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黒龍の少女  作者: 羽つき蜥蜴
八章 決別
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百八十三話 嫌がらせ

oh.間違えて外伝に投稿してしまいました。


m(*_ _)m


遅くなりましたが。すみません。

ギルドから宿へと帰り、一晩眠ってから次の日。

また依頼を受けて、任務をこなす。そんな感じの毎日。

ただ、ひたすら無心で働く。繰り返しの日々を過ごしていた、そんなある日。


「迷宮が生まれたぞ!」


そんな声が聞こえ、私以外の人達は一斉に盛り上がっていた。

所謂、狂喜乱舞。

みんながみんな、獰猛な目付きになっていた。

私には何故みんなが喜んでいるのか分からなかった。

なので、口々に喋る噂に耳を傾け、ミルクを飲みながら情報収集に励んだ。


曰く、お宝が眠っており、攻略者には成功が与えられるとか。


「胡散臭い」


気付いたら言ってた。何も考えず。

幸い、誰も聞いていなかった。

ただ、私は仏頂面をしてたんだと思う。

まあ、仮面、被ってたんだけどね。なんで分かったんだろうか?


「おう。坊主は興味無いのか?」


偶々、目の前に居たお兄さんが訊ねて来た。

肘をついていたから気付かれたのかな?


「うん」

「そうか。危険だし、1人では行かない方が良いだろうな」

「興味無いし」

「坊主はCランクだろ?誘いが来るかもな」

「そうなの?」

「坊主は他人が苦手そうだな」

「うーん。そんな事は」


否定したいけど出来ない。

誰よりも信用してた君に裏切られたから。

違うって信じてたい。けど。


「それより、坊主はどうやってトライデントを倒したんだ?」


トライデント。

3匹セットのオオカミ。巧みな連携で襲って来るCランクの魔物。

ちょうど昨日完了した依頼。

別になんて事ない。向かって来たから、カウンターを3回繰り返しただけ。

寧ろ連携が取れてる分、リズム良く終わって、とても効率が良かった。


「隙をついて適当」

「そ、そうか。アレは1人だと不可能だって言われる程、厄介なんだがなあ」

「ふーん」


心底興味無い。

私は今、お金にしか興味が無い。

旅を続ける為にも貯金したい。

あ、でも。迷宮を攻略すればお金になるのかな?

それなら、少し気になるかも。


「あ!おい。参加資格はC以上だってよ」

「へえ?」

「申し込まないのか?」

「うーん。おじ、お兄さんは?」


危ない。

咄嗟に口が滑るとこだった。


「あーまあな。足りてないからなあ」

「あ、そうなんだ」


ツッコミは無かった代わりに、少し申し訳ない感じになった。


「一応、リーダーがCランクなら、即席でも認められるらしいがな」

「え?それなら、僕と一緒とかなら行けるの?」

「そうだが、遠慮しとくよ」


むう。誘った訳じゃ無いのにフラれた気分。

なんか、釈然としない。

そう言う意味じゃないのに。


「まあ、良いや。僕は気ままにやるよ」

「そうかい?」


私はそう言って、最後の一口を飲み干してから、今日の依頼を選ぶ。

色々と目移りしていると、誰かにぶつかった。

いや、ぶつかられた。


「痛!」

「おっと!悪いなガキンチョ。小さくて見えなかった」

「‥‥‥そう」

「気をつけてくれよ?見えないんだから」

「ふーん」


滅茶苦茶我慢した。

虚勢を張ったけど、内心は溶岩そのもの。

こうなった原因は知ってる。


4日前の、ストーンゴーレムの依頼を達成した日。

この人のパーティーが、私と同じ依頼を受けて失敗した。

その後に、私が1人でクリアしたものだから、比較されて名前に傷がついたとかなんとか。で、嫌がらせが始まった。


「あ、あ、あの、落ち着いて下さい!」


そう言いながら割って入るのは、あの受付さん。

こうやって、剣呑な雰囲気に駆けつけてくれる受付さん。

この人が止めてくれるから、私も怒らない様にしてる。


「ああ!?うるせえよ。このガキが当たって来たから注意したんだろうがよ!」


嘘だ。私は何もしてない。寧ろ避けようとした。

周りの人だって理解してる筈。なのに、誰も助けてくれない。

唯一。受付さんだけ。この人のお陰で、私は我慢してる。


「あ、あの。ルビー君?大丈夫ですか?」


ほら。こうやって心配してくれるんだもの。

怒りたくても怒れないよ。

多分。立場を知ってるからだけど、誰にも話さず、こうやって庇ってくれる。

受付さんの心労はとんでもないことになってる筈。

それは、優しさ以外の何者でもない。

だから、私は冷静なんだよ?


「問題無いよ?ありがと」


本当は反撃した方が良いのだと思う。

でも、この人には迷惑掛けたくない。


「チッ!」


舌打ちをして、仲間を連れて何処かへ行った。

最後尾にいた人は、私を見て去りながら、頭を下げてる。

この人も良い人なのかもね。

まあ、助けてくれる訳ではないなら、違うのかもね。わかんないや。


「済みません。ルビー君」

「良い。気にしてない」

「私共は何も出来ず」

「違う。助けてくれる。それだけでも嬉しい」

「マスターには相談しているのですが、中々及び腰で」

「まあ、そうだよね」


これがイジメってやつなのかな?

まあ、大したことないけどね。

ただ、ちょっぴりムカつく。


「この町にはCランクの冒険者は希少で。あの人には、度々脅されていまして」

「うん。聞いた。だから何?って感じだけどね」

「そうですね。申し訳ありません」


うん。この受付さんにはどうしようもない。

アイツはこの町では、最も強いらしい。

だからこそ好き勝手が許されてる。みんなからの不満はあるけど、逆らえる人が居ない状態。

そんな時に私が来てしまったから。

それも1人。さぞイジメ甲斐がありそう。


「はあ。どうしたものかなあ」


1人愚痴る。

珍しく今後を見据えながら。

さて。ボッチ所以の話ですね。

イジメって嫌いなんですよね。書いててなんですけど。


助ける側も踏ん切りがつかず、中々対処が難しい問題です。

少女も反撃すれば良いのでしょうが、人の事ばかり考えるので、どうしても怒れないのです。


なので中途半端なら、助けない方がマシですよね。

悪くないですよ。助ける事は。ただ、それで悪化する事もある。難しいです。

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