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黒龍の少女  作者: 羽つき蜥蜴
一章 優しき出会いと別れ
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十五話 弱肉強者

木々に遮られ、日の傾きはおよそ見えないが、太陽は天辺にある。

その頃になって、漸く小鳥達の鳴き声が聞こえて来た。野生動物は気付けなくなっている。

ここに黒龍が居るのだが、それを認識出来るものは居ない。

龍は強い。だが、龍はなぜ強いか?

それは種族が強いのもあるかも知れない。だが本当の強さは長く生き、知能を持って自身を成長させる為、いつの間にか遠くへと辿り着き、その姿を誰も認識できなくなるのだ。そんな龍が、今日初めて狩りをする。


3人は昼頃になってやっとの事でウサギの一羽を見つける。背の低い木々に身を隠し獲物を観察していると、トライさんが説明口調で話し始める。


「まず生き物には弱点という物があり、ここを狙うと気付かれる事なく、一撃で仕留められる場所が存在する」

「はい」

「基本的には顔まわり、目とかだね」

「では、顔を狙えば良いのですか?」

「そうだね。ウサギなら首から上ならどこでも大丈夫。ただ、大きい獲物等は、一撃は難しいから足を狙ったり、心臓の辺りを狙って弱らせたりもするよ。まあ、取り敢えずやってみようか」

「嬢ちゃんのナイフ投げなら大丈夫だろう」


太鼓判を押して貰ったので、集中して狙う。すると


ウサギ

体力 5/5


つい見てしまっていた。

こんな情報いつ役に立つのやらと、そんな事を考えると、アイちゃんが私に話し掛ける。


《無駄という訳ではないですよ知るという事はそれだけで価値のある物です。今回は無駄ですけど》

『‥‥‥一言多いよ』

《えへへ、つい》

『はあ』


私は気を取り直して、ナイフを上に構えて投げる。

軌跡は弧を描かず、地面とは平行に直進して、ウサギに突き刺さる。勢い余りかなり吹っ飛ばしてしまったが。


「やり過ぎだな」

「ナイフで、どういう力を込めたらああなるんだろう?」

《その、ごめんなさい》

『‥‥‥怒ってないけど?』

《いえ‥‥‥はい。でもその魔力が》


そう言われて気付いたのだが、ナイフに魔力を込めていたのだろう。よくみると周辺の魔力が乱れている。


「やっちゃった」


私は頭に手を置き言い放つ。


こうして、初めての狩りは成功と失敗を織り込んだ結果となるのであった。

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