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ロバ耳!!  作者: 木村薫
13/24

 13 悩む主人公 

 小説の主人公。

 魅力的か,共感出来る要素を持たせること。もちろん,想定する読者層を考えての事。

 性別は? 年齢は? 読ませたい,あるいは読んでくれそな読者層とあまりかけ離れては,マズイ。共感がなければ物語に引っ張り込む力が弱まる。読んでもらってナンボです。

 これが最低の条件だと思う。これにキャラ自体に作品を完結まで引っ張っていける魅力を備えているかも大きい。書き手も「うおお! こいつの行く末を書いてやるぜ! 」と思い込まなければ完結できませんから。

 さてさて。どんな主人公がよいのだろう。


 今,私の頭の中はぐちゃぐちゃだ。

 書きたいものが混在している。

 一つは異世界ファンタジー。以前書いていた続編だが,困ったことに各時代が自己主張している。それぞれに書きたいシーンがある。あの街の光景を。このアクティブなシーンを。このしっとりとしたシーンを……とか。でも,物語として筋を通さねばならない。ここが悔しい。ホント,脳内妄想を映像化する装置がないのだろうか。


 一つは現代モノ。軽く,そして,リアルに。

 異世界ファンタジーを書いていたからか,現代モノが書きたくてしょうがない。だって,お菓子を表わすにも単語で済む。異世界だと例えば水羊羹の描写一つでも『豆を甘く煮て冷やし固めたもの』と書き表さなければいけません。あーじれったい! 『水羊羹』でいいじゃん!……そう思う私は短気です。


 さてさて。小説を書こう。主人公の条件は。

 主人公の性別は大切だ。

 特に異世界ものだと,物語の構成を左右する……と勝手に思っている。

 何故って? 女は逞しいんです。順応性高すぎるんです。そう思う。


 例をだそう。

 小野不由美氏の『十二国記』。 

 有名ですが,知らない方の為に詳しくは書きません。大まかに言えば,異世界トリップ。知らない世界に飛ばされる女子高生。右も左も言葉も文化もわからない。そんな彼女の成長物語。

 かなり心理が詳しく,かつリアルに書かれている。詳細な世界観に,リアルな心理描写が,読み手を引き込ませます。一読アレ。

 とにかく,そこに出てくる陽子が,逞しい。悩み苦しみながらも,自分の足で立って進んで生きます。誰かに依存するなんて事はない。自らの意思で進むべき方向を決めて歩んでいきます。かっこいい!


 まだあります。少女漫画ですが,ひかわきょうこ氏の『彼方から』。

 特筆すべきは,『異世界で言葉が通じない』設定です。これは珍しいと思う。物語当初は,登場人物同士で会話が成り立たないんですよ。話が展開しないじゃないですか! でもリアルに異世界トリップしたらそうなるでしょう。TVのバラエティー番組で,いきなり見知らぬ外国の秘境に送られた若手芸人が四苦八苦している様子……あれに近いと思う。

 書き手としては,物語が進まないそんな状況は避けたいのに,あえて挑戦している。すごいと思う。主人公の女子高校生は,現地時間数日で気持ちを切り替え現地語習得へと取り組みだすのです。

 これが主人公が男なら……と考えてください。

 こんなにも自分の足元を見据えて,困難に立ち向かっていくだろうか。しかも,たった一人で。誰に依存するでもなく,誰かを責める訳もなく,生きていけるだろうか。

 私が女だから思うんでしょうか? うーん。


 先の例を出した『十二国記』でもトリップした男性登場人物はいます。現地語も習得していました。が,数日で現地語を習得しようと取り組みだした様子は読み取れなかった。確か。読んだりアニメで見たのは昔なので,記憶違いがあるかもしれません。あったらごめんなさい。先に断っておきますね。

 そう考えても,男性が主人公の場合は,まず『嘆き』から始まるような気がする。リアルに,『何故こうなったのか』『どう,トリップしたのか』『帰るすべはあるのか』,まじめに考える気がする。そういう精神回路を持ってる気がする。

 

 比較しようにも,男性が主人公で異世界トリップの物語が浮かばない。うーん。ごめんなさい。

 条件を変えましょう。今までとは180度違う世界に行った,と。

 例えば,『エヴァ』の碇シンジ。『ガンダム』のアムロ。

 両者とも,日常から戦場へという死と背中合わせの世界に飛び込んで……いや,巻き込まれていく。厳密に言えば,両者とも戦場のにおいのする日常を送っていたのだから違うかもしれませんが。

