三十七話 お出掛け準備
あけましておめでとうございます。
遅くなりましたが、本日の二話目を投稿しておきます。読んでくださっている皆様のためにも、頑張って行きますのでどうぞ今年もよろしくお願いします。m(*_ _)m
ニーベルへと向かう準備を進めながらも、4人組が訪ねて来るのを待つこと4日が経つ。
その間にも狩りをして肉を用意していたのだが、季節は夏となり持って行く物の厳選をやり直す事になる。結果的には野生動物の皮と鉱山で拾ったミスリルだけをカバンに詰めて待っていると、漸く4人組が訪ねて来て喋らなかった丁寧な方が話し始める。
「すまない、待たせてしまった」
「ううん別に待ってない」
そう言ってみると心の中から声が聞こえる
《いえ?ソワソワしてましたよね》
その言葉を聞いて反論する
『アイちゃん』
《なんでもないです》
反論にはなっていなかったが言い合いには勝利する
「なら良かった。それでは行こっか?」
「うん」
「っとその前に、おい」
その言葉を発した直後に代表っぽい人と口が悪い人が前に出て頭を下げる
「ん?なんで2人が謝るの?片方は別に悪く無いと思うけど?」
若干の棘を含んで言うと
「止められなかった僕も悪いからね、一緒に謝るべきだと思うんだ。仲間の責任はリーダーにもあるし、何より2人が取り持ってくれなければ謝る事も出来ないのはリーダー失格だよ」
「ふーん」
「悪かった。少女だと思って馬鹿にしてしまった。初対面の相手への言葉遣いでは無かったと思う。2人から聞いたんだがとても良い子だって聞いた。どうか許してほしい」
その言葉を聞いて少し意外にも思う。正直自分も怒ってないとか言いながらも、つい手を握り込んでいたし。なんて言うかピリピリしてただけなのかもしれないな。それだったらまあ怒れないよね。そう思い返事をする
「私もごめんなさい」
「じゃ、仲直りもできたと言う事で後は任せましたよリーダー」
「よし、とは言っても後は戻るだけだしな」
「あー良かったら、嬢ちゃん荷物ぐらい持つぜ?」
そう言って口が悪かった人が荷物を担いでくれる。
「申し訳ないですよ」
「良いんだよ。せめてこれくらいはな」
するとアイちゃんが
《まあ折角ですから任せてしまいましょう。敵意は無く単純な親切の様ですよ?それにどうせなら、笑顔でお礼を言ってあげた方が良いと思いますよ》
『そんな物なの?』
《はい》
それを聞いて出来る限りの笑顔で
「ありがとう」
口が悪かった人は少しの間固まってから口を開く
「あ、ああ」
こうして約二ヶ月過ごした山を出て、要塞都市ニーベルへと出発するのだった