三十三話 情報交換①
人が去った後の夕方、珍しく少女はごろごろとだらけていた。その少女は珍しく鼻歌を歌うほど上機嫌である。何故ならいつもは怠けていると怒られるが昼間の悶着があった結果、珍しく親友は怒らずに寧ろ怠けるのを推奨しているくらいである。故にぐうたらしていたのだが、人の気配を家の外から感じて、ため息を吐きながら外に出る。すると外には4人組の口を開かなかった2人がやって来ていた。こちらに気付いて視線を向けたかと思うと同時に口を開く。
「「すまなかった」」
言葉と共に頭を下げつつ謝罪をしてくる。その言葉を聞いて返事をする。
「なんの用?」
「頼みがある」
「それを私が聞いてどうするの?」
「もし聞いてくれるなら質問をお互いにし合おう。情報交換がしたいんだがどうだろうか?」
それを聞いてアイちゃんが告げる
《まあまあメリットがありますね。昼間の人たちの仲間ではありますが、私達も情報が欲しいですからね。この話乗る価値ありますよ?》
それを聞いて
「それなら私から聞いても?」
「話をしてくれるなら勿論構わない」
それを聞いて考えているとアイちゃんが
《まあ無難にここに来た目的とかどうですか?》
『ふむふむ』
「じゃあ何故ここに?」
「今から数日前、一週間ほど前かな?に魔物がこの山から大量に逃げだしたらしい。そんな情報が入ったからそれの調査でここに来たんだ」
それを聞いてアイちゃんと相談する
『ん?どう言うこと?私のせいかな?』
《わかりませんが、何か強敵などがいるのかもしれません。注意だけはした方が良いですね》
『まあわからないからいっかな?』
《そうですねえ》
一旦心の会話を止めて話を再開する。
「一応理解した」
「じゃあ次は俺たちからの質問だ。さっきの質問に対してだが何か知らないか?」
「いや、わからない」
「そうか、ならば異変とかがあったならそれでもいいんだが」
言われてみれば丁度7日ほど前に人が来た事を思い出す。
「そう言えば変な芸術家を名乗る人が来たかも」
「詳しく教えてくれるか?」
それを聞いてその当時の状況を思い出す。
たしか私に変って言ってきて、そのあと魔法がどうとかで見えないとかなんとか。
それで魂を見たいからと言うから認識を‥‥‥解除した。ほんの数秒だけだけど。ひょっとしてコレ?それなら私のせいじゃん?どうしようか?‥‥‥擦りつけちゃおっか?
「その変な人が山の中で魔法を使おうとしてたような気がする」
しどろもどろでそう答える
「なっ!?どんなだったか覚えてるか?その人の特徴とか」
「ツカレテテヨクオボエテナイノ」
つい視線を逸らしながら答える
「そ、そうかわかったありがとう。じゃあ質問してくれ」
危ない危ない気付かれて無いようだ。まあ不用意に歪衣は解除しないほうがいいようだね。反省反省
こうして少女は名も知らぬ芸術家に己のやった事を擦りつけて、次は何を質問するか考えるのだった。