表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半端オタクの異世界転移(意志ある剣が存在する世界)   作者: 男将
第四章 フィーリッツ王国編
100/108

第九十八話 水VS氷

サブタイからある程度ネタバレなのは止めた方がいいでしょうかね・・・?


一方他の聖剣使いたちだが、ハルが離れたのと時を同じくして、他のメンバーも別の魔剣使いたちを連れて別々の場所に移っていた。


お互いの戦闘の邪魔にならないように、また一般の兵たちや今は操られている男たちを巻き込まないようにという理由からだ。


そしてそれは魔剣使いたちからしても好都合だったのか、同じように一対一の戦いを望んでいるようだった。


「さーて、と。それで?アンタがアタシの相手って訳ね。正直まともに戦えるとは思ってないんだけど。」


そう言い放った女性騎士は赤に近い茶色の髪をした騎士なのだが、その声は何故か上空から聞こえてきた。


「ケッ!たかがメスガキが調子に乗りやがって、女のくせに生意気なこと言ってんじゃねぇよ!カスが!」


問われた男は長身だがとてもやせ細っており、長い長髪の前髪が片方の目を隠すような容姿をしており、腰には同じく細い、細剣を携えて上空に向かって声をかけていた。


「随分と口の悪いやつね。でもまぁそもそもの話、アンタはアタシに攻撃することすら出来ないでしょ。ああそうだ、一様名乗ってあげるわ。フィーリッツ王国第四師団、団長のピリエよ。名乗って貰えただけありがたく思いながら死んでいきなさい。」


「ハッ!大層な名前なんざ必要ねぇだろ、てめぇなんざメスガキで十分だ!まぁ一様名乗っておいてやるか、今後てめぇのご主人様になる男だからな!エネ・サディスだ。忘れるなよ、忘れたらお仕置きだからな、ケッケッケ。」


「あっそ、好きにいえばいいわ。それじゃあさようなら。」


ピリエがそう話し終えるとサディスの上空から雨が降ってきた。


サディスがとっさに後方へ回避するとサディスに雨が当たることがなく、先ほどまでサディスがいた地面に小さな穴がいくつも空いていた。


「へぇ、よく避けたじゃない。でももっと広範囲になったら果たしてアンタは避けられるのかしらね?」


そういうと上空ある雲がどんどん広範囲に広がっていく。


「チッ!それがてめぇの聖剣、アメノムラクモの力か。しかも雲の上に居やがるせいで声は聞こえても姿は見えねぇ、噂通りとはいえ、女のガキのくせに聖剣なんざ持ちやがって・・・うぜぇ!」


それだけが聞こえて一気に雨がサディスの周囲一帯に降り注いだ。


「やれやれ、生意気なのは口だけだったわね。全然大したことないじゃない。何ならこの調子で他の奴らもアタシがさっさと潰しに行ってもいいかもしれないわね・・・っ!」


そう発言したときピリエのすぐ横を何かが通過していった。それがかすかにピリエの頬を掠めたのか一筋の赤い線が走り、わずかに血が流れる。


「ケッケッケ、油断したなぁ、まさかこの俺があの程度の攻撃でやられる訳ねぇだろ?これだからメスガキは脳みそカラッポなんだよ!」


そう言い切ったサディスの足元には水筒のようなものが落ちており、そして周囲には白色の壁が張られており、それが真上や横殴りに落ちてくる雨を防いでいた。


「ケッケッケッケッケ!俺がてめぇの相手になったのには理由があんだよ!メスガキのカラッポの脳みそじゃあわかんねぇか?あ?わかんねぇか?ケケケ。」


「フン!たった一発のまぐれ当たりで随分調子に乗るじゃないの。その調子なら木にも登れるんじゃないの?お調子者のおサルさん。」


そう言いつつ頬の血を拭うが何故か血が止まらない。おかしい、それほどまでに大きな傷ではない。何かを少し掠めただけなのになぜ血が止まらないのか。


「ケッケッケ!強がりは止しな!さっきから追加で攻撃してこねぇのを見るとてめぇ、さっきの俺の攻撃がどっかに当たったな?血が止まらなくて戸惑ってんだろ?ええ?ケケケケケ!!」


