百四十七話 勇気
GWて良いですね!!
ようやく書き溜め出来ます。
時間が無さすぎて、ちょっと困ってました。
1日おきにしか更新出来なくって、本当に申し訳ないです。
ちょくちょく、時間見つけて書いてますのでどうかお許しください。m(*_ _)m
レルクさんが街から出た当日の昼。
簡単にお昼を取ってから、街の情報収集に繰り出す。
まずはこの街について調べる為に、冒険者ギルドへと行こうと思う。
少し嫌だったが、いずれは行かなければならない為、心を奮い立たせて歩いて行く。
何にせよ、最低限の情報を得る事が出来る上に、対黒龍の策を練る為にも、行かない理由が無い。
レルクさんが戻って来るまで仕事が無いので、一応冒険者として働く事も視野に入れておく必要がある。
それ程お金に困ってはいないと思うが、お金は幾ら有っても困らない。
突発的に、欲しい物が生まれるかもしれないし、またいつの日か、この受けた恩も返したい。
乙女は、少しだけ震える足を動かして、目的地へと向かう。
辿り着いた冒険者ギルドは大きく、初めて住んだ、あの町のギルドよりも何倍も大きい。
怯む心を無理矢理引っ張って、建物の中に入ると大勢で賑わっており、帰りたい気持ちがより一層高まる。
さらに、私が入った瞬間に視線が注がれ、全員に見られている様な錯覚を覚える。
心臓が激しく動き始めて、呼吸が苦しい。
深呼吸をしながら、頭の中で「大丈夫」と連呼して平静を装う。
下唇を噛み締めて、ゆっくりと歩いて受付の列に並ぶ。
人は多いが、その分受付の数も多く、すんなりと私の順番が来たので、情報が買えるかどうかを尋ねてみた。
「あの、情報を買いたいのですけど」
「はあ、わかりました。初めてですよね?」
このギルドにって事だよね。そうだけど、それがどうしたのだろうか?
「ギルドカードはありますか?」
「は、はい」
問われたので、ギルドカードを差し出す。
「結構です。はて?何処かで見たような?」
「そうですか?」
「まあ、良いですかね。情報でしたら会議室へと案内しますね。どうぞこちらへ」
そう言った受付の人は、別の人と受付を交代して、私に付いて来る様に促す。
私は、その指示に従って会議室へと入って、受付の人と対面に座る。
そして、受付の人が話し始める。
「初めまして。私の名前はチルダと申します。本日はどう言ったご用件でしょうか?」
「えっと、可能な限りの情報が欲しくて、どんな情報でも知りたいです」
「そうですか。ではまず街の紹介からさせて頂きます。見たところ、所属がこの街では無いですからね」
「はい。お願いします」
乙女がそう言うと、チルダと名乗った受付が話し始める。
「まずこの都市は、東方のアルティア帝国との国境の境目にある、要塞都市ニーベルと呼ばれています」
「うん」
「ここ10年程は、戦争が発生していませんが、世界一の要塞と言われており、移り住む者も多い大都市です」
「成る程」
「とまあ、紹介はここまでにして、知りたい事はありますか?」
「そうですね」
乙女は悩む。気になる情報は3点。
一つ目、親友について。恐らく知らないだろう。聞くだけ無駄かも。正確には女神様について。
二つ目、黒龍について。可能な限りの情報が欲しい。出来れば倒したいから。
三つ目、魔法やあらゆる雑学について。何をするにも私は、知らなさ過ぎるから。
取り敢えず、黒龍と女神の情報を質問してみようかな。
「女神様と黒龍について知りたい」
私がそう言うと、チルダさんは少し悩んでから口を開く。
「そう、ですね。女神様については、あまり正確な情報は残っていません。確かなのは分け隔て無く優しかったと言う事でしょうか。特徴とかも、色々デマが流れていますので」
「そう」
「次に、黒龍についてになりますが、竜聖国では、黒龍を神として崇める法律が施行されました。なので、様を付けなければ処罰される可能性がありますので、ご注意を。不確かではありますが、黒龍様は竜聖国に住んでいるみたいです」
チルダさんの話を聞いて、疑問が浮かぶ。
え?魔物でしょ?それが神?
だって、女神様を殺したのに、崇められるって意味わかんない。
「魔物なんだよね?」
「そうなんですが、竜聖国がそう扱うと言えば、批判する事も出来ず、討伐も出来ないのです」
は?法律だとか関係ないでしょ?敵なんだよ。なのに、何故それを許しているの!?
このままじゃ、下手に手を出せないし、そんな魔物が、私の親友を殺すのを、黙って見とけって事じゃん。そんなの見過ごせない。
今、決定した。黒龍討伐は最優先だ。
親友を探そうにも、得られる物は多分ないだろうから、目的が明確な、黒龍をどうにかしないと。
乙女は黙って立ち上がる。
すると、チルダさんが慌てた様に、私を呼び止めようとしたが、私はその会話をぶった斬ってしまう。
「あ、あの!」
「もういい。必要ない」
「もう、良いんですか?」
「知りたい事は聞けたから大丈夫。幾ら?」
「いえ!お金は大丈夫です。その、何故お怒りなんでしょうか?」
「怒ってない」
「そ、そうですか。はい」
チルダさんが落ち込むのを横目に、私は会議室から出て行く。
私は怒ってない。でも、焦りが私を支配していたのだと思う。
今迄悠長にしていて、あの子が生まれてから10数年以上経っている。
もう、死んでるかもしれない。
だって、女神様の娘なのに、有名になってないと言う事は、多分そう言う事なのだろうから。
私が、これからやる事は無駄なのだろうか。
でも、仕方ないよね。疑わしきは消しておかないと。どうなるかなんて、わかんないんだからさ。
勝てるかなんて関係無いよ。
仮に負けたとしても、あの子の為になるのなら構わない。
死ぬのは怖くないよ。ほんとだよ?だって、一度死んでから二度目だもの。
そうだ、震えてないもん。どっちかと言うと怒りかな?うん。
覚悟しないと、いけないから。死ぬ覚悟と、殺してしまう覚悟。
見た目が魔物なら良いんだけどね。出来れば見た目は魔物であって欲しいな。でないと、躊躇してしまいそうだから。
さあ、行こうかな。クロマルで黒龍を見つけるのも容易だからね。
乙女は空を飛ぶ。人目も憚らず。
黒龍を倒す為に。目的を達成する為に、地獄に向かって飛んで行く。
さあ、後はひとっ飛びですね。
どちらが勝ちますかね?
なーんて。もう展開は決まってますので、決着の後どうなるかですね。
まあ、主人公が死んだら物語終わりますからね。
つまり、主人公交代フラグ!?
とか言ってみたりと、しょうもないトカゲです。
まだ物語が終わる予定もないですし、風呂敷は広げたままですから。
畳み始めたら、察しますよね。と言う事で、濁しておきます。