四話 龍の力とは
龍眼と言うものは、あらゆるものを見る能力だと教えて貰った。それならば、私自身の能力を知ることが出来るのではないだろうか?
そうおもったので、質問してみる。
『ねえ、私の能力を龍眼で調べられない?』
《可能ですよ?ですが、まだ貴女は、この力の使い方を知らない筈です。なので、使い方をお教えします》
『うん。お願いね』
《しかし、少し問題があります。まず、貴女は膨大な魔力を持っています。それこそ、人間から感知されたら、化け物だと認識される程度には》
『えっ?それって、まずいよね』
《はい。なのでまずは、魔力の制御を練習してもらいます。体の中から、膨らもうとする魔力を、感じる事が出来る筈です。それを、小さく心臓に集め、固めるイメージです》
私が意識すると、体の中に熱のような物を感じる。それは、血とともに周りに広がろうとする。よくわからない何かを、固める様に意識する。
『こんな感じ?』
自分でも不思議だが、成功したみたい。恐らく、これが魔力だと思う。
《はい完璧です。とても素晴らしいです》
『えへへ、ありがと』
《はい。では次に、龍眼の力の使い方です》
『うん?でも目を閉じたままでも、可能なの?目なのに?』
《可能です。自分を見る時のみになりますが、他人を見る時と、自分を見るのとでは使い方が違います。ですが、操作が難しいのは自分を見る時なので、取り敢えず、実践してみましょう》
『うん』
《何もない空間に、自分だけをイメージしてください。そして自分が、自分の姿を見ているイメージをしてから、目に魔力を集めてください》
すると自身の能力が頭の中に流れてくる。
体力 240 /300
筋力 26
敏捷 32
防御 10
魔力 24 /1040
耐魔 31
状態‥‥衰弱 魔力欠乏 封印
特殊能力‥黒龍の眼 龍化/人化 龍鱗
いろいろと気になるので原因をよく調べてみた。
衰弱‥長い封印による肉体の衰弱
魔力欠乏‥長い封印と吸魔の宝玉による魔力の不足状態。時間経過やアイテムによる回復で解決できる。
封印‥何かしらの能力が何者かによって封印されている状態。原因も封印者も不明
黒龍の眼‥あらゆるものを見通し、動物的本能に恐怖を刻み込む事などが出来る。
龍化/人化‥龍形態は魔力の消耗が激しいが、絶大な能力を発揮する。人形態は、人へと擬態し、魔力効率が良い。
そして、姿を維持するのに魔力を使用しない。この能力では決まった姿しか成れず、ある程度の変身しか出来ない。
龍鱗‥自身に対する魔力の流れを自動で制御する能力。格下からの感知に対する耐性
封印が気になるけど、魔力すごい。そして、質問を再開する。
『それじゃあ他人を見るときは?』
《簡単ですよ。相手を眼で捉えて、相手の能力を見るように、意識するだけです》
トライさんたちを視るのは、やめておこうかな。
目があったら恥ずかしいし。
『うん。理解したよ。なら、龍化ってどんな感じなの?あと、龍鱗の効果が、よくわからないな』
《完全な龍形態になったり、半人半龍の姿のような、中間の姿に変身したり、出来ますよ。但し、龍に近ければ、近いほど魔力を消費します。龍鱗については、あらゆる魔法に対する特殊な耐性ですね。あとは、こちらの能力を見る能力を、無効にしたりします》
『成る程?つまり龍化は、状況によって使い分けられるってことだよね?かなり、便利な能力だね』
《ですが、幾つか問題があります。まずは、貴女が黒龍だと、人々に気付かれない方が良いでしょう》
『なんで?』
《先程お伝えしましたが、貴女様の父君は大変恐れられていました。故に、貴女自身も恐らくは‥‥‥なので、変身は可能な限り、控えた方が良いでしょう》
『成る程』
《また、龍眼を使用すると、瞳の形が一瞬だけ変化して、それで気付かれるかもしれません。魔力を込めなければ、殆どの人間は擬態に気付く事は無いでしょう。しかし、一部の人間は、通常時でも貴女の擬態を見破る可能性があります。なので、出来れば眼帯か、仮面のようなものが、欲しいですね》
『前が見えなくなるけど、大丈夫なの?』
《眼帯の場合は、右目だけで良いですよ。貴女は両目が異なっています。恐らく左目は普通なので、眼帯でも使えば、問題ないでしょう》
『えっ?私ってオッドアイなの?衝撃の事実なんだけど』
《はい。ですから、村に着いたら、水桶を覗いてみると宜しいかと》
『わかった』
こうして自分への認識を知りつつ、常識を学ぶ。そして、村での生活に少し不安ながらも、私は心を躍らせているのであった。
基本毎日投稿で深夜になると思います。
(19時に変更してます。)