四人の時間
四時限目が終わった。
時計の針は十二時を指している。
皆はそそくさと食堂に向かう。私は食堂ではなく教室で食べる。食堂に向かうと私のお財布とご相談をしなくてはならないから。
偶然、あおなっち、さや姉、よっしーがお弁当を持ってきていたので机をくっつけて食べる。
全ての食材に感謝を込めて
「頂きます……」
と皆に聞こえないようにボソッと言った。
「うわぁ〜さや姉のお弁当すごっ!ほとんどの食材にマヨネーズがかかってる……」
と、あおなっちが言う。
「え?これ普通じゃない?デリシャスよ?」
……どうやらさや姉はマヨラーのようだ。
テレビで言っていたのだが、マヨネーズは中毒性があるらしい(多分)
なのでマヨネーズ好きのマヨラーという人物が作り出されるらしい。
不思議な事にマヨネーズ専門店という店がある。
色んな種類のマヨネーズがあり、世界のマヨネーズも置いている。数量限定のマヨネーズもあるらしい。
そうとは言え、さや姉の中毒症状は限界を越えようとしている。弁当の約七割はマヨネーズで埋まっているだろう。
「我氏ね、ネットでマヨネーズダイエット見つけてさ〜簡単そうだから試してみたら、マヨネーズにどっぷりハマっちゃって!!ほんとにやばたにえんだよねー」
「や、やばたにえん?」
茶色の髪をクルクルとさせ、不思議そうにあおなっちは呟く。
マヨネーズは意外と太りやすい食材と思われがちだが、実はあまり太らない。
さや姉が言っているマヨネーズダイエットがあるらしい。マヨネーズは夜食にも活用されており、迷える受験生の方にとってもオススメだ。
「でも……そんなにマヨネーズ食べても大丈夫なの……? 栄養とか偏りそう……」
よっしーはそれを言い放った後に、箸でネギ入りの卵焼きを掴み、口に運ぶ。
「大丈夫だって!家ではちゃんとサラダとか魚を食べてるから!!」
事実か嘘かも分からない発言に私はこう言い放つ。
「いや追加でマヨネーズ食べてるっしょ……」
するとさや姉はあ!バレた?と言う。この場に居る四人が口を抑えてクスクスと笑う。
雑談をして、黙々とお弁当を食べ進めお弁当箱に蓋をする。猫のロゴが入ったトートバッグに蓋をしたお弁当箱を入れ、自分のロッカーに入れる。
まだ昼休みが終わるまで時間があるので次の授業の準備をして三人とゲームの話をする。皆は【お宝ダンジョンズ】というゲームが好きらしい。私も同意見だ。
お宝ダンジョンズはRPGゲームであり、自由性が高い。ゲーム人口人数もRPGゲームの中ではダントツに高く、子供から大人まで遊べる。
その話で盛り上がる。もっと話したかったのだが時間が来てしまったので、自分の席につき、先生が来るまで待つ。
五時限目が終わり下校し始める頃になる。
皆がゾロゾロ帰る中、私は校長室に行かなければならない。……放課後にミッションがあるからだ。
校長室の扉の前に立ち、深呼吸をする。落ち着いたらドアノブに手を乗せて軽く下に押し、前に押す。
「校長先生……来ましたよ。」
私は地味に怒りながら言う。皆と帰れないから。
一緒に帰れない。毎日、この三年間。
「よくサボらずに来たね。椛くん」
「そーですか。うちは皆と一緒に帰れないからこの特訓が終わった後一人寂しく帰らなければならないんですからね。」
私はキレ気味で言う。てかキレそう。
校長が一息吸った後、
「あなたに拒否権はありません。てかあなたは魔法を使えるんだから……その事を置いといて、さぁ。特訓を始めましょう。」