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黒龍の少女  作者: 羽つき蜥蜴
四章 竜聖国
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八十六話 お昼寝

昼食を食べてから、ある程度休憩を取ってから再び馬車を走らせる。


馬車に揺られ数刻が経った頃合いに少し気になる事があって魔力を解放する。つまり魔導認識操作を限界まで広げてみる。気になる事は2つ。ルルさんが私の魔力に気付くかと言うのと、私の検知範囲を調べる為だ。どうやらルルさんは気付いていない。眠そうにしている。そして範囲はざっくりとした物だが、2kmと言った位だ。とは言え維持は難しく、消耗も激しい。常時発動するのは数m程度が効率が良いと思う。索敵には一瞬発動で良いかな?ルルさんにも気付かれないのなら他の人には気付かれないだろうからね。そもそもどう言う基準で見えているのだろうか?訊いてみよう。


「ルルさん」

「ん?なに?」


眠そうに欠伸をしながら反応してくれる。また後にしようかと迷ったが、呼んでおいてなんでもないと言うのは悪いので質問をする。


「魔力視ってどんな感じで見えるんですか?」

「あー、えっと、うん。その人の纏っている魔力が見える。稀に見えない人もいるけどそれは大体強い人だった」

「えっと?」

「ルビー君は見れないから強いと思ってる。そう言えばヘイトタイガーを担いでたのは本当?」

「一応」

「魔力もあって魔物も担ぐ程の力持ち。ルビー君さえ良ければ色々知りたい」


目が覚めたのか、興味津々で見つめて来る。当然だがアイちゃんから

《内緒にしておきましょう》

と言われる。最近の私もあまり自分の事は話さない方がいいかなと思うので

「ごめんなさい」

と答える。その答えがわかっていたのだろうルルさんは

「うん。仕方ない」

そう言って諦めた様子。それでも色々とお世話になっているので、なんとかお礼がしたいけど何も思いつかない。私が悩んでいると、ルルさんも悩んでいる。そして意を決した様にルルさんが話し始める。


「ねえ、君ってさ、女の子だよね」

「え!?あ、いえ」

「あ、大丈夫私達みんな知ってる」


何が大丈夫なのだろうか?どうやってバレたのだろうか?


「ど、どうして」

「その、ギルドマスターが、ミスして知った」

「へ、へえ?」

《ふむ?人間はやはり信用なりませんね》

『いや、でもわざとじゃ無いみたいだし』

《甘いですね》

「それでも知ってるのは私達3人だけだから。御者さんは知らないから」

「そ、そうですか。知ってて親切にしてくれたんですか?」

「ん?うん」


ひょっとしたら仲間のいなかった私を見かねて、ギルドマスターが親切心を働かせて紹介したのかもしれない。そう思えば納得できて怒りも湧いてこない。

ふと唐突にルルさんが胡座を組み替えてから、私を見ながら足をポンポンしてる。アレですか?来いって事ですか?迷っている私を説得しようとしてか、ルルさんが


「振動でお尻が痛いだろうから」


どうやら行かなければならない様だ。


「失礼します」


そう言ってからルルさんに抱かれる様に座る。振動云々は特に思う事も無かったが、ルルさんの瞳から強い意志を感じて逃げられなかった。

結局足の上では無く、床の上で現在足と手に包まれているがやはり建前だったらしい。それよりもお腹に当たっている手がくすぐったい。触れているだけなのに。なのでルルさんの手が動かない様にルルさんの手を覆い、背中を預ける。

背中に感じる慎ましいモノの感触を受けて慌てて背中を離すが、体を引き寄せられ再度密着する。どうやら逃げてはいけないらしい。

どうにも緊張してしまい、モゾモゾと動けばその度に後ろから声が聞こえる。その声が聞こえて、より緊張が加速する。


ほのかに伝わる人肌に心を預けていれば、緊張も解れて寝てしまうのだった。


先程まで寝ていたが、唐突にルビー君を抱き締めるルル。まんざらでもなさそうなルビー君。妙に色気が漂い、ルビー君が寝たのを確かめてから、ルルに話し掛ける。


「ちょっと!ルル!?何してんのよ!?」

「甘えさせてる。可愛い」

「ふと起きたら抱き締めてたからビックリしたじゃない!?」

「全身が柔らかい。なのに力持ち。色々と知りたい」

「ルビー君はまだ子供なのよ!?」

「ん?ただの好奇心。別に何もしない」

「あ、そう?私はてっきり」

「?てっきり?」

「な、なんでもない!!」

「シー。起きちゃう」


その言葉を聞いてルビー君が寝言を発している。起きる訳ではなさそうだ。危なかった。

あーそれにしてもズルい。私も抱き締めてみたい。柔らかいって言うならどれ程だろうか?とても気になる。


眺めているとルルが手を少し動かしている。そしてそれがくすぐったいのかピクリと動くルビー君。とても楽しそうなルル。それはもう笑顔になっている。滅茶苦茶羨ましい。子供ってあんな感じなのだろうか、ルルが子供好きなのは知っていたが、私も理解出来た気がする。


仮面を着けているから表情もわからないし、どんな顔をしているのかとても気になる。だが見えなくてもなんとなく感情が動いている時もあり、それは解る。それでも一度その仮面を外した素顔を見てみたい。


そっと仮面に手を伸ばそうとすると、ルルの目が駄目だって訴えている。より強くルビー君を抱き締めて、まるで娘を守る母の様な姿をイメージする。この状態だとルビー君が敵対したらルルがあちらに付くかもしれない。

とても苦労して仲間にしたルルが簡単に絆されてしまっている。これはもうルビー君を仲間にするしかないと決心するのだった。


懐かしい感覚の中で夢を見る少女。暖かい物に体を包まれ、夢見心地でお昼寝をするのだった。


そういえば、投稿時間を変えようかと思っています。予約投稿があるので夕方くらいにしようかと考えていて、もし変える場合は小説紹介文を書き換えておくので、時間がわからない方はそちらを見ていただければ助かります。


まあ事前に言いますし、(多分)取り敢えず予定なので、変わるかも?と知っていてくれたら助かりますね。

元々作者都合で夜中にしていただけなので、今はもうあまり意味がありませんからね。


本編とは全く関係ない話でした。

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