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ロバ耳!!  作者: 木村薫
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 5 スランプ脱出法を考える。

 スランプ脱出法とありますが,作者の勝手な考えです。試してみたけど出来ない……という苦情は受け付けかねます(笑)。

 もうすぐ,「小説家になろう」に登録させていただいてから一年がたとうとしている。

 早いものだ。

 小説を書くという事が,面白くも苦しい作業だという事が,よぉく判った一年になると思う。


 実は,小説というものを意識して書いたことはなかった。

 今でいうケータイ小説のようなモノは書いたことがある。小学生の時に,宿題をやりたくなかったからノートの端っこに殴り書き。

 あとは好きなアーティストのPVを見て,浮かんだ風景を書きなぐるくらいの経験しかなかった。

 それはチラシの裏で書きなぐり終わる事もあったし,レポート用紙何十枚という事もあった。

 そう,明らかに現実逃避の道具であり,いい加減なものだった。


 だって,頭の妄想をわざわざ活字にするのはシンドイ作業だ。

 手間ひまかかりすぎ。

 頭の妄想を映像化できる秘密道具があったら,どんなにいいか。

 

 「ドラえもぉーん」

 

 のび太になって叫びたいよ。ホント。


 根はグウタラな私。

 そんな私が連載を書き始めたんだから,今年は何があったんだ。

 私の人生の中で,天変地異が起きたようなものだ。

 現実での生活に追われていたので,最上級の現実逃避を始めてしまったのかもしれない。

 

そして,このエッセイには関係ないことなんで,書くべきではないかもしれないが。

 今,ファンタジーで連載中の作品,執筆が止まっている。

 決して宣伝ではない。いえ,ホントですって。

 なので,詳細は省きます。

 やる気も出てキャラ達の動きも展開もスムーズになったというのに……。


 最近確かに,書いていて違和感を感じつつあった。

 文字が出てこない。

 話は頭の中に流れているのに,その光景を活字に翻訳出来ない。言葉を,失ってしまった。

 一気に,話の中から色が抜け落ちていく感覚。

 これは,やばい。

 こんな事,今までなかった。

 そして,よぎっていく単語。

 噂に聞く,物書きが恐れる二大巨頭。

 『締め切り』 そして『スランプ』!

 

 不思議なもので,そう自覚した途端に手が止まってしまった。

 慌てて,今月図書館から借りている本を見てみる。

 小説がない……。

ここ一月は新しい小説,読んでいない!

 っていうか,まだ「チーム・バチスタ」も読んでないじゃん! 「カラマーゾフの兄弟」も読んでないじゃん!

 読むリストに入って,もう半年。「バチスタ」気付いたらドラマなってるし!

 これじゃ,スランプになるはずだ。

 そりゃね,私生活で読書に当てていた時間,大部分を物書きに当てているんだから。

 物書き時間が増えるに比例して,読書量は減ってしまう。

 時間を工面しようと睡眠時間を減らせば,現実世界に支障が出る。

 私,かなりに寝坊です。マジに,朝起きれなくなってヤバイんです。

 

 話が逸れかけた。失礼。

 気をとりなおして,スランプ脱出法。


 これはあちこちの掲示板に書かれている。

 「とにかく書け」というもの。

 「とにかくゲームしろ」というもの。

 「果報は寝て待て」というもの。

 

 私が信じるのは,「ひたすらに読め」というものだ。

 ガンダムの作者 (そう言ってよいのかな? ガンヲタでないのでよく判らないが) 富野氏の言葉を以前読んで,感銘を受けた事がある。

 富野氏の発言は賛否あると思いますが,あくまで私の感想という事で。

 以下は何年も前の記事であり,いい加減な私の記憶であるから間違いがあると思う。大体で許して欲しい。

 

 アニメーターの卵たちを前にした講演だったと思う。


 「個性なんか,ない。自分の個性を求めるな。上手く描こうなんて思うな」

 「ひたすらに描け。描き続けていくうちに,自分というフィルターから滲むものがある」

 「今まで見たもの,感じたもの,全て自分の中に溜まったものが,ほんのわずかに出てくる。これが,しいて言えば君達の色となる」


 その通りだと思った。

 当時,「自分探し」なんて言葉が流行った。

 「本当の自分を探しに行こう」なんて企画もテレビで多かった記憶がある。

 ふざけんな。旅にでなきゃ,自分が判んないのか。 自分らしさが出ないのか。

 「個性豊かに」なんて当時の教育の世界でも言われていた。

 学校では「子ども一人一人の個性と伸びる力を引き出すような指導を」と,教授達に教えられた。

 そりゃ,子どもは一人一人で性格が違う。けど,それを個性とは呼ばない。

 じゃあ,個性ってなによ。

 首をかしげていた時に,氏のインタビュー記事を読んで納得した。


 そうだよ。基礎が出来てなきゃ,何ごとも進歩も工夫も出来ない。すなわち,人それぞれの特性なども,大きく出る事はない。

 十人十色というけれど,まぁそうなんだけど,大まかにくくった大多数は凡人だ。平均の能力範囲で人生を終える。

 その中で強烈な色を出す「個性」というものは,まず凡人ではない。いわゆる「できすぎクン」だけだ。

 じゃぁ,凡人はどうするか。

 努力するしか,ないんだよね。

 「その人らしさ」をだす為に,ひたすらに感性を研ぎ澄まし知識を積んで,自分を磨かなきゃ「色」は出ないのだ。人が認める結果は出ないのだ。


 長くなった。

 つまり,小説を書くという事も,同じだと思う。

 作家ごとに作風も文章の味も違う。それは,作者が今まで読んだ本,見てきた映画や映像,色々とにじみ出たものだ。多分。

 そう思うなら,読むしかない。聴くしかない。

 読んで見て,無意識の底を文章と映像で埋めていく。

 一流の文章と,映像。荘厳で甘美な旋律と躍動するリズムを,体に取り込んでいく。

 その上で,書いていくしかないんじゃないだろうか。


 という訳で。

 年末年始の予定は決まった。

 コタツで読書。録画して溜まった映画とドキュメンタリーを制覇するのだ。

エンヤの新曲で,浮かれてクリスマス気分になっている場合じゃない。

 幸いな事に,もうじき図書館の大量貸し出しが始まるし。

 中古本屋も行こうかな。大掃除で売りにくる人も多くなるみたいだし。

 大判のトートバックを三つほど持って行くぞ。

 脱スランプだ!

 

 うっかり,日本酒とおせちを並べないように気をつけなきゃ。

 コタツで寝ちゃいそう。だ,駄目だ,自分っ。体重,もとに戻ってしまうし! 

 あぁ……スランプ脱出なるか。

 いや,今年の私も来年の私も,一味違うんですっ。

 目指せ! 連載開始!

 読んで下さっている方。もうしばらく,お待ちくださいね。復活しますから。

 

 

 

 

 


 

 

 

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