第九十四話 戦争前会議(笑)
「なぜこんなことになった・・・」
俺は目の前の光景が現実であることを受け入れることが出来ずにただただ唖然としてしまった。
今俺の目の前には銀髪で目が吊り目気味だが威圧感はなく、化粧は少し濃いがケバケバしたような感じではなく上品な感じがする人がこちらを見て唖然としている。
そう、唖然としているのだ。
俺が少し右手を上げるとその人は左手を上げる。
もうわかったと思うが・・・鏡に映る・・・俺だ。
俺のすぐ後ろでは俺をこんな風にした侍女たちが満足しきったような表情でうんうんと頷いており、そのすぐ横でオフィーリアも目を輝かせて見ている。
敢えてもう一度言おう
「なぜこんなことになった・・・」
数時間ほど前。
フィーリッツ王国の王城の一室にある楕円型のテーブルではこの国の中でも上の地位にいるであろう人たちがあーだこーだと色々と議論を交わしていた。
議論の内容は時期に始まるであろう元ロブスナッチ国との戦争の件だ。
各部署の報告から人員の配置、物資の確認、敵側の情報、戦力の確認、戦場になるであろう場所の地形の把握などその内容は多岐にわたる。
何故俺が呼ばれたのかわからないが、当然俺を呼んだオフィーリアもアグスティナさんもいるし、俺をこの国に連れてきた第弐師団隊長のカリン(幼女趣味)もいるし、その副隊長のまともなアドミリヤさんもいる。
あ、あと老害?かどうかはわからんがオクタヴィアって人もいる。それ以外の人は全然知らないけどどっかの隊長とか副隊長格の人達なのだろう。
あれやこれやと話している・・・どう見ても子供っぽい子もいて寝てるけど・・アレも隊長格なのか?
俺もよくわからないながらもぼーっと話を聞き流していたら、敵本陣を誰が強襲するかという話しが出てきて、更にアグスティナさんから「ジュナスに任せようと思う」という発言で自分の名前が聞こえてようやくハッとして周囲を見回した。
当然の如く名前を出された俺を周囲の人たちが見ているが、何とも言えない表情をしている人が大半だ。
まぁぽっと出の奴にそんな大役任せるのもなって思ってるんだろうけど・・・ってちょっと待って!?本陣に強襲!?俺そんな話聞いてませんけど!?
まぁ案の定というべきか、ろうがi・・いや、オクタヴィアのバb、いや、おばさんが反対意見を出す。
こちらを睨むのも忘れない。
いや、睨まれても俺も今初めて聞いてぽかんとしてるんだけど。
詳しい議論の内容を確認すればアグスティナさん、オフィーリア側の意見はそれなりに腕の立つ人物で且つ聖剣を所持していること、部隊に所属していない為遊撃として自由に動き回れること、相手に知られていないこと、信頼がおけること(それはオフィーリアとアグスティナさんだけだと思うけど)と言った内容。
たいしてオクタヴィア側の意見としては、男である為信頼できないこと、実力が未知数すぎること、国所属の者ではないこと、男であること。
待って、男って二回言ってない?男であることの理由強すぎる。
まぁ男だからって意見だけならどうでもいいんだろうけど、国所属じゃないってのがアグスティナさんもオフィーリアもこの反対意見を一蹴出来ない理由だろう。
確かに国同士の戦争に第三者が関わるとあんまりいいことにはならないパターンって小説やらゲームやら歴史でもよくあるよな。まぁ歴史は全然記憶にないけど。
しばらくああでもないこうでもないと話していたのだが、ここで何を思ったのかオフィーリアが急にこっちを見て「そうだわ!」とか言って声を張り上げた。
「ジュナスが男で我が国所属に見えないというのなら女の子になればいいのよ!」
「!?( ゜д゜)ポカーン」
俺は間違いなくこんな顔してた。
そして冒頭に戻る。
俺は反対意見を言う暇すらなくオフィーリアと侍女たちに連れられて(強制連行)あれよあれよという間に女になった。
違う!ちゃんとついてる!股の下にはちゃんとついてるから!!