「・・・・・」


「ケッケッケ!特別に教えてやるぜ。俺の魔剣の能力は氷だ。って言ってもそれだけじゃあ面白くねぇよな?そもそも氷ってのはどうやって出来てるのか、いくらメスガキのてめぇにだってわかるよな?そう、水だよ!まぁ実際には酸素だの水素だの凝固だの色々言ってやがった気がするが、そんなことはどうだっていい!重要なのはてめぇの能力アメノムラクモは水を使う能力だってことだ!つまりてめぇは一生俺には勝てねぇのさ!」


「やれやれね。アンタみたいな雑魚はすぐに自分を大きく見せたがってペラペラ喋っちゃうんだから。だから馬鹿で雑魚なのよ。」


「ケッケッケ!その強がりがどこまで持つか楽しみだ。その内「ご主人様もう止めてください!」って地面に這いつくばって土下座するようになるぜ!」


「フン!寝言を言いたいのなら死んでからにしてくれないかしら?いくらでも夢を見続けられるわ、よ!」


ピリエがそう言うと雨が再び振り出した、ただし今回の雨は明らかに形が違う。まるで槍のような形となって降り注いだ全ての雨槍がサディスの方へと向かっていく。


「ケッケッケ!無駄だ無駄だ!どんな形をしていようが水である限り俺の能力には敵わねぇよ!」


いくつもの雨槍が降り注ぐが、その全てが氷の壁に阻まれて壁に接触すると同時に凍り付いていく。


「おっとそうだ、それから俺の氷は普通じゃねぇ。俺の魔力によって血が固まりにくくなる特別な氷になっててな、てめぇの血もいまだに止まらねぇだろ?俺はよぉ、この細剣で奴隷どもを穴だらけにしてよぉ、その穴を氷で埋めるのが一番の楽しみなんだよ。しばらくすると氷が溶けだしてよぉ、普通なら血が固まるんだが、それが固まらずに血が止まらねぇから奴隷どもが慌てふためくんだよ!そして必死になって穴を塞いで血が流れるのを止めようとするんだけどよぉ、穴の数が多すぎて止められねぇって訳よ!その時の表情と動きがたまらなく面白くてよぉ!まるで網の上で炎に炙られて踊ってるみてぇなんだぜ!!ケッケッケッケッケ!!」


「・・・下衆ね、アンタみたいな奴は生きてる価値無いわね。今すぐこの世から退場するべきよ。」


「ケッケッケ!メスガキのてめぇには俺に傷一つつけることすら出来ずに奴隷になる運命しかねぇよ!」


サディスが発言と同時に細剣を抜き放ち、ピリエに突きつける様に振り上げると氷の塊がいくつにもなってピリエに向かって飛来していく。


ピリエもそれに合わせる様に雨槍で迎撃していくが、迎撃した先から氷になっていき、その氷が更に追撃としてピリエに殺到するため、どんどんピリエ側が押されていく形になっていく。


「オラオラ!どうしたよ!もっと頑張らねぇとてめぇの体中に穴が開いちまうぞ?ケッケッケ!せめて俺の目の前で踊り狂って死んでくれねぇと楽しくねぇだろ!ケッケッケッケケ!」


「クッ!まだ・・もう少し!後少しよ!」


どんどんとピリエの雨槍の数が減っていき、逆にサディスの氷の数は増えていく。氷の勢いはどんどん増えていき、あとわずかでピリエのいる雲の辺りまで届きそうになったその時だ。


