十七話 少女達の秘密
少女達は狩りを終えて村へと辿り着く。一応これで今日明日の仕事は終わりらしく、暫くは自由にして良いらしいのでまずはやりたい事を探そうと思う。いつも通りアイちゃんに話し掛ける。
『ねえ?今日と明日は何をすれば良いかな?』
《そうですね勉強というのはどうでしょう》
『うぇー嫌だなあ』
《あれ?そんなに嫌いでしたか?》
『うん?そうでもないと思うんだけどなんとなく』
《そうですか?では何について勉強しましょうか?》
『そうだ!あなたについて勉強したいんだけどどうかな?』
《私ですか?一応構いませんが》
『ではまず、なぜ本体が宝玉なんですか?』
《急に敬語ですね。うーん?というよりもあれ?なんでだろ》
そう言ってアイちゃんは沈黙する。
《そのですね、そもそも前提として物に魂が宿る事など有り得ないみたいです。あるとしたら魔法によって宿るらしいので、なんらかの意思で私はこの宝玉に住んでるみたいです》
『と言うことは私の様な封印と同じということ?』
《恐らくはそうでしょう。加えて魂という物は生きている物にしか生まれず、私の様に何かに宿らせるというのは困難な筈なんですよ》
『本体は宝玉でもなぜ私とは会話が出来るのかも疑問だよね』
《確かにそうですね。当たり前のように会話していましたがどういう原理でしょうか?》
『アイちゃんにもわからない事ってあるんだね』
《私の知識も謎が多いですね。そもそも貴女の情報はあるのに私のことがわからないのは何故でしょうか?》
『なんだか勉強じゃなくなっちゃったね』
《あっすいません。では他に気になることはありますか?》
『魔法の勉強とかどうかな?魔力も比較的多いんだろうしきっとみんなの役に立てるよね』
《良いですね。ですが私は知識が無いので教えられないのと、この村に書物などが有るかどうかが問題ですね》
『え?駄目かもしれないの?』
《そもそも適性がわからないですし》
『え?そんな物があるの?』
《はい。武器にもあるように魔法にもあるみたいですね》
『あーなんか嫌な予感がする』
《奇遇ですね。恐らく使える魔法殆どない気がしますよ?そもそも龍は魔法を使わないですから》
『え、でも火魔法とか』
《龍化して吹けば良いのでは?》
『結構アイちゃんて適当だよね』
こうしてずっと他愛のない会話で1日を終えるのであった。
次回作品内の時間が少し進みます