百十三話 乙女の苦悩
そう言えば、この前一話落としてしまいましたね。
申し訳ないです。実はこれがちょくちょく増えてしまいそうなんですよね。
作者都合で申し訳無いのですが、すみません。
ご容赦下さいませ。m(*_ _)m
あと、タイトル公開しときますね。
冬も終わりが見え、小鳥が鳴く頃。
暖かな風が吹き、道行く人達は忙しなく動いている。
そこに、銀の髪を靡かせながら、ある建物へと向かう者がいた。
端正な顔立ちの乙女で、憧れの視線が殆どである。
しかし、まるで異物を扱う様な言葉を話す者との、半々と言ったところであるが。
乙女は、自身の噂をする者達を後にして、ギルドの受付に話し掛ける。
「ねえ?何か適当な依頼ある?」
「あ、フユさん。おはようございます」
「うん、おはよ」
「Cランク依頼でヒートウルフがありますよ。複数討伐です」
「ふーん。じゃ、それ」
「わかりました。その、今日も1人ですか?」
「何か?」
「あ、いえ!」
早速手続きを開始する受付。
気が小さそうに見えるが、とても気の聞く受付である。
依頼書を受け取って、この場を後にする乙女。
この乙女は一月程前に、冒険者登録をした初心者である。
乙女が何故、冒険者として働いているのか。
それは、情報を得る為である。
しかし、敢えてこの仕事を選ぶ理由は無いのである。
情報は買えば良いのだから。
当初は、常識などの広い情報を得ようと思い、乙女は肉屋の店主に相談した。
すると、店主は情報を買うだけならと思い、冒険者ギルドを紹介したと言う訳だ。
だが、実際にギルドに行ってみれば、信用が必要という事で、「なら冒険者として名を上げようか」と言った訳である。
ついでに、お金稼ぎにも良いと受付に言われて即決した。
実に安直だが、実際には良い判断だったと言える。物の一月程度で、Cランクとなったのだから。
乙女がギルドを出ようとすると、数人の男達が立ち塞がる。
不快感を得た乙女が、男達を睨むと、その人達は乙女に話し掛ける。
「よお、また、1人か?」
先頭の男が小馬鹿にする様な表情で言う。
それに答える乙女。
「悪い?」
「危なそうだなあって、思ってな?」
「だから手伝ってやろうかってな」
取り巻き達も一緒になって、ニヤニヤと笑いながら、言い放っている。
そして、この状況を眺める外野の視線。
恐らく全員分の視線だろう。視線の意図は不安、緊張、憐れみ等だろうか?
関係ない。
乙女はそう思い、断る。
「不要だよ?」
笑顔で言う乙女。その目は間違い無く、邪魔だと言っている。
それを見てか、気に入らないのだろう男達が怒り出す。
「生意気な野郎だ」
「やっちまいますか?」
「おうよ」
公の場で拳を振りかぶる男達。
いかにも間抜けであり、周りが見えていない。
そもそも、馬鹿にされると思っていない。自分達は相手を馬鹿にしているのに。だからだろう。男たちの思考は、相手を女だからと甘く見て、脅せば言う事を聞くと思っているのだ。
仕方が無いかもしれない。男尊女卑は根強い。
だが、それを理由として考えても、愚かと言える。
強さを見極められないのだから。
そして拳が、乙女の柔肌に届くかと思いきや、見えない壁のような物を殴る男達。
不可思議な透明の盾は、硬くは無い。だが代わりに、一切の衝撃も通さない。
女神の盾は、絶対防御の障壁である。
状況が理解出来ない者には、乙女が動けず、男達が寸止めをして、脅している様に映る。
理解しているのは、乙女と敵対者のみ。
そして、殴られる距離ならば、相手を殴れるという事。
乙女は無言で、目の前の男の手を触る。
そして、念じる。
男が急激に冷やされ、冷気が漂う。
まるで、乙女の感情を表すかの様な魔法。
もう既に、幾人にも使ってしまっている。
氷結魔法の犠牲者は多い。
最初の頃は良かった。ナンパかな?と思っていた。モテ期到来か!と思っていた。
あの時の私を殴りたい。
肉屋で働き始めて、3日目の事。
男性客から、求婚された。
当然断った。相手の事も知らないのに、おいそれと結婚出来る訳が無い。
だがその人は、諦める事無く何度もアタックして来た。
それだけなら、まだ良い。
だが、断り続けていたある日、その男性は怒り出した。
曰く、舐めているのか!と
そして、揉めた。
店主さんは優しいので庇ってくれた。
だが、噂が噂を呼び、こぞって私に求婚する者が増えた。
その状況に辟易していたある日。
貴族を名乗る者が来た。
そう、まるで物語の中に出てくる様な、見るからに悪徳な貴族。
絵に描いたような性悪で、ウチで扱ってる商品の様な、貴族が押し掛けて来た。
‥‥‥まさに豚さん。
予想はしていたが、妻にしてやろうとかなんとか。
わーい。のーせんきゅー。
あまりに嬉しすぎて、冷凍保存しかけた。
いや、し損ねた。
兎に角、揉めた。
相手が不味かった。貴族と言うのは伊達では無いらしい。
沢山兵士が来た。どうなるかと思ったけど、倒してしまった。私って強い。
それ以来は、何事も無く。
そして、いつも通り。男共には喧嘩?を売られ、求婚されたりと言った感じだ。
まあ、絶賛モテ期という奴です。はい。
ウレシイナ。
だからこそ、1人で行動している。
パートナーを組めば、何かとトラブルが起こるだろうし。自分で孤独を選んだのだ。
グスン。
昔はあんなに友達が居たのに。
皆から好かれていたと思う。
私の特技が、皆仲良くだったし。1人特別な人が居たけど、中々上手く行かないし。
本当に欲しい物は手に入らないんだよね。
今も、昔も。
乙女は溜息を吐く。世界の流れに揉まれ、神経を擦り減らしながら、力を身に付けていく。唯一つの目的の為に。
実は、最初の方の話とかを、修正したいんですよね。
読みやすい様に改行入れたりとかしたいですが、中々難しいです。
句読点の使い方も下手ですし、色々やりたい事が多いんですよね。
‥‥‥頑張ります。