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第三十三話 少女の過去2

急ですが時間が出来たため、二話目をあげます。

前話をご閲覧前の方はそちらを先によろしくお願い致します。


私が物心付いた時には、とある貴族の屋敷の奴隷だった。

私の両親は私を産んだ事に対してとても遺憾だったみたいで、いつもひどい扱いを受けていたらしい。


らしいというのは私にその記憶が残っていないからだ。


だがそんな私に魔法の才能があるということがわかると、両親は手のひらを返したように嬉々として、私を奴隷商人に売り払った。


私はその後、奴隷商人によって多くの人の前に何度も連れられては、魔法を使うように命令された。

だが私には才能があるだけで実際に、私自身どうやって魔法を扱えばいいのかが全く分からなかった為、結局私は魔法を使う事が出来なかった。


奴隷商人からすればとんだ損失になってしまい、その後の私は毎日ただ雑務をさせられ、こき使われるような生活を続けていたらしい。


ある日、その奴隷商人の元に、一人の貴族が奴隷を買いにやってきた。


その貴族は私を見て、何とも言えない気味の悪い表情を浮かべた後、奴隷商人と二言三言会話をした後、私に向かって「私が君の新しいご主人様だよぉ」というと奴隷商人に袋を渡して私を連れて行った。


私はその貴族の屋敷へ連れていかれて、そこでまた一言、「君は流石にまだ小さいから私のモノを受け入れるのはもう少ししてからにしようかねぇ、ひっひっひ」とまた、気持ちの悪い表情を浮かべて、私の体をジロジロとみていた。


でも私は奴隷、特に何も言えずだたただ笑う事しか出来なかった。

そう、私は笑う事だけを覚えた。


最初の頃は泣く事もあった。怒鳴られれば泣くし、褒められれば喜ぶ。

普通の人間としての感情が自分にもあったと思う。


でもいつからか私は笑う事しか出来なくなった、笑ってさえいれば、どんなに辛くても耐えられる。


そう自分に言い聞かせてきたのか、私は物心付いた時にはいつも笑う事だけしてきた。


貴族は私が笑いかけたのを見て肯定と受け取ったのか、また気持ちの悪い顔をしながら屋敷の中へと入って行った。


そしてその屋敷の中で私は気持ちの悪いものをいくつも見た。

この貴族が是と言えばどんなことであろうとそれが事実となるし、非と言えば例えどんな冤罪であろうともそれが事実となってしまう。


この男の気に入らない者は殺されるか投獄されてしまうし、逆に気に入った者はどんな事をしてでも手に入れる。そんな場所であった。


私はそんな貴族の屋敷で普段はメイドとしての仕事をしていたが、夜になると貴族の一室に呼ばれる。


そしてその貴族と貴族が気に行ったであろう女性がする行為を常にそばで見せられるのだ。

初めて私をそこに呼んだ時、貴族は私にこう言った。


「お前も近い将来私に抱かれるんだから良く見ておくんだぞぉ、私を満足させられるようにしっかりと覚えるんだ、んん?わかったかい?」


そう言われた私は、やはり何も言えず、ただただ笑うしかなかった。


正直この時ほど自分がうまく笑えていたのかわからなかったが、貴族は私の顔を見るとまた気持ちの悪い満足そうな顔をして、その日連れてきたであろう女性に向かって被さっていく。


女性は必死に抵抗しているみたいだったけど、その姿を見て貴族はいっそう満足そうに笑いながら行為に没頭していった。


私はそれが終わるとようやく休むことが出来た。

そんな日が何日も何日も続いたある日、遂に私にも貴族の魔の手が伸びてきた。


「フーッフーッフーッ、そ・・そろそろ・・味わおうかなぁ、いいだろう?なぁ?」


そう言って私の肩に手を置いて顔を近づけてきた。

私はこの時、自分がどんな顔をしていたのか正直わからない。


いつもと同じような笑顔をしていたのかそれとも引きつっていたのか、ただ覚えているのはそこまで。


その後気が付くと私は今いる修道院に保護されていた。


後で聞いた話ではあの後、貴族の領地で反乱が起きて貴族は滅ぼされて、そこにいた人たちは皆解放されたのだとか。


私はその時、気絶していたらしく、身よりもわからなく誰も引き取ろうとしなかったところをここの修道院の院長が引き取ってくれたのだとか。


修道院の女性の人が私の体を見て、乱暴はされていなかったようで良かったと言ってくれたのでおそらくあの後すぐに事が起こったため、私はあの男の毒牙にかからずに済んだのだろう。


そのあと私はこの修道院で暮らすことになったけれど、結局大きくは変わっていない。


この修道院で変わった事と言えば、食べ物がまともになった事と、今までお前とかおいとか呼ばれていた私の名前が新しくソフィと呼ばれるようにはなった。


確かに今までの人たちと違って修道院の人たちは優しいけれど、私に大きく関わってこようという感じはしない。


私以外にも同じような子たちが数多くいるから、私だけに時間を取られるわけにもいかないからかもしれないけれど。


結局私はただただ笑っているだけだ。あの日から私は何も変わらない。

ただ笑う、そうすればきっと誰からも怒られない、辛い事も悲しい事もないはずだ。


私は笑う。全ての感情を捨てて、ただ笑顔を浮かべる。

それだけが私の存在価値であるかのように。


それだけが私が唯一自分で見つけたこの世界で生きる処世術だから。

もう少し表現を考えた方がいいのかな?と拙いながら考えてしまいます。

サブタイトルが一部抜けてました。すみません。


いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。


楽しんでいただけましたら、感想や誤字訂正、ブックマークや評価などして頂けますと大変うれしく思います。これからもどうぞよろしくお願い致します。


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