞬間、コスモスからのまさかの「やっ」発言に俺は固まった。

 えっ? コスモス?


「ぶ~~~、レン君、一緒に遊ぼ!」


 んなっ!


「え~~~~~~~~、メンドクサいんだけど?」

「やーもん! フリョー勉強するっ!」


 コスモス! 不良なら俺がいくらでも教えてあげるから! いや、教えないけど! ちょっ、コスモス!


「お嬢様ッ! 何を仰られます!」

「ふんだ! クロニアお姉ちゃんに教えてもらったもん。パッパのお仕置きは、コスモスがパッパを、ぷいってするのが一番だって」


 クロニアアアアアアアアアアアアアアアアアア! あの女、今度あったら絶対にぶちのめすッ! なんちゅうことをコスモスに教えやがって!


「はあ~、仕方ない。今回は婿殿も色々気の毒だったが、少し頭を冷やさせた方がいいかもしれん。コスモスには私がついて行く」

「ダメっ! ティナおばちゃんも来ちゃダメ! ティナおばちゃんもうそつきだもん!」

「……な、なに?」


 まさかの、リガンティナを拒否。それには、リガンティナも硬直。


「な、なれば、拙者がお供致します!」

「ムサシダメ!」

「………………………へっ?」

「ムサシ、パッパにつげぐちしちゃうもん。ムサシはダメ。あっち行ってて」

「ふひゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」


 さらには、ムサシを拒否。


「あっちいってて、いわれてしまたでごじゃる。おじょうしゃまに、きらわ………ふにゃああああああああ!」


 ムサシは、白骨化した遺体のように全身の精気を奪われたかのようにっ真っ白に燃え尽きてしまった。


「やれやれ……ならばコスモス、俺はダメか?」

「へうっ? ん~~~、じゃあ、バッくんはいいよ~」


 そして、ようやく承諾されたのはバスティスタ。


「バスティスタアアアアアア! ど、どうか、どうか、どうか、コスモスを!」

「安心しろ。不良にならないように見張っておく」


 良かった。ある意味で、もっとも安心できる男がコスモスに付いてくれる。

 とりあえず、コスモスの機嫌が治るまでは、バスティスタに見張ってもらおう。

 そして、その結果………



「そう。では、こういう班分けになるわね。あなたたちには、護衛やルートの安全確保含めて、三班に分かれてもらうわ。帯同する姫様たちも既に振り分けさせてもらいました。」



 第一班:俺、ニート、ムサシ。

 第一班帯同国及び姫:セントラルフラワー国・アッシュ姫。ソロシア帝国・ブラック姫


 第二班:ペット、リガンティナ、エロスヴィッチ。

 第二班帯同国及び姫:ブリッシュ王国・アプリコット姫。ゲイルマン王国・シアン姫。


 第三班:コスモス、ジャレンガ、バスティスタ。

 第三班:ジパン帝国・マルーン姫。ネーデルランディス公国・バーミリオン姫。


 という具合に班分けを三つに分けられた。

 どの班にも数名、ヴァルハラ皇国の関係者が入り、今日の観光に帯同する国の関係者と姫が振り分けられる。



 さて、この班分け………………何も問題は………………起こらないよな? 



 それと、ペット、お前、なんで泣いてるんだよ? そんなに、その班は嫌なのか?

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