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黒龍の少女  作者: 羽つき蜥蜴
十二章 黒龍飛翔
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二百七十八話 作戦会議

いつもの3人が集まってのお話し中。黒龍庭園で集まっての秘密の会談。

あっ、いつもの3人というのは、アイちゃん、フユ、それから私の事。

龍に関しての会話とかは誰も居ない場所が最も都合が良い。聞かれたら困る様な内容とかもあるので。


「春が来れば東から大軍が雪崩混んで来るだろう。その為、フユにはいつでも対応出来る様にしていて欲しい」

「んー。了解」

「余裕があれば北に行って同盟が結べれば良いが」

「北?獣王連合国?」


特に交流もない国。獣王連合国。情報もない。余裕っていうのは時間的な猶予の事。交流を図るにも、同盟を結ぶにも時間がかかるので間に合うかどうか。東から女神軍が来るまでに。


「そうですね。遺産を使うのも視野に入れつつ、西への対策も練らないとですね」

「遺産」


遺産って何の事だろ。

対北方の対策手段?


「ねえねえ。アイちゃん。防衛は引き受けるけど、何か条件とかある?例えば貴族は見逃せとか?」

「‥‥‥問いません。貴女の自由です。どんな手段さえも問いません」

「了解。戦い方も?」

「時間さえ稼いでくれれば良いです。それ以外は好きにして下さい」

「あーい。アイちゃんだけに」


フユの渾身の駄洒落を無視して、アイちゃんが一枚の紙を取り出した。

そこには【今後の予定】と書かれていて、私はそこに目を通した。


1.レングラント王国調査。フユとアイ

2.獣王連合国調査。イヴ。

3.メルドリク王国調査。イヴかフユ。

4.エルフの里交流。イヴ。アイ。

5.要塞都市メア防衛。フユ。

6.西方侵攻。イヴ。アイ。

7.聖戦終結。


とある。

要塞都市メアとは竜聖国の東の国境を守っている都市。首都を除けば竜聖国一番の防衛力を誇る街。ここが落ちたら首都まで一直線。なんとしても守らないといけない場所だ。


アイちゃんは紙に指を当て順番に説明する。


「先ずは西方侵攻の情報収集。イヴはお留守番です。2〜4までで客が来るかもしれません。その対応はイヴに任せます」

「えっと、でも、難しいかも。上手く行かなかったらどうしよう」


アイちゃんもフユも不在だと不安。


「予定より早く終われば私が同行しますし、聞きたい事があればそのイヤリングを使って下さい」


そうだ。このイヤリングがあった。

使い方をおさらい。

回線が4つあって、ニュートラルと1〜3。ニュートラルは互いに回線を切っている状態。声が届けられなくなるし、こちらに届かなくなる。会話をしたくない時に使う。

それ以外は私が1番。フユが2番。アイちゃんが3番にしておいて、特定の相手と会話をしたい時にイヤリングを回して接続する。

ニュートラルは、ミュート&サイレントらしい。へー。


「わかった」

「それでは各作戦の重要性について話しましょうか」

「うん。お願い」

「聞いてもわかんないけど、了解」




先ず、レングラント王国。

この程度の一国を、跳ね除けるくらいの力がある事を証明しなければならない。とは言え、龍を戦力として除いた状態の竜聖国でさえ同程度の国力なので、私達が出れば余裕だろう。

どちらかと言えば、力を他国に見せつけるのではなく、国内の貴族共にアピールするのが最重要だ。


獣王連合国。

私の推測では攻めては来ない筈。

しかし、それは推測でしか無いので内情を探っておくと安全だ。まあ、そこまで重要ではない。


メルドリク王国。

同盟国だが女神教なので裏切る可能性が高い。そして同盟を破棄された場合は、女神軍の通り道が出来てしまうので、侵攻が早まってしまう。

結構重要な作戦だ。


エルフの里。

恐らく接触してくるだろう。こちらから赴く必要は全くない。放置で。

余裕があれば行っても良い。


要塞都市メア防衛。

フユに一任。長くて一ヶ月くらいは接敵しないと思うが未確定。何が起こるか分からないのでフユは早めに防衛を。フユが居る事で兵たちの士気も下がりにくい筈だ。


西方侵攻。

レングラント王国を可能な限り早期に決着をつける。目的は相手の出鼻を挫く事。竜聖国に攻め入ろうとする気を失くさせれば勝ち。


聖戦終結。

どの様な状況に転んでいるかは分からないが、何としてでも守り切る。

状況に応じて作戦は練り直す必要があるだろう。



「こんな感じです。東を防衛するのが最大の課題ですか。長期戦になるでしょうがまあ、フユ一人でも足りると思っています」

「えぇ。いけるかなあ」


普段自信満々のフユでもさすがに不安そう。


「問題無い筈です。貴女の力を全力で使えば」

「うーん。そうは言ってもねえ?」

「恐らく私は暇になっているので助けに行きますよ。イヴは‥‥‥忙しいでしょうね」

「そっか。まあ、頑張るよ」

「うん。私も頑張る」


自分達のやるべき事を指し示す。

そうすれば自然とやる気が出てくる。何をして良いのか、何をしたら良いのか。それが分からない時が一番難しい。そんな私に、ちゃんと道を示してくれるのがアイちゃん。


やっぱりアイちゃんはすごい。

そう、私は思うのだった。

ちょっと短いですが。


さて、新章突入といった感じで。

政治的な内容が多い予定の章です。

3人がそれぞれの想いを持って挑む的な。

その中でも特に、アイちゃんに注目して頂ければと思います。


あとあとちなみに。

アイちゃんは単独行動しません。

戦力よ‥‥何でも出来ちゃうからね。仕方がないですね。

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