第九十六話 対面!魔剣使いと聖剣使い
作者の言い訳はあとがきをご覧くださいませ・・・
二つの大きな集団が相対して集まっていた。
一つの集団は整然と並んでおり、上質な装備に身を包んだ集団であり、その瞳には強固な意志を持つ、強い使命を宿した者たち。
対するもう一つの集団は隊列などほぼ無いに等しく、着の身着のままに集まってはいるが、まともな装備もなくその瞳は意思を感じず表情もない状態で立ち尽くしていた。
相対する集団の数は圧倒的に後者の方が多かったが、装備や隊列などを見ても前者の方が優勢であることには変わりなかったのだが、それでも楽な戦いとは程遠い理由があった。
「ついに本番と言う訳ね。相手方は大した装備も士気も無きに等しいので普通なら苦戦などしないでしょうけど、何せこちらは大きなハンデがあるのがねぇ・・」
聖剣を持つ一人の騎士がそう発言すると、それを聞いたアグスティナは目を瞑り、一拍の間を置いてから語り出す。
「そうだな、こちらは極力相手を殺傷することが出来ない。可能な限り拘束に留める必要がある。明らかに敵となる者には容赦する必要はないがな。」
「あらぁ、そうなると私達が受け持つ相手との戦いを素早く終わらせてしまうのが一番良いですわねぇ。」
「嗚呼、私達が一般の奴らを相手にするのが一番早いだろうが、当然妨害もあるだろう。あの隊列を見る限り敵は適当に突撃する可能性が高い。ならばこちらは部隊ごとに対処するのが良いだろう。そしてそれを予測して魔剣使いもやってくるだろう。」
「了解しましたわ。では・・「失礼します!」」
その先を離そうとした矢先に別の言葉で遮られた。
「敵陣に動き在り!第弐師団より通達!敵魔剣使いが現れました!」
「「「!」」」
「各員!すぐに戦闘態勢に移れ!任せたぞ!」
「「「ハッ!」」」
ここは戦場より少し離れた場所でそこ戦地を見ている影が二つあった。
「ついに始まるか・・・戦争が。そしてそれを止められるかどうかも俺にかかってるってのがプレッシャー過ぎる」
「大丈夫、ジュナ子は私が守る。安心して・・・いいよ。」
(クックック、だそうだ、ジュナ子よ)
「(うぜぇ!いくら作戦だからって女装してるからって名前まで変えなくても!ってかなんでこいつと二人なんだよ!いや理解してるけどさ!)」
そう、ジュナスは敵を操っていると思われる介入者との戦いのために戦場を一歩離れた場所にいるのだが、その隣には第弐師団の隊長カリンがいる。
第二師団は偵察、情報収集、暗殺などが主な任務のため、妥当ともいえる差配なのだが、男が敵を倒すことが国に影響を与える可能性を考慮されて女装しているのだ。
そしてジュナスの女装姿を見たカリンは、何故か優しくなりジュナ子と呼ぶようになった。
「とにかくさっさと介入者とやらを見つけねぇと」
「フフ、私に任せればいい。だからジュナ子はゆっくりしてるといい」
「(こいつ作戦の内容理解してるのか!?)」
それから少しして遂に始まる戦争。しかし不気味な始まり方であった。
敵方である元ロブスナッチ側は何の命令も雄叫びもほとんどなく、ただ黙々と集まった者たちが武器を手に前進してきたのだ。
対してフィーリッツ王国側はゆっくりと、だが確実に対処。
相手方を可能な限り急所を割けて動きを止めては拘束して、と戦っているが如何せん相手の数が多い。
それに相手は何の意思もなく武器を振るってくるため、拘束するだけでも一苦労であった。
そこに、ひと際大きな魔力を放つ者が戦場に現れる。
その数四つ。
「ヒャッハー!いいね!いいねぇ!やってるじゃねぇか!おいそこの愚図共が!さっさともっと前に進め!敵をぶっ殺せ!オラ!」
「フヒ!フヒヒヒ!は、早く進んで終わらせて、楽しいことをしたいですなもし!」
「フン、女ごときに後れを取ってやがるカス共などどうでもいいが、女が男に歯向かうたぁ我慢ならねぇなぁ。とっとと跪いて泣いて許しを乞えや」
