人間関係
夢を見た。
「おかーさーん!!!見てみて!!!私とおかーさんとおとーさんとにぃに書いたの!!!」
「あら!凄いわねー!〇〇は本当に絵が上手ね!今にも動き出しそう!ほら、お父さんとお兄ちゃんにも見せてきなさい。」
「うん!!」
少女が手に持っている絵はクレヨンで書いた笑顔のある温かい家族の風景画だった。
彼女は小さい頃から絵を書くのが大好き、そして絵の才能があった。
小学一年生の時、動物の絵で金賞を取った。
小学二年生の時、植物の絵で金賞を取った。
小学三年生の時、学校の絵で金賞を取った。
小学四年生の時、夕日の絵で金賞を取った。
小学五年生の時、防犯の絵で金賞を取った。
小学六年生の時、家族の絵で金賞を盗った。
その事で世界に名を刻んだ。
という夢。
「血をほんのちょっと採っただけで倒れるなんて……体力がありませんな……」
「うぅ……面目無い……です。……てかここどこですか?明らかに保健室じゃあないでしょ。」
見渡すと、白いコンクリートのような壁がある。それに滅茶苦茶広い。下手したら学校よりも広いかもしれない。
「嗚呼…ここね、防音室。特訓用の。」
「……は?とっくん……?ま、まさか…」
「うん。そのまさか。君は学校の放課後にここへ来て魔法の特訓する。中々いいでしょ。楽しそうでしょ。」
魔法とかは夢じゃなかったようだ。まぁ校長とすこぉぉぉぉぉぉし仲良く話してる時点で夢ではなかったんですけどね。ははは
「てか特訓とか面倒くさいですよ!うちは塾とかある日もあるので放課後には出来ないんです!」
そう、椛には月曜日と木曜日と土曜日に塾があるのだ!!これを言い訳に特訓とか無くしてやろうと思ったら、
「ん。ああ、その辺心配しないで。私には《時間を止める》能力があるからね。ちなみに今も止めてるよ。今日1日私と話して終わって明日学校来たらクラスメートがもうグループ作ってて私一人ぼっち……っていうのを避ける為にね。一人ぼっち嫌でしょ?」
なん…だと?塾を使って特訓というイベントを避けようとしたのに校長の能力で全ての計画が崩れてしまった……?!
でもうちの人間関係を心配してくれる限りうれぴぃ!!一人ぼっち嫌だもん!モモンガモン!
「じゃあ…後でね☆君は教室にいって友達作ってね♡」
「ちょっと……校長先生?採血の結果教えてくださいよぉ……?ついでに血液型おしえてくだせぇ……」
椛は笑顔で言い放った。(目が笑ってない。)
校長の瞳を見ながら……
「え……えっとぉ…その………能力を調べる機会で調べようとしたらエラーが出ちゃいまして……あ!でも血液型はAB型だったよ!」
……?エラー?能力が分からない……?
校長は両方の人差し指を向かい合ってつんつんしながら答えた。
「能力が分からない状態だけど、自分に合った魔法を覚えればいいさ!魔法の図鑑とか本は校長室の中にあるからさ」
魔法……か。
でもうちは平凡な学校生活を送りたかった。魔法とは無縁でありたかった。
でもちょっと変わった学校生活も楽しそう……
と思う椛がいる。
うちは防音室、校長室を後にして自分の教室に向かうことにした。階段を上り、二階の廊下に貼ってある、クラスの振り分けを見た。
指を指し、よの段を一緒懸命に探す。
「あ……あった!…えーと1ー2か。」
小走りで1ー2の教室に向かう。教室に入ると数人のクラスメートがいた。椛は自分の指定席に座って鞄を机のフックにかける。
そして、数人しか居ない中の女子に片っ端から声をかけていく。「1年間よろしくねー」 「君どこの小学校?」 「その筆箱カワウィーねー!」
実は与謝野椛。
意外とコミュ力は高いのだ。
女子全員に話しかけたら次は自分が話してて、気が合う友達を集めてグループを作る。グループは2、4人がオススメだ。3人や5人だと、2組作る時に一人余ってしまう。そこからいじめに繋がる可能性があるので、グループを作る時は偶数をオススメする。
椛は3人の女子を集めた。
一人目は、茶髪のポニーテールに黄色いシュシュを付けていて、肌が白い。この子とは気軽に話しやすく、好きな漫画で語り合った。
名前を青菜リサ
通称あおなっち
二人目は、黒髪ロングで清楚系かと思われたが、意外とギャル語を使う……運動が好きらしい。この子とは好きなスポーツが一緒で盛り上がった。身長高い……
名前を赤西紗夜
通称さや姉
三人目はベージュ系の髪色で肩までのツインテール。身長が小さく、とても可愛い。癒し系女子だ
この子とは好きな芸能人で話し合った。
名前を吉田みのり
通称よっしー
この三人を集めた結果、意外と気が会いスマホで連絡先を交換して、グループチャットを作った。
この四人の共通点はゲーマーな所。
椛は最高の友達を作り、授業中に一人だけ、ニヤついている……