三十二話 続・来訪者
洞窟の探索を終えて3日経った昼頃、家の外で少女がのんびりと食事をしていた時のことである。この前来た芸術家とは別人で4人ほどの男性達が訪れ、代表と思われる人が話しかけてきた。
「すまないここは君の家かい?」
「そうですけど何か?」
「こんなところで1人か?」
「はい」
つい話しかけられ面倒だなあと思いながらも少女は返答すると、疑るような目でこちらを眺めてくる。その目つきに苛立ちを募らせ少し目が鋭くなると相手は慌てる様に喋り出す。
「す、すまない。気を悪くさせたなら申し訳ないんだが、ここは魔物が棲息していた山なんだよ」
「だからなに?」
「だから心配をしているんだよ」
すると別の人が会話に割って入ってきて喋りだす
「おいおいこんなのに話しかけてる暇なんてねえだろ!?さっさと依頼をこなしに行くぞ」
「いやここに住んでるのなら情報とか無いかと思ってさ」
「あ?あー成る程な。そう言う事だ!知ってる情報話してもらうぞ」
「バカ!そんな頼み方があるか」
そんな会話を聞いてアイちゃんが話しかけてくる
《消しますか?今なら止めませんよ》
『いや、やらないよ』
《私のクロを馬鹿にしているのです。消しましょう直ちに》
『アイちゃんのではないけど、ありがと』
まあアイちゃんのおかげで少し冷静になれたからよかったよかった。危うく‥‥‥なんでもない。取り敢えず冷静に応答しよう
「情報はありません」
「いや、その」
「ないです」
「怒ったのなら申し訳ない。謝罪ならするからせめて話だけでも」
「私はもう疲れたので寝ます」
「昼なんだが」
会話の途中でまたもや先程の人が割り込み怒鳴る
「てめえ、舐めてんのか」
「うるさい」
そう言って右眼の力を使う。体感的には睨んだだけなのだが龍眼の力が発動したのだろう。怒鳴ってきた相手を威圧していた。それにより相手は腰から砕けへたり込む。震えながらも
「な、なんだお前」
「帰ってくれますか?」
「すまない」
そう言って4人組は元来た道を辿り帰って行ったのだった