三十一話 洞窟探索
昨日に続き少女は洞窟に潜る。カバンと探究心を持って朝早くからやってきた少女は探索を開始する。とは言え昨日到達したところまでは小走りで行き、途中で歩きに切り替えると話し始める。
『ねえねえどんな物が見つかるかな』
《そうですね、宝石などが見つかると良いですね》
『宝石!?魔力込めれる?』
『一部のものは出来たはずですが』
そうこう話しながらも辺りを見回すが、特にめぼしいものは見つからず会話に意識を割く
《そうそう代表的な物で魔力を込めたらどうなるかを話しておきますね》
『うんよろしく』
『金は魔法触媒になります。つまり魔法を使うための道具の繋ぎという感じです』
《ふんふん》
《水晶も同じで名前が変わりますがクリスタルと言い、見た目は変わりませんが魔力を通すかどうかで判別します》
『ん?でも魔力を込めれる物の説明でしょ?』
《さすがはクロ、よく気付きましたね。一般的には水晶には魔力を込める事はできません。クロなら可能ですが。つまり出来ない認識が浸透しているため名前分けされるのですよ》
『成る程、ていうか私って結構凄い?』
『ええ、クロは凄いのですよ』
改まって褒められたせいで自分でも顔が赤くなっているのがわかるくらい火照ってしまう
『えっと、ありがと。他には?』
《クロはカッコいいです!》
『そっちじゃないよ!』
《え?》
『え?じゃないよ!魔力の込めれる物の話だよ!』
《あ、すみません》
『い、いいよ。その‥‥嬉しいし』
《で、では次はそうですね。ダイヤモンドですね。元々硬いですが硬質化と他に名前が変わります。アダマンタイトと言い、恐らく最高硬度の鉱石です》
『へー最高なら欲しいかも』
《他宝石類は魔力触媒ですね、省きますがこんな感じで取り敢えず説明終わりです。あと因みになのですが貴女の場合は龍化した状態の方が硬いです。それこそアダマンタイトよりも》
『え?なにそれ?つまり龍化して殴る方が強いの?』
《はい。今の姿でも魔力を込めれば普通のアダマンタイトなら砕けますよ?消費魔力がかなり多いですが》
『つまり魔力次第で殆どの相手に勝てるという事?』
《まああながち間違いでは無いです。ただ勝負と言うのは何が起こるかわかりませんから日々鍛えるのが大切なのです。相手だって魔力を持っているかも知れませんし》
『じゃあ明日も頑張る』
《はい応援してますからね》
こうして探索をしたものの、特にめぼしい物は見つからなかった。結果前日のミスリル以外の収穫物は無く家へと帰るのであった