「おやおや、やはり適当に数だけを揃えただけではどうにもなりませんか。ですがまぁ問題はないでしょう。私達が生きていて、あの方がいればどうとでもなります。では皆さんよろしくお願いしますよ」
そしてその四つの魔力に反応して、同じくフィーリッツ王国側からも四つの反応が現れる。
「あらあら?随分と下品な方達の集まりですのね?見た目同様なのでそれほど驚きもありませんけれど。」
「身の程を知らない人達ね。ちょっと大きな力を持ったから勘違いしているんでしょ。痛い目見せてわからせてやるわよ!」
「ねぇねぇ、あの人たちと遊べばいいの?」「はい隊長。あの方々が本日は遊んでくださるようですよ。それも本気で楽しんでもいいそうです。」「やった!じゃあカゲちゃんも一緒に遊べるんだね!」
「成程、アレが敵の魔剣使い共か。随分と勝手な発言をしているようだが、叶うなら背後関係を洗うために捕獲するのがいいが、勝利が最優先ではあるな。それにしても四人か、報告通り介入者ともう一人は別の場所のようだな」
そしてジュナ子、あ、いやジュナス達の方でも
(む、ジュナスよ!ひと際大きな魔力が範囲内に入ってきたぞ!だがこちらに向かっている訳ではない!この進路は・・・)
「嗚呼、俺もアグスティナさんに嫌という程特訓させられてきたからな。わかるぜ。この方角は・・・フィーリッツ王国の城!」
「ジュナ子、敵が動いてる。私と行く、おいで」
すでにカリンは相手の位置を把握しているのか、移動先を読んでなのか、向かう先を決めている。伊達に隊長職をやっている訳ではない。
「(まぁ予想通りの展開だったな。)」
ジュナスはネームレスにそう話しかける。
(うむ、お主は相変わらず謎の予測が得意だな。それもげぇむとやらで知っていたという事か?)
「(わざわざ国の男連中を殺さずに連れて行って反乱なんて面倒なことを起こしているんだ、そんな手の込んだことをしておいて今更正々堂々、正面衝突なんてあり得ねぇだろ。絶対にこの戦争の裏で何かするに決まってる。この手の展開なら大体黒幕は裏でこっそりってな)」
(その洞察力は大したものだが、土壇場まで目的がわからぬ辺り相変わらず中途半端よな)
「(うっせ!相手の目的なんて潰してしまえばそこまでさ・・・絶対に・・・)」
「オフィーリアの元には行かせねぇ!」
その言葉と共に即座にその場から移動を開始した。
と言う訳で作者の言い訳の欄になります。
はい、何とか戦闘描写から入ろうと必死になりました。結果・・・私の執筆力では戦闘描写からの戦争という流れが出来ないという無能っぷりが露呈しただけでした。
本当に申し訳ございません!!
だがこのまま終われば二度のお約束を破ることに・・そうならない為にわたくし・・・本日二話投稿します!というか同時投稿しました!
そちらはわずかながらも戦闘描写入ってます!!ですので何とかお許し願いたいのであります!!!
どうぞ年末最後の二話投稿をお楽しみくださいませ!!ほんとごめんなさい!
少しでも評価やコメントが頂ければやる気が出ますのでどうぞよろしくお願い致します!
具体的には☆☆☆☆☆を★★★★★にしてもらえたらもう感激しまくります。
★☆☆☆☆でもとっても嬉しいよ!!
ブックマークもしてもらえたら嬉しいです!
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こちらは気まぐれで書いた小説ありますので、良ければどうぞそちらもよろしくお願い致します。
テンプレ異世界に飛ばされたけど、こんなのテンプレっぽいけどテンプレじゃない! ~適当テンプレ神に流されずに頑張って抵抗ツッコミしていこうとするお話~
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