「完璧ね!誰がどう見ても女の子よ!ちょっと目の傷が化粧でも完全に消えたわけじゃないけど大丈夫!目立たないわ!」
「ブッ・・ククク・・その・・・なんだ・・ブフッ!に、似合ってるぞジュナスよ・・くふっ・・クックック」
めっちゃ笑うじゃないですかアグスティナさん。
「これならジュナスが敵を倒しても我が国の兵士だってわかるから問題解決ね!」
「!?待って!よく考えたら俺これで戦わないといけないのか!?」
アイエェェェェェーー!!!ナンデーー!!??ジョソウナンデーー!!??
(クハハハハハハハハ!!良い!良いじゃないかジュナスよ、えぇ?随分と、ククククク、に、似合っておるではないか!クハハハハハハハハ!)
こんのクソ剣が!他人事だと思っていい気になりやがって!
(この国に来て貴様が稽古をつけている間は戦争までは暇かと思っておったがこんなにも面白いイベントが待っておるとは思っておらんかったぞ!クハハハハハ!!)
「あら?良いじゃない!とってもよく似合ってるわよ!それに私と同じ銀髪だからこうしてみると姉妹みたいにみえるかしら?」
「いえいえ、姫様。それはいくら何でも・・しかし意外と似合っているのがまた・・クックックw」
「ジュナス様は背もそこまで高すぎるわけではありませんし、男性にしてはあまり筋肉質でも御座いませんでしたのでお化粧もし易かったですよ」
どこぞの侍女が褒めてくれてるらしいが、全く嬉しくない・・しかしほんとにこれでやらないといけないのか?俺まともに戦えんだろこんなので・・・てかこれで人前に出るの恥ずかしすぎるわ!
なお、少しでも女性に見せるために今は女性っぽい服を着ている。(最初はドレスを着させられそうになったが断固拒否した)
その時、室内にノックが鳴り、オフィーリアが入室を許可するとオクタヴィアが入ってくる。
なんとこの人、オフィーリアの提案に許可を出したのだ。
ただし条件として女装をして女性らしく見えない場合、強襲部隊はオクタヴィア側で決めるという条件で。
どうせ男が女装したところで女性らしくなるなんて不可能と思っての判断だろう。
「姫様、いい加減お遊びもこの辺りでよろしいのではないでしょうか?何をしようと男が女性らしくなど不可能。それに男など信じたところですぐに裏切るに決まってま・・」
と、会話の途中で何故か言葉が詰まってこちらを見てきた。
「どう?これでもまだ私の意見で進めようという気はない?」
俺を上から下まで見てしばらくしてから若干顔を赤らめて横に背け、一言ぼそりと呟いた。
「・・・・・まぁ・・・良いでしょう」
いいのかよ!!!!俺は絶望した。
はい、ジュナス君が遂に女になりましたw
まぁ理由としてそれ以外にも相手方がフィーリッツ王国側の戦力とほぼ同等に近い数を用意しているせいで余剰戦力で聖剣持ちがジュナスしかいないという理由がありました。
あんまり説明会長すぎるとまたつまらないと皆様に思われてはと思い省いてしまいました。
次回はいよいよ戦争に突入していきます。
多少の説明も入りますが、戦闘に入っていくと思いますので戦闘がお好きな方は楽しみにしてもらえればと思います!
・・・戦闘描写・・・上手く書けるかな・・自信がない。
少しでも評価やコメントが頂ければやる気が出ますのでどうぞよろしくお願い致します!
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こちらは気まぐれで書いた小説ありますので、良ければどうぞそちらもよろしくお願い致します。
テンプレ異世界に飛ばされたけど、こんなのテンプレっぽいけどテンプレじゃない! ~適当テンプレ神に流されずに頑張って抵抗ツッコミしていこうとするお話~
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