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黒龍の少女  作者: 羽つき蜥蜴
八章 決別
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百八十話 格闘少女

「それではストーンゴーレムの駆除、お願いしますね」



受付の人から目的地への地図を貰って、ギルドを出る。

適当に依頼を掴んだけれど、目的の獲物はストーンゴーレムと言うらしい。

本当はもう少し、よく調べてから受注しないといけないとは思う。

でも、どうにも他の冒険者さんの会話が気になって、と言うか気が散ってしまい、依頼の内容も聞きそびれてしまった。


「はあ」


声を漏らしながら、ついでに貰っておいた、公女様とやらの情報も確認する。


「えっと、何々?」


そこに書いてあったのは、10歳くらいの少女で、黒髪異眼の瞳は赤と青、と言った簡素な物だった。

他には、服装などの予想も書いてあったが、ドレスとあったので、この外套を装備している限りは大丈夫そう。

外套を持ち出したのも気付かれてなさそう。


「仮面と外套を持って来てて良かった。ありがとね。ふふ」


何となく仮面と外套にお礼を言った。

少し光った気もするけど、多分気のせい。

多分だけど、昔の私がお世話になった筈。今の私とは別人だけど、お礼を言わないといけない気がした。

後は自己紹介も兼ねての言葉。

無駄だろうけど。


「取り敢えず、依頼。やらないとね」


言葉に出して気を引き締めてから、目的地である町の外に出掛ける。

依頼の獲物は、少し北に歩くと辿り着く、岩場に居るらしい。

ストーンと名がつくだけあって、岩の多い所に棲息していて、一応魔物。


門番?(門は無いから警備兵)さんに挨拶をしてから外へ出る。

目的地は直ぐに到着して、魔物を探すが見つからない。

少し困って、依頼内容を確認すると、岩などに擬態するらしい。


「えぇ?見つけるのは大変だよ」


愚痴りながら周りを見渡すも、どれもこれも同じ岩にしか見えない。

注意深く依頼の内容を確認すると、魔力感知を使ったり、衝撃を加えたりして魔物を見つけられると書いてあった。


「ほうほう成る程。魔力感知は使えないから、手当たり次第に攻撃してみようか」


そう言いながら、肉体強化を施す。

そして、


「とりゃー!」


目の前の岩を殴った。

すると大きなヒビが入り、不可思議な動きをしてから、本物の岩になった。


「あれ?まさかこれ?」


恐らくストーンゴーレムだった物。

その岩の亀裂の間から小さな光が漏れていて、それを手に取る。


「魔石?かな」


魔物から取れると言われている素材。

この事も書いてあった。

恐らくこれが魔石。琥珀色の石で、これが採取出来た事から、倒してしまったらしい。

魔物から魔石を取ると死んでしまうので、回収した時点で、倒せているのは間違いない筈。

だが、確証が持てなかったので、他のゴーレムを探す。

もし、生きた?(ゴーレムは生命体では無いらしい)ゴーレムを見つけたら、それを倒して魔石を入手しないと、本物だったのか判断がつかない。


「多分、合ってるとは思うけど」


言いながら岩を軽く叩いて反応を確かめる。

弱すぎる衝撃だと無反応で、強すぎる力を込めれば壊してしまう。

そんな、何とも扱い辛い岩を調べる事数回。


「うん?」


私が気付いたとほぼ同時。

岩が動き始める。


「あわわ。ひょっとして怒ってる?」


私が訊ねると、答えだと言わんばかりの右手?を振り抜いて来た。

勿論躱した。


ちょっと!?危ないじゃん。急に攻撃するなんて。

ん?まてよ?私が先に攻撃したような物。

それだと、私が悪いような?

そっかあ。私かあ。


考えながらも攻撃は飛んで来る。

とは言え、全く当たる気がしない。

油断してても回避したのだから当然。

なので相手の右ストレートに合わせて、


「ていっ!」


気持ちはポコん。

でも実際は、バキッ!

ガラガラと音を立て崩れ、岩の真ん中から、橙色の光が見える。

そこに近寄って手に取り確認すると、間違い無く魔石。

なので、最初のアレはゴーレムだったらしい。南無。


手を合わせ合掌した所で最後を探す。

今回の目標討伐数は3体で、魔石を納品する事で証明出来る。

正確にはこの依頼は魔石の納品が本体なのだけどね。

魔石も一個は報酬で貰えるけど、どっちかと言うと、目当てはお金なので、そこは気にしない。


そして、一度コツを掴めば次は早い。


「多分、アレだよねえ?」


なんとなく普通の岩とは違う雰囲気。

説明は難しいけれど、周囲の空気が違うと言うか。

うん。自分でも何を言ってるのかわかんない。

でも多分。


違和感を確かめる為に近くの小石を拾う。

そして、それに魔力を流して投げると、小石は砕け散りながら、怪しい岩に小さなヒビが入り‥‥‥動きだした。

確認が出来てから、怪しい岩を殴って破壊する。


「うん!完了!」


声に出して、魔石を外套の中に仕舞ってから、来た道を辿る。

なんだかんだで上手く行き、冒険者と言う仕事は意外と楽しいなと思いながら帰る。

鼻唄を歌い、ルンルンのスキップ。


今は昼過ぎで、出発したのは朝。

大体3時間くらい。

なのでまた、警備の人に挨拶をする。

向こうも覚えててくれたらしい。


「こんにちわ!」

「おう!朝通った少年か!元気で良いな」

「入っても良いですか?」

「勿論!無事で良かった」

「うん。ありがとう。頑張ってね」

「良い子過ぎる」


何故か撫でられた。

でも、うん。嫌じゃない。


「髪の毛サラサラだな」

「そうですか?は!?あ、いえ。ボクはよく言われますね!?」


撫でられて気付いたけど、髪の毛の質は、男の子と女の子では違う。

その事に気が付いた。今更。


「そうか!いや。いい髪だ」


褒められただけで、疑われては無い気がする。

でも、油断したらバレちゃう。

そして、女の子だと気付かれたら、そのまま身元が割れてしまうかもしれない。


「これは、男の子のフリをするしかない」


誰にも聞こえない様に宣言する。

自分自身に言い聞かせる様に。

さて、当面少女の内面重視で書きます。

久しぶりの書き方で、若干忘れてたり。


まあ、作者はアホトカゲですからね。

(黒龍の少女談)



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