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半端オタクの異世界転移(意志ある剣が存在する世界)   作者: 男将
第四章 フィーリッツ王国編
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第八十七話 反撃、仮同調


(ネームレス、こうなったら何とかするしかねぇ、一気に攻撃を仕掛けることは出来ねぇか?)


「ぐむっ、あまり成功率は高くないが、それ以外あるまいな。・・・かなり体に負担をかけるぞ?」


(あのクソみてぇな研究所に戻るくらいなら構いはしない!腕の一本くれてやるくらいのつもりでやってくれ!)


「よかろう!ならば我も遠慮せずに行くぞ!」


そういうとこれまでずっと弾くために振るっていた腕を僅かに交差させてから一気に開ける。


すると自分の周囲に強力なオーラみたいなのが溢れ出して飛んできてたクナイとかを一気に弾き飛ばした。


それをした時何故か自分の視界が急に開けた。


おかしいな?いつもはネームレスに体を渡しているときは胸辺りからの視界だったのに、何故か今はいつもの自分の視界になっている。


「魔力を目に見える程に放出しておる!そのせいでお主とも同調されておる。お主にも痛みや疲労などの感覚が残るぞ!それに長時間は持たん!精々1分かそこらで切れるぞ!」


(構わねぇ!十分だろ!一気に決めるしかねぇ!やってくれ!)


一瞬焦ったが構わない!あの場所で受けた地獄よりもよほどマシだ!


俺のその声を聞いてから一直線にこれまでクナイを飛ばしてきた襲撃者に向かって走り出す。


相手も投げる際に移動しながらいろんな角度から投げて来ていたが、魔力探知で相手の位置はこっちもわかってるんだ。


解る、ネームレスが何を考えているのか、どうしようとしているのかも。


これが同調か・・・確かあのかませ犬がこれに失敗して乗っ取られてああなったんだっけ?


まぁ今は何でもいい、何としても接近戦に持ち込んでやる!


相手がこれまで一度も攻めてこなかったのはおそらく中、遠距離戦が得意なタイプだからだろ!?


だったら一気に近づいて接近戦に持ち込めば!そもそも俺には遠距離攻撃なんて出来ねぇしな!


「!?・・・・・・・・・」


相手の魔力に多少の揺らぎが見えた。俺が仕掛けたことで僅かに動揺したようだ。


だがそれもほんの僅かの事、あっという間に冷静に戻りやがった・・・だがどうする?ここで一旦距離を取るか?それともクナイか手裏剣をさらに追加で投げるか?それ以外のモノを投げるか?どう出る!?


「フゥー・・・・・・シッ!」


な!?一瞬相手の息を吐く音が聞こえたと思ったらいきなり目の前にいる・・だと!?こいつ!まさかこの状況で接近戦に持ち込んできた!?という事はこいつは遠距離タイプじゃ・・ない!?


「クッ!」


ネームレスと一体化した状態の俺が相手に向かって剣を横薙ぎに振るがそれを更に姿勢を低くして躱してきた!ならば走っている勢いで膝蹴りかまして・・・


「・・・ハッ!」


「ゴフッ!」


俺の体が後ろの大木まで吹き飛ばされる。


こ・・こいつ・・・俺の膝蹴りを更に躱して相手も突進の勢いのまま俺とすれ違いざまに腹に一撃入れてきやがった!


なんつー威力だ!カウンター入ったとはいえ、俺の体はかなり頑丈なはずなのに、直ぐに起き上がれねぇ!


ネームレス(剣)もすぐ近くに落としてしまった!


せめて視線で相手を確認すれば・・・と思ったらすでに横に居やがる!


「くそったれ!」


思わず左手で腕を相手に向けて振り回すが当然のように躱されて振り切った腕を逆に背中に回されて後ろから倒される・・クソッ!つえぇ!


「貴様、あの少女たちはどうした?」


その時襲撃者から初めてまともな言葉をかけられるって声高ぇ!女かよ!あの時クソ科学者みてえな奴と一緒にいた女か?


目的はなんだ!?俺を連れ戻しにきたかと思ったが、もしかしてシロエとソフィなのか?って事はもしかしてあのハゲたち盗賊共も奴らが嗾けたのか!?


「答えろ!」


俺がしばらく無言でいたからかさらに力を込めて背中に圧力がかかる。


かなり痛いけどあの施設でのことを考えりゃそこまで我慢できなくもないが、このままじゃらちが明かねぇ、どうするか。


「なんだ?あんた・・あの二人に何か用か?あの二人は俺のモノだぜ?(保護者的な意味で)」


どうだ?この挑発・・・乗ってくるか?


「貴様!!!」


よし!相手が前のめりになった!これなら!!


その隙に思いっきり足で地面を蹴り上げる。相手が女性だったこともあって相手の体が宙に浮きあがる。


「!?っっ!」


これで相手は一旦距離を取るはず!もう一度仕切り直し・・・


「うぉっ!?」


そう思っていたら目の前に刃が落ちてきて地面に突き刺さる。見れば相手のフードみたいなのはずれていたがしっかりと体勢を立て直して俺の目の前に立っていた。


くそっ!これはやべぇ!もうどうしようもないか!?ってよく見りゃあの時の科学者といた女じゃない!?だが、それがわかったからってどうしようもねぇ!どうする!?どうすればいい!?


その時その女に向かって風が吹き乱れる。


「む?」


だが女も慌てずに対処する。


地面に刺した剣を抜いて風を切り裂くかのように何度か振り抜く・・・が、この隙に!と思わず後ろにバックステッポウ!ついでにネームレスもしっかり回収!したが、ついでといわんばかりに俺も軽く切り刻まれる、痛てぇな!


結局また大木を背にした状態であるが、さっきとの違いが一つ。目の前に小さな背が二つあることだ。


「ん・・・まだ撃てる」


「わ・・・私も・・・」


「馬鹿野郎!なんで出てきた!?俺はいいからさっさとここから逃げろ!!」


思わず飛び出してきた二人に向かって怒鳴る俺だが、その声に少し肩をビクッとさせた二人はそれでもその場から離れようとはせずに襲撃者の女に視線を向けたままだ。


くそっ!相手の目的がこの二人だとしたら・・この二人に俺と同じようなあんな目に合わせるわけにはいかねぇ!こうなったらドラゴンになってでも・・・いや、あれは自分じゃ制御できねぇ、もしああなるとこの二人の事も見境なしに攻撃しちまうことになる、どうする!?

なかなか筆が進まず更新が遅いですが、お待ちいただき、お読みくださりほんとうにありがとうございます!


楽しんでいただけましたら、感想や誤字訂正、ブックマークや☆評価などして頂けますとモチベーションアップにつながり、更新のペースも上がるかと思います。



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