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第16話 試験が終わって

 § 第16話 試験が終わって §

 

 

「よし、ここなら人目を気にせず話せるな」

 

「ここならって……」

 

「貴様ここがどこかわかっておるのか?」

 

「え、ペインフォレストでしょ?」

 

 連れてきた先はペインフォレストの前。

 

「あのペインフォレストだよ!? ついさっき穢れが大量に出たって言うあのペインフォレストだよ!」

 

「と言っても森の前だからそんな危険じゃないと思うけど」

 

「貴様だけだぞそんな事言えるのは……それより、ここじゃないと話せない内容とは一体何なんだ」

 

「それなんだけどさ、あまり言いふらしたくないからここだけの話にしてくれる?」

 

「俺、口だけは堅いから安心してよ」

 

「無論、人の異能など言いふらすものでも無いしな」

 

「おっけ、それでみんなが気になってる俺の異能は【愚者(ジョーカー)】って言うんだ」

 

「じょーかー? 【鮮血王(ブラッディマリー)】じゃないんだ。どんな能力なの?」

 

「対象の異能を使えるって能力」

 

「異能を使える? じゃああの時ガウェインと同じ異能を使えたのは異能の能力って事?」

 

「そうだね」

 

「それだとなぜ騎士団長様の異能を使わなかったんだ?」

 

「俺もよくわかってないんだけどなんか奪うための条件があるらしい。多分だけど、一度はその異能を見ないとダメみたいな感じの条件」

 

「あー、そのデメリット知ってなかったら開幕異能奪われて一方的な蹂躙が始まると……」

 

「控えめに言って強すぎるな」

 

 それは俺も思う、ごめん。

 

「あはは……そ、それよりこの後どうする? 俺としては早く帰ってジオ……師匠に報告したいんだけど」

 

「ナギの師匠? 会ってみたいな」

 

「あー……」

 

 学園に出向く直前にジオウに言われた事を思い出す。

 

 

 ────

 

 

「あ、そうそう、俺の弟子だって事言わないでね」


 朝食を食べてる中そんな事を言い出す。

 

「元から言いふらすつもり無いけど、なんで?」

 

「俺ってこう見えていい方でも悪い方でもちょー有名人なのよ、俺と繋がってるって事が知られた瞬間に普通の学園生活を送れると思わない方がいい」

 

「そんなに?」

 

「別にまともな生活送りたくないなら止めないけどね」

 

「……気をつけます」

 

 

 ────


 

「どうしたナギ、考え事か?」


「……えっと、師匠は人見知りが激しい人だからあまりいい反応はされないかも」

 

「まぁ会えたらいいなくらいの気持ちだから大丈夫だよ。それより特にやること無いし帰る?」

 

「俺はどちらでも構わないが、貴様にリベンジしてもいいか?」


 リベンジ……あぁ、絡まれたやつか。

 

「めんど、帰ろっか」

 

「えー、俺も気になるから一戦だけやってよ」

 

「なんだ逃げるのかナギ?」 

 

 2人の期待をすごい感じる……

 

「……わかったよ、一戦だけね」

 

「貴様なら乗ってくると信じてたぞ」

 

 腰を落とし戦闘態勢に入るガウェインと、両手をブランと下げて立ってるだけのナギ。


「いつでもいいか?」

 

「無論、いつでもかかって──」

 

「はい隙」

 

 

 

 圧勝した。

 

 

  

 

 ◇

 

 

 

 

「ただいまー」

 

「おかえり、遅かったな」

 

「試験はどうだった、って聞くまでもないか。ぬるかっただろ」

 

「確かにそんな緊張しないでいい内容だったな」

 

「実は俺の座学のおかげってのもあるんだよなぁ」

 

「たしかに見たことあるような問題ばっかりだった気がする」

 

「ふっふっふ、もっと師匠を敬いたまえ〜」


「え、嫌なんだけど。それよりもさ」

 

「そうだよね、君はそういう弟子()だもんね、まぁそっちの方が気が楽でいいけど」

 

 露骨に落ち込むなよ……

 

「ごめんて……それよりさ、俺の異能が発現したんだよね」

 

「お、なんてやつだ?」

 

「【愚者(ジョーカー)】って異能」

 

「どんな能力だ?」

 

「異能を奪うって異能」

 

「無条件で奪うのか?」


「俺もよく把握してないけど多分一度は見ないとダメだと思う」

 

「一度は見ないと奪えない……逆に言えば一度見たら奪えるのか? 他にも条件はありそうだけど十分強いな」

 

「そうなんだよ、強すぎるんだよ。困ってるのがこの異能を隠しておくのがいいのかなって」

 

 それが噂になって目立つのは構わないけど、隠蔽することによって目立たないならそれに越したことはない。

 

「まぁ隠した方がいいな」

 

「だよなぁ……」

 

「運が悪ければ戦争が起こるかもしれないし」

 

「ははは」

 

 目立つどころの話じゃなかった。

 

「もしその能力が本当ならばお前個人で軍に匹敵するからな。お前を巡って各国が仕掛けに来てもおかしくはないと思う」

 

「なるほどね……なら本当に必要な時以外は使う異能をきめた方がいいな、どれにしよう」

 

「今ある異能は?」

 

「【鮮血王(ブラッディマリー)】、血を操る異能。あと目の前に【王者(グラビタム)】が転がってる」

 

「それだけでも強いな……まぁ、一応俺のも貰っとけ、いざって時のお守りだな。奪えるか?」

 

「やってみる」

 

(奪え【愚者(ジョーカー)】……おっ)

 

「いけたっぽい」

 

 何も無い空間に向け手を翳して【王者(グラビタム)】と心の中で唱えると──

 

「っ!?」

 

「おお、ほんとに奪えてるよこいつ」

 

 のどかな平原が消えて、代わりに底が見えないほどの巨大な穴が出現した。

 

「絶対使わねえ、ヤバすぎるだろ……」

 

「ほんとに気をつけろよ〜」

 

 ケラケラとした態度のまま家の中へ入っていった。

 

 

★5評価、感想お待ちしております。


執筆ペースがどんどん落ちてく……近いうちに週一更新になるかも知れません……

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