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黒龍の少女  作者: 羽つき蜥蜴
二章 人との繋がり
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四十話 初めてのお金

カバンの奥底で眠っていたモノを取り出そうと思ってふと手が止まり、アイちゃんに少し質問をしてみる。


『ねえアイちゃん?ミスリルを店主さんに見せても問題ないかな?』

《さあ?どうでしょう。試してみるしかないですね。まあ最悪は拾ったと言えばいいでしょう》

『アイちゃんらしいね』

《どっ、どう言う意味ですか!?》

『別にぃ?なんでもないのですよ』

《むう、やり返してきましたね。ならば我が家の家宝ですとか?》

『まあなんでもいいや。聞いてみるよ』

「あの?コレとかも売るとしたらいくらぐらいになりますか?」


そう言ってカバンの中のミスリルを掴みおずおずと差し出して店主さんに見せると、やや怪訝そうな表情で喋り始める


「これをどこで?」

「えっと、その」

「いや、失礼。素材の出所を聞くのはマナー違反だな。そうだな検査次第だがおおよそ銀貨60枚だな」

「銀貨?お金の価値がいまいちわからなくて」

「ふむなら説明しておくか。鉄、銅、銀、金の順で金が1番価値が高く、100枚で同一になる。つまり銅貨100枚で銀貨1枚だ。細かい金額は商品の数で調整したりして交換するんだが、目安としてご飯を食べるだけなら鉄貨5枚だな」

「ウサギを丸ごと売るとしたら?」

「皮を剥いでるのならそれだけで鉄貨2枚、肉も合わせて5枚だな。解体の手間とかがあるからやってくれているのならサービスで6枚にしてやるが、基本は解体の手間賃は一割だ」


そう言われて考える。鉄貨が1として銅が百、銀が一万、金が百万と言う所なのだから、驚いた事にミスリルは60万もの価値のある貴重品と言う事が判る。特に頑張っては無いけれど二ヶ月働いた結果が、銀貨8枚なのだから途方も無い大金である。


店主さんは私のミスリルを見詰めながら、口を開く


「それで?それも売るのか?」

「あ、えっと」

そう言われて戸惑っているとアイちゃんから

『取り敢えずお金に困ってから売りましょう。今はやめておいた方がいいかと』


と言われたので断る

「ごめんなさい」

「そうか。残念だな。じゃあ銀貨8枚だ」

そう言ってお金をカウンターに置いてから、毛皮を担いで店の奥に入っていく。

そして出てきたと思ったらナイフを抜いてはいないが、持って出て来たのでそれを見て恐怖を感じ

「ヒイッ」

「ん?」

「い、命だけは」

断らなければ良かったと後悔する。あんなモノを持ってきたから私はこれから脅されるんだと、内心慌てていると


「違う、予備のナイフだよ。大分使い込んでるみたいだしな」

「え?」

「狩りや解体に使ってんだろ?これやるよ。色を付けるって言ったからな。今後ともよろしく頼む」

「えぁ、ハイ」

その言葉を聞きなんだか居た堪れない気持ちになってしまう。なんとかナイフとお金を受け取った事でつい頬が緩む。

結果は身分証代よりはかなり多く稼げたので先程の恐怖はどこへやら喜びながらお店を後にするのだった

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