 さて,両者はどうしたか。

 碇シンジは,一度逃亡します。で,保護者となった女性に怒られてる。

 アムロにいたっては,最強の武器ガンダムに乗って逃亡。持ち逃げだ。

 もっとも,二人とも監督者から喝を入れられ,友人からの支えもあって,少しずつ成長していくんだけど。両者とも逃亡とは。

 

 いや,私のたとえがマズイのかも。

 少し違うけど,森岡浩之氏のSF小説『星界』シリーズはどうでしょう? 

 あんまり書くと,まだ読んでない人の楽しみが消えるので書けませんが……。この主人公ぐらいかな。現実に順応していく男性主人公は。

 他にご存知の方,是非ご一報を!

 

 性別は置いといて。年齢も。

 基本「なろう」読者は若い人が多いようです。が! 作者の私はさほど若くない。学園ものを書こうにも,恐らくは学園モノの雰囲気が古びてしまうだろう。なんたって,私の学生時代後半でポケベルが出てきたぐらいです。ポケベルですよ? 知ってます? 昔の『名探偵コナン』でトリックに使われたアレですよ。タバコ程の大きさで,番号を押してメッセージを送ったメールの初期道具です。こう説明すれば中学生に通じるでしょうか……悲しい。自分の年を実感して,悲しい。

 今や学生も必須のケータイ電話がどれだけ学校生活に根付いてるか判んないんですよぉお!

 禁止されても使っているのはどれだけの割合か。ばれた時の処分はどんなもんか。テストの時や授業では,どう使ってるのか。

 想像も出来ません。流行のマンガを見ろって? ドラマを見ろって? 私の持論ですが,ドラマもマンガも,対象の層にあわせています。そして,やや現実より甘くしてあるはずです。だって,ドラマやマンガは夢の世界ですから。対象者の憧れをかくんですから。現実を忠実に再現している訳ない。

 もっぱらドキュメンタリーを探しています。が,ケータイの取り扱いに関しては,まだ試行錯誤の真っ只中。曖昧な意見が次々と出ていますから,あまり作品が作られていない。生徒が使用制限について教師側と対話する,というものならありましたが。事態は刻一刻と変化している途中です。難しい。かといって,作中に『ケータイ』の一字も出てこないのは不自然だ。避けるにも限度があるのです。

 学生ものは描けないかも。十代が主人公の現代ものは不可。決定。

 となれば……働く大人側ならどーでしょう。上手く苦手分野をさければ,リアルにかけるかも。描けるのか? 自分。

 

 さて,どうするか。

 男か女か。

 女は多分,強い。でも私の作る話は主人公が悩んで欲しいのです。しかも,あまりあっさり立ち直ったり開き直ってくれては困る。悩んでいじけて,そんで這いつくばって欲しい。そうすれば,よりリアルになると思うから。普通の人間,ドラマチックな展開に慣れていないに決まってるんですから。私の強引な考えですけど。

 となると,男か。また男か! 前作は,意識した訳ではないが野郎率が高くて困ったのですよ。可愛い女の子が大活躍して欲しいのに! 美少年や美少女に会えるのなんて,小説やマンガぐらいしかリアルにありませんよ。よって,女の子をだすぞぉ! 意識して可愛い子をだしてやるっ。

 あ,脱線した……。

 魅力的なキャラ設定をしなければ。いや,まず性別はどーするよ? 年齢は? あぁ……もう……。 

 

 こうして主題は振り出しに戻る。

 読者の分身しもなり,なおかつ魅力的現実的と捕らえられるように欠点を与え,物語を進ませる魅力を持った主人公。

 いい子が出来上がるといいんですが。

 




 という訳で,執筆中です。

 こんなとこで宣伝するのは恥ずかしい事と重々承知ですが,何分他の場もありませんので。ごめんなさい。ここで書かせていただきます。書きますと宣言して三ヶ月,時間が経ってしまったので……。


 同作者の異世界ファンタジー『千夜を越えて』と同じ世界で展開(予定)の次回作『見下ろすループは青』(仮題)。

 勝手に予告しちゃいます! 9月2日 水曜日から週一でUP予定です。またお目汚しかもしれませんが,覗いてくだされば嬉しいです。

 

 

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