四十一話 小さな喧嘩
お金を手に入れた少女は歩きながら4人組を捜している。しかしどれだけ捜しても見当たらず、街の中をウロウロとしていた。先程と変わらずお上りさんにしか見えない事だろう。この状態に不安を感じ始め、彼らをどうにか捜す方法は無いのだろうかと考えていると、ある方法を閃く。そうそれはいつも通り親友に尋ねる事だった。
『ねえ?どうやって捜そうか?』
《今回は結構粘りましたね?ふふふ、それでは教えて差し上げましょうか?》
『むう、やっぱりいい』
《え!?》
『自分で捜す』
《何故ですか!?》
『アイちゃんの意地悪』
そう言って怒ってはいないが頬を膨らませる。断じて怒ってはいない。それだけは間違いない。そう自分に言い聞かせる
《ごめんなさい!冗談なんです!その‥‥‥許して下さい》
『アイちゃんなんて知らない。すぐ意地悪するもん』
《頑張っているクロが可愛くてつい。怒っているクロも可愛いですが、どうか機嫌を直して下さい》
可愛いと言われてつい照れてしまいそうになるが、なんとか耐え切る。しかし大好きなアイちゃんが謝りながら泣き出したので慌てて謝る
《ごめんなさいぃ》
『ごめん、私も言い過ぎたよ』
謝ったのはいいものの、お互いに無言になる。そして私が改めて聞き直す。
『ね?アイちゃん。私アイちゃんが居ないと駄目なんだからどうしたらいいか教えてくれる?』
《はい、彼らは仕事でこちらに来てましたから、冒険者か何かだと思います。なので誰かに冒険者の集まる場所を尋ねるのがいいと思います》
『うん、ありがとう。いつもその‥‥‥感謝してるんだよ?だからそのごめん』
《いえこちらこそ。貴女が優しいからついそれに甘えてました。許して下さいますか?》
『うん』
《やはり優しいクロが大好きです》
こう何度も直球で褒められ、怒っていたのは忘れて許してしまう。親友とはこうして喧嘩も時々あるが大概は直ぐに、仲直りをしていつも一緒に助け合う。我ながら単純だなあとは思うものの、心地よい心の暖かさに身を任せ、笑いながら周辺を捜すのだった