「ケッケッケ!粘るじゃねぇか!だけどよぉ、これで最後だ!とっとと諦めちまいなぁ!ケケケケケ!」


最後の一押しと言わんばかりに再度細剣を振りかざすと、自身の周囲の氷壁の一部も飛来していく。


ピリエ側はもう耐えられるほどの雨槍を出すことが出来なくなるが・・・


「アンタってやっぱり馬鹿ね。」


そう声を出すピリエは随分と落ち着きを払っていた。まるでここまで計算通りだったかのように。


「ア?なんだぁ?ついに諦めちまって最後に口からクソでも垂れてんのか?ケッケッケ。」


「邪魔だったのよ、アンタの周囲にあるその壁が。氷って案外硬いからね。それがあるとどれくらいのダメージを負わせられるか、勝てるか分かんなかったから。でもアンタがアタシを倒すために自分の周囲の壁まで使ってくれたおかげで・・・撃てる!!」


そう言い切るとどこからともなくゴロゴロという音と雲の周囲から稲光が走る。


そう、彼女はずっと雲の中で雷を落とすためのタイミングを見計らっていたのだ。


「!?く・・クソガキ!て、てめぇ!!!」


咄嗟にそれに気が付いて周囲にもう一度氷の壁を出そうとするが、肝心の水が周囲にはないため、直ぐに氷の壁を張ることが出来ない。最初に氷の壁を出した時は自分で水筒から水と出したのと相手の攻撃が水であったために張れたのだ。


今の彼の周囲に水はなく、ごくわずかの氷の壁しか残されていない。


「アンタみたいな奴は・・・黒焦げになって狂い死になさい!!」



バリバリバリバリ!!!!ドドドォォーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!



その音が聞こえたと同時にピリエに向かっていた氷が全て消える。


「フン、自分の力を過信して調子に乗るからそうなるのよ。」


パリパリと雲がまだ少し雷を纏っているが、周囲の空気は少しずつ落ち着いてくる。


「さて、今度こそ他の手助けに行こうかしらね。アタシがいればあっという間に片付くでしょ。」


そう言って背中を見せたその時。


ヒュン!!


と風切り音が聞こえた後に


グサッ!と音まで聞こえそうなほどの勢いでピリエの腕に氷の矢が突き刺さった。


「な!?っっ!!!」


大きな声を上げることはなかったが目を見開き自らの腕を見て、直ぐに背後に振り返った。


「てめぇ!女のくせに・・・ガキの癖に・・クソの癖に・・・この俺に・・・傷をつけやがったなぁ!!!お陰でこんな醜い姿になっちまったじゃねぇかぁ!!!!!!!」


雷と氷によって見えなかった落下地点には一つの影が立っていた。だがその男は先ほどまでと違って片方の目が盛り上がり、肌も浅黒くなり、太い血管のように赤い線が幾重にも張り巡っている風貌に変わっていた。


「てめぇはただじゃすまさねぇ、奴隷にして穴だらけにして何十日も何百日も全身の血が無くなるまで嬲ってやるからなぁ!!!」


ピリエは腕を抑えつつ、変化した男を睨みつけた。

皆様、今更ながらあけましておめでとうございます。

相変わらず更新のペースが遅い筆者でございます。

何とか今年一発目の更新を上げることが出来ました。


これもいつもこの小説を読んでくださっている皆様のお陰でございます。

本当にありがとうございます。

今年もなんとか書き上げていこうと思いますのでどうぞお付き合いのほどよろしくお願い致します。


少しでも評価やコメントが頂ければやる気が出ますのでどうぞよろしくお願い致します!


具体的には☆☆☆☆☆を★★★★★にしてもらえたらもう感激しまくります。


★☆☆☆☆でもとっても嬉しいよ!!


ブックマークもしてもらえたら嬉しいです!


評価は下の星を押してね!


こちらは気まぐれで書いた小説ありますので、良ければどうぞそちらもよろしくお願い致します。


テンプレ異世界に飛ばされたけど、こんなのテンプレっぽいけどテンプレじゃない! ~適当テンプレ神に流されずに頑張って抵抗ツッコミしていこうとするお話~


https://ncode.syosetu.com/n1008gw/


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