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黒龍の少女  作者: 羽つき蜥蜴
三章 慈愛
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六十話 運び屋?誘拐?

三章タイトルは「慈愛」になります。

初任務を終えて2日目の朝。また後日来てくれと言われていたのでそろそろかなと思い今日はギルドに顔を出す。当然変装した状態で。

チルダさんを見つけ、その受付の列に並ぶと何故か別の人と入れ替わり、チルダさんが私の目の前に来る。そして


「お待ちしてましたよ。どうぞこちらへ」

そう言って専用?の個室(実際は会議室)に連れて行かれる。周りの人は並んでいたのだが私だけいいのかな?と思いながら椅子に座る

「まずは薬草採取の報酬です。次にヘイトタイガーの討伐報酬です。次回からは素材や報酬は全部リド防具店に持っていけば良かったのですね?」

「うん」


報酬金や素材をその場で受け取っても良いが、面倒なのと私の変装の所為でかなりややこしくなる為、信用しているリドさんの所で受け取ろうと思っている。なので前回提案したところ、引き受けて貰えるらしい。さらに今回のお金以外の報酬は全て届けて貰う事になっている


「それで、今日は依頼を受けますか?」

「うーん、どうしようか迷ってる」

「そうですか。さて昇級試験なのですが結果次第で変動する特別措置を取ろうと思っています」

「つまり?」

「良ならCへ、可ならDになります」

「当然不合格もありだよね?」

「それはもちろん。ですがそこまで難しく無いかもしれません。あなたにとっては、ですが」

「いつやるの?」

「明後日はどうですか?朝から半日の予定で組もうかと思いますが」

「わかった」

折角の機会なので色々な擦り合わせをしておく

「色々と長くなりましたが以上です」


そう言われたので席を立ち、ロビーへと戻る。試験が終わるまで依頼を受けるメリットがあまり無いので街の中で完結する依頼を探す。そもそも冒険者とは名ばかりで街の雑用をこなしている人も多いらしい。外に出ないのに冒険者とはこれ如何に。まあお仕事がある事はいい事なので色々探す。ふと目に止まった荷物運びのお手伝いを見つけ受付に持って行く。チルダさんはいないので別の人の所へ


「チルダさんは今は奥にいますが呼びますか?」

「ううん、これを受けようと思う」

「荷物運びですが大丈夫ですか?重い物もあると思いますが」

「多分大丈夫」

「そ、そうですか?では受理しましたので要項を渡します。なので詳しくはこれを見て下さい」

そう言って紙を渡されたので眺めながらギルドを出て書いてある目的地に向かう。


目的地にたどり着けば女性が荷物の仕分け?をしているので話しかける。

「あの?」

「うん?なんだい?」

「依頼を見て来たんですが」

「君がかい?悪いんだがその、大丈夫かい?」

「力には自信があるので」

「そうかい?ならアレを持ってみてくれるかい?」


そう言われて指で差された箱を持ち上げようとする。しかし魔力を使っていないので上がらない。慌てて肉体強化を施し両手で抱える。持てたので問題ないかとチラリと視線を送ると


「あら?意外と力持ちなのね」

「あ、ありがとうございます」

「目的地を案内するからついて来て」

「わかりました」


そうこうして荷物運びを終えれば朝渡された用紙を取り出してサインを貰う事で依頼達成の証明になる。現在地は居住区に居るので取り敢えずギルドに戻ろうと思い歩き出す。その道中で小さな女の子が蹲っていたので話しかけようと思ったら 


《やめておきましょう。面倒事を呼ぶかもしれません》

『え?でもかなり弱ってる様に見えるよ』

《それがどうかしましたか?》

まるでアイちゃんが助けるなと言っている様に聞こえる。しかし私は

『助けないと』

《大きな責任が伴うかもしれませんよ》

『助けたら駄目なの?』

《親切心はとても良い事です。ですがそれで己の身を滅ぼす事だってあります》

『関係ない』

《貴女は‥‥‥そうでしたね。わかりました》


アイちゃんから許可が出たので蹲っている少女に話しかける

「大丈夫?」

「誰?」

「僕かい?君を助けに来たよ?」

「本当?」

「うん。何かあったの?」

「パパとママに追い出されたの。ご飯も食べてなくて帰る場所もないの」


それを聞いて狼狽える。話をよく聞くと父親が実の親ではなく、ここ何日もまともにご飯を食べていない。家に帰れば居場所が無いのでここにいるらしい。私にはどうしたら良いのか分からないので対策を聞く


『どうしたらこの娘を助けられるかな?』

《ゆくゆくはこの娘の権利を貰わなければなりません。取り敢えずは保護してあげる事です。具体的にはまず食事をさせてあげましょう》

『わかった。なんだかんだでアイちゃんは助けてくれるよね』

《当然です。まあこの娘は私の同類の様なものですし》

『ん?どう言う事?』

《内緒です》


話を無理矢理終えられたが今はこの娘が優先なので思考は隅へと追いやる。


「今から僕と一緒にご飯を食べようか?」

「いいの?でも迷惑にならない?」

「気にしないで。ご飯食べてないんでしょ?幾らでも食べていいからね」

「本当!?お姉ちゃんありがとう!」


そう言って私に抱きついてくる。私よりも小さいのでなんだか妹が出来たみたいで嬉しい。それよりも何故私がお姉ちゃんだと気付かれたのだろうか?色々気になるが取り敢えずこの娘を抱き抱え、予定を変更してリド防具店へと向かうのだった

作者はさてはタイトルを忘れているな!?と思いましたか?ワスレテナイヨ。チャントカンガエテルヨ。

ええ、本当です。それよりも百話くらいまではノンストップで行きたいですが、文字数も増やしているのでどうなることやら?という感じです。ほのぼのもシリアスでもどちらを書いていても楽しいのですが話の展開的にシリアスの方が楽ですね。ほのぼのだと一話を考えるのに中々大変で、こうグダってしまうのが悩みどころです。まあ作者都合など読者様にとっては関係ない事ですので気にせず本編を楽しんで頂けたらなと思うトカゲでした。

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